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淫行条例違反で逮捕
淫行条例違反で逮捕
会社員のAさんは、出会い系アプリで知り合った少女と会う約束をしました。
Aさんと少女は食事をした後、ホテルに行き同意のもと性行為をしました。
Aさんは、アプリでのやり取りで特に少女の年齢確認をしたわけではありませんが、見た目や会話の内容から「18歳未満かもしれない」とは思っていました。
後日、岐阜県揖斐警察署が早朝にAさんの自宅を訪れ、家宅捜索後にAさんを淫行条例違反の容疑で逮捕しました。
Aさんが関係を持った少女が別件で補導された際に、今回の事件のことが発覚したようです。
(フィクションです)
【淫行】
淫行とは一般的にみだらな行為を意味する言葉です。
最高裁判例によると、淫行とは「広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきではなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性行為類似をいうもの」と定義されています。
【淫行条例】
淫行に対する罰則は、各都道府県の青少年健全育成条例等に定められています。
岐阜県では、岐阜県青少年健全育成条例が定められており、この条例の中で淫行行為については以下のように規定されています。
岐阜県青少年健全育成条例
第23条
何人も、青少年に対して、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
第48条
2年以下の懲役又は100万円以下の罰金
「青少年」とは
岐阜県の場合、青少年とは「18歳未満の男女」を指します。
青少年の定義は様々ですが、ほとんどの都道府県では、岐阜県の淫行条例と同様に「18歳未満の男女」を青少年だと定義しています。
ちなみに岐阜県の淫行条例で「18歳未満の者(法律によって青年に達したものとみなされる者を除く。)」と定めているように、都道府県ごとに定義の仕方には差異があります。
「淫行」の成否とは
先述の最高裁判例でも示されているように、「淫行」とは広く青少年に対する性行為一般を指すものではありません。
そのため、相手が青少年であっても、結婚を前提にした真摯な交際を前提とする性交であれば淫行にはあたりません。
もっとも、単に口頭で真摯な交際関係があると主張しさえすれば、淫行にあたらないというわけではありません。
本人の年齢、交際や性交に至るまでの経緯・期間、交際の態様、性交の頻度、結婚の約束などの様々な事情を考慮して淫行にあたるかどうかが判断されます。
例えば、一応の交際関係はあっても、中学を卒業したばかりの女子といきなり車中で性交をし、その後も何度も性交を重ね、その際に結婚の話を一度もしたことがない等の事情があるときに女子を単なる自己の性欲の対象としてしか扱っていなかったと認定して淫行に該当するとしたケースもあります。
【事例について】
上記ケースでは、二人が知り合った経緯が出会い系アプリであり、初めて会った日に性行為を行うなど、Aさんの行為は「淫行」にあたると考えられます。
また、「相手の同意があったから、淫行には該当しない」と主張されることが多いのですが、相手の同意があったからといって、必ずしも「淫行」に該当しないわけではありません。
例え、形式上交際関係にあったとしても、両者の年齢差、性行為に至る過程、交際の態様などの要件が考慮された結果、淫行条例違反か否かが判断されます。
淫行条例違反事件で逮捕された場合、逮捕から48時間以内に、警察はあなたを釈放するか検察に送致するかを決めます。
警察が、あなたを検察に送致すると、検察官はあなたの身柄を受け取ってから24時間以内に、あなたを釈放するか裁判官に勾留請求するかを判断します。
検察官からの勾留請求を受けた裁判官は、あなたを勾留するか釈放するかを決定し、勾留決定を出した場合、検察官が勾留請求した日から10日間あなたの身柄は拘束されることになります。
勾留延長となれば、最大で20日間の身体拘束が続きます。
長期の身体拘束となれば、その間職場や学校に行くことはできませんので、解雇や退学となる可能性もあります。
そのような事態を回避するためにも、逮捕されたらすぐに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、これまで数多くの事件で身柄解放に成功した実績があります。
ご家族が逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。
麻薬特例法で初回接見
麻薬特例法で初回接見
【ケース】
