重過失傷害罪で逮捕
岐阜県大垣市に住むAさんは、自らが飼育する大型犬を散歩していた際、人気のないことからリードを外して散歩させていました。
そこをVさんが通りかかったのですが、Aさんは引き続きリードを外したままで、その犬をVさんに近づかせた結果、犬がVさんの腕に噛みつき、全治1か月の大怪我を負わせました。
そして、Aさんは、重過失傷害罪の容疑で岐阜県大垣警察署に逮捕されました。
Aさんから事件を依頼された弁護士は、罪名が重過失傷害罪であることを捜査機関に確認したうえで、Aさんの主張を前提に過失の内容を争う弁護活動を行うことにしました。
(フィクションです。)
【重過失傷害罪について】
重過失傷害罪は、その名のとおり重大な過失により人を傷害した場合に成立する可能性のある罪です。
重過失傷害罪における「重大な過失」とは、簡単に言えば不注意の程度が著しい場合を指します。
その判断に当たっては様々な事情が考慮され、上記事例のように、通常、大型犬が暴れると制御できないものですし、その大型犬のリードを外して散歩するような事情は「重大な過失」を基礎づける事実に当たる可能性があります。
不注意の程度が「重大な過失」と言えるほどではない場合、過失傷害罪に当たる余地が出てきます。
過失傷害罪と重過失傷害罪は、過失の程度以外でも違いが見られます。
まず、過失傷害罪の法定刑が30万円以下の罰金または科料であるのに対し、重過失傷害罪の法定刑は5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金です。
重過失傷害罪については重過失致死罪と一括りにして上記刑となっていることから、重過失傷害罪が決して軽いものではないことが分かります。
また、過失傷害罪は親告罪と定められているのに対し、重過失傷害罪は非親告罪と定められています。
親告罪であれば裁判を行うに当たって被害者などの告訴が欠かせなくなるので、この違いは裁判が見込まれる際に重要になってきます。
【過失を争う】
過失傷害事件では、過失の有無とその程度に関する検討が必須と言っても過言ではありません。
過失が重いかどうかで上記のとおり刑罰が大きく異なりますし、そもそも過失がなかったと判断されれば無罪や不起訴になります。
実際の事件においても、過失について被疑者・被告人側と捜査機関との間で争われることは珍しくありません。
「過失」という言葉自体は一般的に知られていますが、法律上その判断は簡単ではありません。
過失の有無は刑事責任を負わせるべきか否かの分水嶺になりうるので、その認定は慎重にしなければならないのです。
加えて、当事者間で事実関係に争いがあるとなると、過失という法的評価の前に事実の有無が争点となります。
この事実の認定についても、裁判においては証拠に基づき厳密に行われなければなりません。
以上のことから、重過失傷害罪の事案においては、弁護士に事件を依頼するのが得策と言えます。
弁護士は法律の専門家として着目すべき点を心得ているため、被疑者・被告人の妥当な処分を目指して的確な主張を行うことが期待できます。
本来受けるべきでない過度に重い処分を受けないために、少しでもお困りであれば躊躇せず弁護士に相談してみてください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、重過失傷害罪のような難しい事件でも充実した弁護活動を行います。
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