薬物事件で即決裁判手続

即決裁判手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県海津警察署は、岐阜県海津市に住むAさん(自営業)を覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで逮捕しました。
後日、Aさんの妻のもとに、Aさんが勾留されたとの連絡がきました。
Aさんが不在では店を回すことが難しく、Aさんの妻は一日でも早く戻ってきてほしいと思っています。
Aさんの妻は、急いで対応してくれる弁護士を探し出しました。
(フィクションです。)

薬物事件~公判請求が不可避な場合~

薬物事犯には、覚せい剤取締法違反、大麻取締法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反などがありますが、違反に対する刑罰はきわめて厳しくなっています。
例えば、覚せい剤の単純所持の法定刑は、10年以下の懲役となっており、大麻の単純所持については、5年以下の懲役であり、罰金刑はありません。

薬物事件で逮捕されたからといって、必ずしも起訴されるとは限りません。
有罪を証明するだけの十分な証拠がない場合や、有罪の立証には十分な証拠はあるけれども、所持していた薬物の量が微量で本人の再犯可能性が低いと思われるような場合には、不起訴で処理されることもあります。
しかしながら、薬物事犯は、他の犯罪と比べると起訴されることが多く、重大犯罪につながりやすい覚せい剤事犯や薬物の再犯であれば起訴される可能性は非常に高くなります。

上の事例では、Aさんは覚せい剤の使用で逮捕・勾留されています。
初犯であり、個人での使用とはいえ、Aさんが起訴される可能性は高いでしょう。
しかしながら、初犯かつ単純な使用の覚せい剤事犯であれば、起訴されたとしても、執行猶予付きの判決が望めるところとなります。
そのような場合には、公判請求されたとしても、できる限り早期に判決を得て被告人を裁判手続から解放させるべく、即決裁判手続を行うよう活動することが弁護人に求められることがあります。

即決裁判手続とは

即決裁判手続とは、事案が明白かつ軽微で、罰金または執行猶予判決が見込まれる争いのない事件について、被疑者・弁護人の同意の下、簡易で迅速な訴訟手続を行う制度のことです。

■即決裁判手続の要件■

①事案が明白であり、かつ、軽微であること、証拠調べが速やかに終わると見込まれるなど、即決裁判手続で審理するのが相当と認められる事件であること。

②死刑、無期、短期1年以上の懲役または禁錮に当たる罪ではないこと。

③被疑者の書面による同意があること。

④被疑者に弁護人があるときは、弁護人の書面による同意があるか、少なくとも意見を留保していること。

これらの要件を満たす場合に、検察官は即決裁判手続の申立てを行います。

即決裁判手続は、起訴からできる限り早い時期に公判期日が指定されます。
そして、原則として1回の審理で即日執行猶予判決が言い渡されます。
即決裁判手続は、被告人にとって、起訴後速やかに公判期日が開かれ、執行猶予付き判決となるというメリットがあります。
そのため、争いがなく執行猶予が見込まれる事件では、身体拘束を早期に解くためにも、捜査段階で検察官に即決裁判手続の申立てをするよう働きかけることを検討することがあります。

即決裁判手続となるよう働きかけるべきか否かは、事案にもよりますので、薬物事件で逮捕・勾留されてお困りの方は、一度薬物事件に精通する弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が薬物事件で逮捕・勾留されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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