若いころから覚せい剤の密売で生計を立てているAさんは、知人を通じて、外国から100キロ単位の覚せい剤の密輸を企てました。
外国の密売人が、重機の輸入品に覚せい剤を隠して日本に輸入しようとしたのですが、この取引を察知した、麻薬取締局と、岐阜県警察本部薬物対策課によって、重機に隠されて輸入された覚せい剤が、覚せい剤を模した結晶に入れ替えられたのです。
その事実を知らないAさんは、重機が搬入された倉庫に覚せい剤を取りに行き、そこで捜査当局によって逮捕されてしまいました。(フィクションです。)
【麻薬特例法】
「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」を省略して「麻薬特例法」といいます。
麻薬特例法は、平成4年に施行された法律で、薬物犯罪による薬物犯罪収益等のはく奪、規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図ることなどを目的にしています。
麻薬特例法で規制されている薬物は、麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚せい剤です。
麻薬特例法でいう「薬物犯罪」とは、覚せい剤に限った場合、覚せい剤の輸出入、製造の罪(営利目的を含む)、又はこれらの未遂罪、所持、譲渡し及び譲受けの罪(営利目的を含む)、又はこれらの未遂罪、譲渡しと譲受け(営利目的を含む)の周旋の罪です。
【薬物等の譲り受け等】
規制薬物としての薬物等の譲り受け等の罪に関しては麻薬特例法第8条第2項に規定があります。
ここでは、薬物犯罪(規制薬物の譲渡し、譲受け又は所持に係るものに限る)を犯す意思をもって、薬物その他の物品を規制薬物として譲り渡し、若しくは譲り受け、又は規制薬物として交付を受け、若しくは取得した薬物その他の物品を所持した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する旨が明記されています。
ここでの「薬物」とは、規制薬物でないことが明らかである薬物のほか、規制薬物であるか否かの証明が十分でない薬物を含みます。
つまり、譲り受けなどした物が覚せい剤などの現物(薬物)でなくても、本罪による逮捕、処罰が可能になるのです。
この規定は、覚せい剤等の規制薬物に係る不正行為を助長する行為を防止するために設けられています。
つまり、規制薬物として譲り受けする行為は、覚せい剤等の規制薬物に係る不正行為を助長し、社会に害悪を及ぼす行為と考えられているのです。
覚せい剤取締法の譲り受け事件は、覚せい剤そのものが存在しなければ立件することが困難ですが、麻薬特例法ではその必要はありません。
ただ、現物が覚せい剤等の薬物ではないことから、本罪の法定刑は覚せい剤取締法よりもかなり軽くなっています。
【初回接見の重要性】
麻薬に関する事件では、情報を掴んだ捜査機関が最初に捜索差押を行い、物的証拠たる麻薬が見つかった時点で逮捕されるというケースがよく見られます。
そのため、もし麻薬所持が捜査機関に発覚した場合、逮捕の可能性は決して低くないと考えて差し支えありません。
初回接見は、逮捕中の被疑者に対して捜査の流れや取調べ対応などを伝えられるとともに、事件の詳細を弁護士と被疑者の家族が知る貴重な機会です。
そのため、迅速な初回接見が重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、薬物事件の経験豊富な弁護士が、事件の円満な解決を目指して力の限りを尽くします。
ご家族が麻薬所持の疑いで逮捕されたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にお電話ください。
刑事事件・少年事件専門の法律事務所として、その後の活動を見据えて可能な限り早く初回接見を行います。
事務所での法律相談料は初回無料です。
脅迫罪で釈放
脅迫罪で釈放
岐阜県恵那市に住むAさんは、境界線を巡って、3年前から隣人とトラブルになっています。
このトラブルは、お互いが弁護士を代理人に入れて民事訴訟で争っていましたが、結局、Aさんの主張は認められませんでした。
そのことが納得できず、腹を立てたAさんは、先日、自宅前に偶然会った隣人に対して「このままで終わると思うなよ。子供の送り迎えに気を付けろよ。」と言いました。
するとこの事を隣人が、岐阜県恵那警察署に届け出たのでたことから、Aさんは脅迫罪で逮捕されてしまったのです。
Aさんの妻は、すぐに刑事事件に強い弁護士を選任したことから、Aさんは逮捕の二日後に釈放されました。
(フィクションです。)
【脅迫罪~刑法第222条~】
