監禁事件で勾留決定後に釈放

【事例】

岐阜県下呂市でバーを経営するAさんは、1ヶ月ほど前からよく飲みに来ている男性客が飲食代を支払っておらず、これまでのツケが10万円を超えてしまっています。
これまで何度も支払いを迫っていますが、全く支払う意思を見せない男性の態度にごうを煮やしたAさんは、お客さんが帰って誰もいなくなった店内で、この男性客に対して「すぐに親にでも家族にでも電話してツケを持ってこさせろ。それまで帰らせない」と言って、Aさんをお店の奥にある倉庫に閉じ込めたのです。
しかし結局朝まで待っても、男性客は家族と連絡がつかず、仕方なくAさんは、男性客を解放しました。
その後、この男性客が、Aさんに監禁されたと、岐阜県下呂警察署に被害を訴えたことから、Aさんは、監禁罪で逮捕、勾留されてしまいました。
Aさんは、自分の行為が監禁罪に当たることには納得し反省していますが、勾留までされて長期身体拘束を受けている事には納得ができません。
そこでAさんは、勾留決定に対する準抗告によって早期釈放を望んでいます。(フィクションです。)

【監禁罪】

不法に人を監禁した場合、監禁罪が成立する可能性があります。
「監禁」とは、一定の場所から他の場所に移動する自由を奪う行為を指します。
このことから、たとえば他人を自動車内に乗せて高速度で走行する行為も、監禁罪に当たることがあります。
この場合には、高速度で走行する自動車を降りるのが一般的に危険であることから、自動車の車内からの脱出を著しく困難にさせていると言えます。

また、「不法に」とは、監禁を正当化する事情が存在しないことを指します。
監禁を正当化する事情としては、法令により認められていること(たとえば警察が行う逮捕・監禁)や、相手方の承諾があることなどが挙げられます。

今回の事件で、Aさんが男性客を閉じ込めた倉庫に外部から鍵をかける等して、男性が倉庫から脱出できない状況にしていれば、間違いなく監禁罪が成立するでしょう。
監禁罪の法定刑は、3か月以上7年以下の懲役です。
更に、監禁のための暴行や監禁自体が原因で傷害や死亡に至った場合、監禁致死傷罪として懲役の上限が高くなる可能性も出てきます。
いずれにせよ罰則が懲役となることからすれば、監禁罪は重大な罪の一つと言えるでしょう。

【勾留決定に対する準抗告】

被疑者として逮捕されると、その後72時間以内に引き続き身体拘束をするかどうか決定されることになります。
この逮捕に続く身体拘束は勾留と呼ばれ、その期間は10日から20日と相当程度長期に及びます。
勾留に至る過程では、検察官による勾留請求および裁判官による勾留決定が必ず行われます。
こうした過程において、弁護士は検察官や裁判官に勾留しないよう働きかけたり、勾留決定後にその判断を争ったりすることになります。

上記事例で検討されている勾留決定に対する準抗告とは、裁判官が行った勾留決定に対して、その判断が不当であるとして不服を申し立てる手続です。
勾留決定に対する準抗告のメリットは、本来勾留が行われるべきでないケースで勾留が行われた場合に、果たしてその判断が正しいのか改めて審査してもらえる点です。
勾留請求に対する判断は1名の裁判官が行うのに対し、勾留決定に対する準抗告は3名の裁判官が行うことになります。
そのため、勾留決定に対する準抗告の方が、より判断の慎重さが保たれていると言うことができます。

勾留決定に対する準抗告が認容されると、もともとの判断である勾留決定が取り消される結果、勾留中の被疑者は直ちに釈放されることになります。
ただ、一度勾留が妥当として勾留請求が下されている以上、その判断を覆す主張を行うのはそう容易ではありません。
もし勾留決定に対する準抗告を行うのであれば、刑事事件に精通した弁護士にきちんと依頼することをおすすめします。

岐阜県の刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまで何度も勾留決定に対する準抗告による早期釈放を実現した実績がございます。
監禁罪で、逮捕、勾留されている方の早期釈放を望んでおられる方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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