(事例紹介)岐阜中警察署、18歳未満の少女を夜10時以降も客引きとして働かせた疑いで飲食店の店長ら男性2人逮捕

(事例紹介)岐阜中警察署、18歳未満の少女を夜10時以降も客引きとして働かせた疑いで飲食店の店長ら男性2人逮捕

迅速な対応

18歳未満の少女を夜10時以降も客引きとして働かせた疑いで岐阜中警察署に逮捕された飲食店の店長ら男性2人の事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

【事例】

岐阜中警察署は29日までに、18歳未満の少女を夜10時以降も店の客引きとして働かせたとして、労働基準法違反の疑いで岐阜市内の飲食店を家宅捜索し店長ら男2人を逮捕しました。
家宅捜索されたのは岐阜市羽根町の飲食店「すみれ」で、28日深夜から29日未明にかけて捜査員が店内を捜索しました。
逮捕されたのは、岐阜市茜部新所の飲食店店長の男(27)と、ベトナム国籍で名古屋市中川区外新町の飲食店従業員の男(26)です。
警察によりますと、2人は共謀の上、2023年12月8日と22日、「すみれ」付近の路上で、午後10時以降、当時16歳の少女に客引き業務をさせた疑いが持たれています。
警察は、2人の認否を明らかにしていません。
警察で余罪も含め、捜査しています。

(ぎふチャン:「18歳未満の少女を夜10時以降も客引きとして働かせた疑い 飲食店の店長ら男2人逮捕 岐阜市」2月29日 17:26配信を引用・参照。)

【未成年者の雇用で問題となる労働基準法等の法律】

■労働基準法とは?

労働基準法(以下、法令名省略)とは、労働条件に関する最低基準を定めた法律です。
今回の事例のように満18歳未満の未成年者(「年少者」)についても、労働条件の最低基準が定められており、最低基準を下回った場合などには、労働基準法違反として罰則が課されます。
この法律により、映画製作などに従事する場合など一部例外を除き、16歳の誕生日を迎える年度の4月1日(一般的な過程で進学した場合は高校1年生)までは働けない(雇用できない)ことになっています。(労働基準法56条各項ほか)

■深夜労働をさせてはいけない

午後10時から翌日午前5時までの労働は、「深夜労働」であると定められています。
深夜労働は年少者の健康や修学に悪影響であるため、深夜労働をさせることは原則として禁止されています(61条)。

労働基準法61条1項 使用者は、満18才に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。(略)

但し、例外的に、一般的な高校1年生~18歳未満の未成年者については以下の場合にのみ認められる可能性があります。

・交代制により働く満16歳以上の男性
・厚生労働省が地域又は期間を限定して午後11時まで、あるいは午前6時からの勤務
・交代制の勤務が必要となる事業では午後10時30分まで、あるいは午前5時30分からの勤務(所管の行政官庁による許可が必要)
・土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業(労働基準法 別表第一6号)
・動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業(同7号)
・病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業(同13号)
・電話交換の業務(いわゆる電話交換手)

また、基本的に一般的な年齢としての高校1年生の4月までは児童が働くことは認められていませんが、13歳以上であり学業などに支障を来たさないと認められる範囲で、行政官庁が許可した場合、一部の業務(主に工事・石炭採取といった現場の仕事)に充実することも可能です。

なお、報道事例では詳細な態様が不明ですが、「客引き行為」については、そもそも「風俗営業の規制及び業務の適正化に関する法律」や各都道府県の定める迷惑行為防止条例などに違反する恐れがあります。

■労働基準法違反で通報を受けたら弁護士に相談

成人に対する労働基準法違反と比べて未成年に対する労働基準法違反は、未成年の要保護性の観点から単なる労働問題にとどまらず、厳しい処罰を受けるおそれがあります。
未成年であることを把握しつつ労働させていた店舗の店長などはもちろん、自己申告のみを信用して成人と同じ労働条件で採用してしまった場合、会社の経営者など雇用主側が労働基準法違反の責任を追及されるおそれもあります。
会社の名前が公表され、企業イメージが低下し経営に影響を及ぼす恐れがあるなど様々なリスクを孕みますので、早急に弁護士に相談するべきでしょう。

【事務所紹介】

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が報道事例を踏まえ労働基準法違反について解説致しました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、労働基準法違反などを含めた刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
労働基準法違反など刑事事件に関するご相談は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。
ご家族が逮捕され身柄が拘束されている場合には、最短当日に、弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。

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