人の生命、身体、自由、名誉又は財産に危害を加える旨を告知すれば脅迫罪となります。
脅迫罪は、結果の発生を必要としない危険犯です。
脅迫罪は、相手方だけでなく、相手方の親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に危害を加える旨を告知した場合にも成立します。
~害悪の告知~
法律的に、脅迫のことを「害悪の告知」と表現しますが、どの程度の内容が害悪の告知に当たるのでしょうか。
それは、人を畏怖させるに足りるものであれば、その内容や、告知方法に制限はないとされています。
そして人を畏怖させるものかどうかについては、相手方の境遇や年齢、その他の事情を考慮されます。
また人が畏怖したかどうかは、告知した内容だけでなく、告知者の態度や、人柄、その他の状況を総合的に考慮して判断されます。
ちなみに害悪の内容が、犯罪となったり、違法である必要はなく、害悪が一定の条件によって実現する旨を告知した場合や、単に害悪が及ぶ可能性をほのめかしても脅迫に当たります。
~脅迫罪の量刑~
脅迫罪の法定刑は「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」です。
初犯であれば、示談がなくても不起訴や略式罰金といった刑事罰となる可能性が非常に高いですが、再犯の場合や、犯情が悪質な場合は実刑となる可能性があるので注意しなければなりません。
【釈放の可能性】
脅迫罪の疑いで逮捕されると、その後勾留されることで最長23日間も身柄を拘束される可能性が出てきます。
こうした長期の身柄拘束が行われると、当然ながらその間会社や学校などに行くことはできなくなり、著しい不利益を被ることになりかねません。
刑事事件において、釈放を狙えるタイミングというのは何度かあります。
大きく分けると、①逮捕から勾留決定まで、②勾留決定から起訴まで、③起訴後の3つになります。
脅迫罪は比較的軽い罪なので、釈放を実現できる理想のタイミングは①になります。
ただ、今の日本では勾留される確率が比較的高くなっており、身体拘束をできるだけ短期間にするという捜査機関の意識は弱いと言えます。
そのため、もし①の段階での釈放を目指すのであれば、弁護士に事件を依頼するのが安心です。
事件の依頼を受けた弁護士は、逮捕中の被疑者を釈放すべく、法的な視点からの考察と釈放に向けた環境整備を同時並行で進めます。
これにより、弁護士であれば早期に釈放を実現できる可能性が高まるのです。
逮捕中の被疑者にとって、逮捕と勾留による身体拘束は相当の肉体的・精神的負担を伴うものです。
そうした厳しい状況からいち早く救うために、積極的に弁護士の力を借りてみてください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に精通した弁護士が、逮捕されている方の釈放に向けて充実した弁護活動を行います。
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窃盗(万引き)罪と執行猶予
窃盗(万引き)罪と執行猶予
会社事務員のA子さんは、休みの日に岐阜県大垣市のデパートに買い物に行きました。
そして婦人服売り場で、ずっと前から欲しかったハンドバックをたまたま見つけたのですが、給料日前で現金を持ち合わせていなかったAさんは、万引きすることを思いつき、店の中に入りました。
Aさんは店員の様子をうかがいながら店内をうろつき、店員が他の客の対応をしている隙に、陳列棚の上に展示してあったハンドバックを手に持ち、品定めをするふりをしながら値札をひきちぎり、窃取しました。
Aさんは、窃盗の前科前歴があり、今回は執行猶予期間中の犯行ということで、AさんもAさんの家族も今度こそ実刑になるのではないかと不安でたまりません。
(フィクションです。)
窃盗症とは
常習窃盗を大きく分類すると以下の3つに分けられます。
①経済的利益のために金目の物品や金銭を盗む職業的犯罪者
②飢えて食べ物や生活必需品を盗む貧困者
③金があるのに些細なものを盗む病的窃盗者
③のように、十分な資産を有しているにもかかわらず、繰り返し数百円の物を盗む者は、窃盗症(クレプトマニア)と呼ばれる精神障害を患っている可能性があります。
クレプトマニアの人は、物を盗む時のスリルや、成功した時の達成感、開放感を得る為に窃盗を繰り返します。
窃盗が犯罪であるという事を頭で理解しているのですが、物を盗もうとする衝動に抵抗する事ができず犯行を繰り返してしまいます。
窃盗症(クレプトマニア)の方の再犯を防止するには、刑務所に服役させる等の刑罰を科すよりも、専門家のカウンセリングを受けたり、専門医の治療を受ける方が有効的だという専門家の意見があります。
過去10年以内に窃盗罪などで懲役6月以上を3回以上言い渡された人が新たに窃盗罪に問われた場合、常習累犯窃盗罪が適用される可能性があります。
常習累犯窃盗罪とは「盗犯等の防止及び処分に関する法律」に定められた法律で、起訴されて有罪が確定すれば「3年以上の懲役」と非常に厳しい法定刑が定められています。
刑法の規定では、執行猶予を付けられるのは懲役3年以下などに限定されているため、常習累犯窃盗罪で起訴された場合、実刑を免れることは非常に難しく、長期服役の可能性もあります。
実際に、1回の犯行で被害額が数百円程度の万引き事件を繰り返した男性に、常習累犯窃盗罪が適用されて「懲役5年」の判決が言い渡された裁判例もあるほどです。
執行猶予について
窃盗罪の罰則規定は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
万引きのような被害額が少ない窃盗事件の場合は、初犯で微罪処分、2回目で起訴猶予、3回目で略式罰金若しくは執行猶予付判決、4回目で懲役刑となるケースがほとんどです。
刑事事件に強い弁護士を選任して、被害弁済したり、示談する事で、処分が軽くなる事は十分に考えられますが、通常は、回数を重ねるごとに厳しい処分となります。
ただし、過去には、保護観察付きの執行猶予期間中に再犯に及んだ窃盗事件で、裁判所が罰金刑を言い渡した裁判がありました。
この裁判の被告人は、窃盗症(クレプトマニア)の治療中に事件を起こしており、簡易裁判所は「保護観察を継続して更生に努めさせるのが相当」として罰金刑を言い渡したのです。
自分ではやめたいと思っているのに、万引きを繰り返してしまう、そのような場合には、窃盗症が疑われるかもしれません。
窃盗症は一種の精神疾患ですので、刑罰を科すことでは再発防止は望めないでしょう。
何よりも専門の治療を受ける必要があります。
ですので、窃盗症と診断される場合には、治療に専念するため社会内処遇が適していることを説得的に主張することが重要です。
上記ケースにように、窃盗症を患う方が執行猶予期間中に再度犯行に及んでしまうケースは少なくありません。
窃盗症であると診断された場合には、医師による専門的治療を受けたり、支援組織による講義に参加したりと、窃盗症を克服できる環境づくりが必要です。
その上で、弁護士は、裁判において、常習窃盗の原因が窃盗症であること、専門的治療を受ける環境がととのっていること、本人も治療に専念し再発防止に意欲的であることや、家族からの支援が期待できることなど、もう一度社会内で更生する機会を与えてもらうよう、弁護活動に取り組みます。
岐阜県の窃盗事件で、窃盗症が疑われる方、執行猶予となり社会内での更生をご希望の方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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暴行罪で微罪処分
暴行罪で微罪処分
Aさんは、会社の飲み会帰りにタクシーで岐阜県中津川市内の自宅に帰っていたところ、酔った勢いで運転手Vに絡み、運転席を後ろから蹴る等軽い暴行を加えました。
その後Vさんが110番通報したため、Aさんは中津川警察署に暴行罪の容疑で任意同行されました。
取り調べ後、刑事事件を早く終わらせたいAさんは、刑事事件に強い弁護士に相談しました。
(フィクションです)
【微罪処分とは】
暴行罪における暴行とは、人の身体に対する有形力の行使のことをいいます。
他人を殴る蹴る行為はもちろん、手で他人の肩を押す行為や頭髪を切断する行為も暴行に当たりますし、刀を振り回す、石を投げる等相手に接触しなくても、有形力の行使とみなされ、暴行罪に問われることがあります。
今回のケースにおいても、Aさんの運転席を蹴るという行為は、Vさんに対する有形力の行使に当たるため、暴行罪に問われる可能性があります。
通常、暴行罪等の容疑で警察が犯罪の捜査をした場合、その書類や証拠物とともにその事件を検察官に送致しなければならないとされています。(刑事訴訟法246条)
しかしながら、軽微な犯罪かどうかや前科の有無を考慮し、警察が犯罪を犯した成人の事件を検察に送致することなく、刑事手続を警察段階で終了させることができます。(微罪処分)
微罪処分となることが決まれば、逮捕されることなくその日に警察署から出ることが可能ですし、当然起訴され前科がつくこともありません。
微罪処分にするかは、対象事件が決まっており、各地方検察庁検事正が刑事訴訟法第193条第1項の一般的指示事項に基づき限定されています。
各地方によって若干の差異はありますが、おおむね次のように定められています。
〇微罪処分できる事件
「犯罪事実が軽微で、刑罰を必要としないと明らかに認められるもので、次に該当するもの。」
〇窃盗、詐欺、横領又は盗品譲受け等に関する事件のうち、次の事項をすべて充足するもの
1 被害額がおおむね20,000円以下のもの
2 犯情軽微なもの
3 盗品等の返還その他被害が回復されたもの
4 被害者が処罰を希望しないもの
5 素行不良者でない者の偶発的犯行で、再犯のおそれのないもの
賭博事件のうち、次の事項をすべて充足するもの
1 得喪の目的である財物が極めて僅少なもの(と銭の額がおおむね20,000円以下)
2 犯情軽微なもの
3 共犯者全員が再犯のおそれのない初犯者の場合
〇暴行事件のうち、次の事項をすべて充足するもの
1 犯情軽微なもの
2 共犯事件でないもの
3 被害者が処罰を希望しないもの
4 素行不良者でない者の偶発的犯行であって再犯のおそれのないもの
〇微罪処分できない事件
前記該当事件であっても、次に該当する事件は微罪処分できない。
1 被害者を通常逮捕又は緊急逮捕した事件
2 告訴、告発又は自首事件
3 法令により公訴を義務付けられている事件
4 検事正が特に送致を指示した事件
5 少年事件
微罪処分のメリット
最初に事件を取り扱った警察官が微罪処分で処理できると判断すれば微罪処分の手続きが進みます。
通常の刑事手続きと異なり、微罪処分専用の書類が作成されるのですが、その内容は非常に簡易です。
そのため、後日、取調べ等で警察署に呼び出されることは稀で、当日のうちに手続きが完了します。
また、警察署での手続きを終えた後に、事件が検察庁に送致されることはありません。
そのため、検察庁から呼び出されることはなく、前科にもなりません。
微罪処分のデメリット
上記のように、非常に簡易な手続きであるため、警察の捜査や、事実認定が適当になりがちです。
微罪処分は前科にはなりませんが、前歴として警察のデータベースに指紋や、写真が残ってしまいます。
今後、警察に指紋、写真を保管されている中での日常生活にストレスを感じる方も少なくありません。
ご家族が暴行罪で警察からの捜査を受けてお困りの方、微罪処分といった刑事事件の早期解決をお望みの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
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死体遺棄罪の捜査の流れ
死体遺棄罪の捜査の流れ
岐阜県養老町に住むAさんは、妻のVさんが持病の悪化により死亡したにもかかわらず、手続を煩わしく思って遺体を放置していました。
周辺住民から「異臭がする」との通報を受けた養老警察署は、Aさんのもとを訪ねて通報があった旨説明しました。
Aさんは正直に警察官に事情を話し、死体遺棄罪の疑いで警察署にて取調べを受けました。
取調べ後にAさんは逮捕されたことから、接見に来た弁護士が捜査の流れを説明しました。
(フィクションです)
【死体遺棄罪について】
刑法第百九十条
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。
死体遺棄罪は、刑法190条が規定している「死体損壊等罪」の一種です。
死体遺棄罪における「遺棄」とは、社会通念上是認されない態様で放棄することと説明されることがあります。
日本では埋葬法などにより人の死亡後の手続が定められており、人の死亡を確認した場合は各種届出と葬儀を行う必要があります。
死者の家族がこうした手続に則らずに遺体を放置することは、社会通念上是認されないものとして「遺棄」に当たると考えられます。
そのため、上記事例のAさんには死体遺棄罪が成立し、3年以下の懲役が科されるおそれがあります。
犯罪と聞くと特定の行為を行う場面を想定しがちですが、行うべきことを行わなかった場合にも犯罪となる余地がある点には注意が必要です。
ちなみに、死体の放置については軽犯罪法にも定めがあります。
こちらは、自己の支配下に死体があることを知りながら、それを公務員(警察など)に申し出なかった場合に、拘留または科料という軽い刑を科すものです。
【刑事処分】
刑事事件で被疑者(犯人)として警察で取調べを受けると、事件は検察庁に送致されます。そこで検察官が、被疑者(犯人)を起訴するか否かを決定するのですが、もし起訴されなかった場合は不起訴といい、刑事裁判は開かれません。
起訴された場合は、刑事裁判によって処分が決定しますが、罰金刑の場合は裁判が開かれない事もあります。(略式起訴)
日本の刑事裁判の有罪率は99パーセント以上と非常に高くなっていますが、これは「疑わしきは罰せず。」という刑事裁判における原則が、すでに裁判を提起(起訴)するか否かの時点で採用されている事が分かります。
つまり、裁判を提起(起訴)する検察官は、100パーセント有罪である、つまり被告人が絶対に犯人であるという確証がなければ、なかなか起訴しないという事です。
こうして起訴された場合に開かれる刑事裁判は、主に量刑が争点となる裁判がほとんどで、有罪か無罪かを争う裁判は、刑事裁判全体の1割にも満たないと言われています。
量刑とは被告人に課せられる罰則の事で、その範囲は、法定刑で定められた範囲内で決定します。
逮捕から起訴までの期間は長くとも23日間であり、起訴されて裁判を行うことが確定するまでそう余裕があるわけではありません。
この期間中、弁護士は被疑者の釈放を目指したり、処分に向けて証拠を収集したりすることになります。
また、死体遺棄事件においては、殺人罪を疑われるケースが多く見られます。
殺人罪を疑われるとなると事件の重大性は極めて高くなるので、弁護士にとってはそちらの疑いの払拭が喫緊の課題となることもありえるでしょう。
逮捕を伴う刑事事件では、いかなる弁護活動を行うにせよスピードが大切になります。
もし対応が遅れると、本来行うべきだった弁護活動が行えなくなり、事件の終結が遠のくという事態に陥りかねません。
もし逮捕の知らせを受けたら、できるだけ冷静になってひとまず弁護士に相談してみることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、捜査の流れを熟知した弁護士が、状況を即座に把握して的確な弁護活動を行います。
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重過失傷害罪で逮捕
重過失傷害罪で逮捕
岐阜県高山市に住むAさん(主婦)は自転車で買い物に行きましたが、道に迷ってしまったことから、スマートフォンの地図画面を見ながら運転していました。するとバランスを崩し、手前の歩道脇を歩いていた小学生Vに衝突、重傷を負わせてしまいました。
Aさんは、帰宅後、仕事から帰ってきた夫に事情を話し、弁護士の意見を求めて、岐阜県高山警察署へ自首した方がいいのかどうかも含めて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に無料相談に来られました。
(フィクションです。)
自転車事故で刑事事件の責任は?
近年、自転車事故の件数や、自転車事故の中でも重大な結果が生じるような事故の件数が増加してきていることから、自動車だけではなく自転車による交通事故が社会的な関心を集めています。
自転車の運転中に事故を起こしてしまい他人を死傷させると、過失致死傷罪(刑法209条、210条)、重過失致死傷罪(刑法211条)、業務上過失致死傷罪(刑法211条)などに該当し得るものとなります。
ただし、これまでの自転車事故については業務上過失致死傷罪(5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金)が適用されるということはなく、重過失致死傷罪の罪責が問われることもあまりなく、実際には過失致死傷罪の罪責(30万円以下の罰金又は科料)が問われるにとどまることが多かったようです。
というのは、業務上過失致死傷罪における「業務上」とは、「他人の生命身体に対する危険を有するもの」という実務上の解釈があり、自転車の運転は速度や重量等からしてこの要件には当てはまらないと考えられているようです。
結果として、これと同様の罪責を問うことになる重過失致死傷罪の適用についても謙抑的な運用がなされており、よほどの過失でない限りは過失致死傷罪で処罰してきたという経緯があります。
重過失傷害罪について
刑法は、故意に他人に傷害を負わせる傷害罪とは別に、不注意で他人に傷害を負わせる過失致傷罪を規定しています。
この過失傷害罪には、不注意の程度が特に著しい場合に成立する、重過失致傷罪というものがあります。
まず、過失傷害罪における「過失」とは、事故を予測してそれを回避する行動ができたにもかかわらず、その行動を怠ったことを指します。
上記事例では、Aさんが自転車の運転中にスマートフォンの画面を見ており、前方の確認を怠ったことが原因で事故が起こっています。
そうすると、Aさんには「過失」があったと言え、少なくとも過失致傷罪は成立すると考えられます。
更に、Aさんとしては、事故を回避するために一度走行を中断して地図を確認すべきだったと言えます。
そうすると、事故の回避はAさんにとって容易だったはずであることから、Aさんの過失は著しい不注意だと評価できます。
これにより、Aさんには重過失致傷罪が成立する可能性があることになります。
重過失致傷罪の法定刑は、重過失致死罪と同様、5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金となっています。
結果が傷害にとどまれば上限に近い重さとなることは稀かと思いますが、それでも通常の過失致傷罪と比べれば重い刑が見込まれるでしょう。
逮捕の可能性
過失致傷罪自体は、事故というかたちで日常生活において少なからず見られるものです。
ですが、いくら過失とはいえ、犯罪として刑事事件になる場合があるのは否定しがたいところです。
そのため、事故を起こしたことで逮捕が不安になる方はいらっしゃるのではないかと思います。
逮捕には、被疑者の身柄を確保しておくことで、被疑者の逃亡や証拠隠滅を防止する役割があります。
これは捜査を円滑に行うためなので、逮捕を行う必要があるかどうかは、基本的には警察などの捜査機関が判断する事柄です。
ですので、捜査機関以外の者が「絶対逮捕されない(される)」などと言うことは通常できません。
ただ、様々な事情を考慮し、逮捕の可能性をある程度予測することはできます。
逮捕の可能性を予測するうえで重要なのは、犯した罪の重さ、事件の複雑さ、被疑者の態度、などが考えられます。
典型的な自転車の事故であれば、一般的に逮捕の可能性は低いと言えるでしょう。
ただ、逃亡や証拠隠滅を懸念させる事情(たとえばひき逃げをした、定まった住居がない)があれば、一概に逮捕の可能性が低いとは言えなくなってきます。
心配であれば、弁護士から話を聞いたうえで事件を依頼し、逮捕が行われた場合の対応について事前に打ち合わせておくとよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に特化した弁護士が、多くの知識と経験を武器に最善の弁護活動を目指します。
重過失致傷罪を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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贈収賄事件で逮捕
岐阜県庁の土木課に勤務する公務員Aさんは、3年前から、岐阜県内で下水道工事を請け負う会社の社長に、岐阜県内で行われる公共工事の最低入札価格を教える見返りに、社長から商品券等の金品を受け取っていました。
社長が岐阜県警察本部に呼び出されて、贈賄罪で取調べを受けていることを知ったAさんは、贈収賄事件に関する罪に強い弁護士に相談しました。
(フィクションです。)
◇贈収賄事件について◇
贈収賄事件は、汚職事件と呼ばれ、公務員の職務執行の公正を保持し、職務の公正に対する社会の信頼を確保することを本質とする罪です。
贈収賄事件は金品の授受や当事者の供述が立証のポイントとなりますが、犯行は当事者どうしの密室で行われることも多く、また、領収書等の証拠を残さないようにすることが通常であることから、当事者の供述が問題となり、その信用性の評価が争われることとなります。また、仮に金品を授受したとしても、職務と関連性のある行為に関して授受したものでなければ罪に問われません。
収賄罪は以下のとおり、その行為の態様によってそれぞれ規定が設けられています。
◇単純収賄罪◇
単純収賄罪は、公務員が、職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときに成立します。単純収賄罪の場合、法定刑は5年以下の懲役となります。
不正行為を行わなくても、賄賂を収受、または要求、約束することで成立します。
不正行為を行った場合は、加重収賄罪として刑が加重されます。
公務員の「職務」とは、一般的職務権限に属するものであれば足り、現に具体的に担当している事務であることを要しません。
一般的職務権限とは、各市町村などで制定されている事務分掌規程などに明記されているもので、各部署によって一般的職務権限が異なります。
「賄賂」は、金銭的価値のあるものに限られず、人の欲望を充足させるのに足りる一切のものをいい、例えば、異性間の情交や就職のあっせん、債務の弁済なども賄賂と認定されます。
◇受託収賄罪◇
受託収賄罪は、単純収賄罪に該当する公務員が、請託を受けたときに成立します。法定刑は7年以下の懲役となります。
請託とは、公務員に対して一定の職務行為を行うことを依頼することをいいます。本罪は、請託がなされた場合に単純収賄罪より加重して処罰するものです。
◇事前収賄罪◇
事前収賄罪は、公務員となろうとする者が、その担当すべき職務に関し、請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときに成立し、公務員となった場合に、5年以下の懲役となります。
◇第三者供賄罪◇
第三者供賄罪は、公務員が、その職務に関し、請託を受けて、第三者に賄賂を供与させ、又はその供与若しくは約束をしたときに成立し、5年以下の懲役となります。
本罪は、賄賂を自己以外の第三者に供与させ脱法行為を行うことを補うものです。
◇加重収賄罪◇
加重収賄罪は、受託収賄、事前収賄若しくは第三者供賄の罪を犯し、よって不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったときに成立し、1年以上の有期懲役となります。
さらに、不正行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受等し、又は第三者にこれを供与させる等したときも同様に1年以上の有期懲役となります。
本罪は、賄賂の対価として不正な職務行為が行われた場合に加重して処罰するものです。
◇事後収賄罪◇
事後収賄罪は、公務員であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときに成立し、5年以下の懲役となります。
本罪は、公務員を退職した後に賄賂を収受するなどした行為を処罰するものです。
◇あっせん収賄罪◇
あっせん収賄罪は、公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は、相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときに成立し、5年以下の懲役となります。
本罪は、公務員による他の公務員の職務行為へのあっせん行為を処罰するものです。
◇贈賄罪◇
贈賄罪は、賄賂を供与、又はその申込み若しくは約束をした場合に成立し、3年以下の懲役又は250万円以下の罰金となります。
◇贈収賄事件の対策◇
贈収賄事件は、主に当事者同士で秘密裏に行われる犯罪で、証拠がなかなかそろわないのが特徴といえます。
不起訴処分も一定程度ありますし、まずは、「嫌疑不十分」による不起訴処分を目指して弁護活動をすることとなります。
弁護士は、事実関係をよく聞き、それを裏付ける証拠を集めたり、検察官に意見書を提出したりする活動も行います。
岐阜県内で贈収賄事件に関する相談を含め刑事事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。
強制性交等罪で自首
強制性交等罪で自首
岐阜県下呂市に住むAさんは、近所の公園のブランコに乗って一人で遊んでいたV女(当時10歳)の姿を見て、V女が13歳未満であることを知りながら、性交しようと決意して、V女に対して、「テレビタレントになれるかどうかテストしてあげるから、目をつぶって、おじさんのいう通りにしなさい。」などと言って、V女を付近の草むらに仰向けに寝かせ、パンティを脱がせたうえ自身の陰茎を口に含ませ、射精しました。
時間が経つにつれて警察に逮捕されることが怖くなって、自首を考え始めました。
(フィクションです。)
【強制性交等罪のポイント】
刑法
(強制性交等)
第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
① 平成30年の法改正で、改正前は、「強姦罪」の成立は性器の挿入の有無で判断されましたが、「強制性交等」が成立する行為はより幅広くなり、性交等の定義については、いわゆる膣性交だけではなく、肛門性交と口腔性交も含まれることになりました。
② 平成30年の法改正で、非親告罪となりました。
※ 親告罪~被害者の告訴(犯人の処罰を求める意思表示)がなければ、裁判にかけることができない罪
③ 13歳未満の児童の場合、合意があっても罪が成立します。
つまり、事例のケースのように口腔性交でも強制性交等罪が成立することになり、V女がそれに同意していたとしても成立することになります。
【強制性交等罪の弁護活動】
法改正前の「強姦罪」の場合は、性器が挿入されなければ、性器を挿入しようとしたが入らず、性器同士が接触した事実があっても、それは「強姦未遂」とされることがありました。
法改正により行為の幅が広がったため、性行為等を行う意思が明確にあり、暴行や脅迫を加え相手の腕をつかんだ程度の行為でも、強制性交等罪の未遂罪に問われる可能性が増えました。
「強姦罪」の時代には未遂であれば執行猶予がつくことも珍しくはありませんでしたが、性犯罪の厳罰化が進んでいるため、弁護士に依頼し、被害者に対する被害弁償や示談、裁判官に対して十分に反省していることを伝える上申書を提出するなど、弁護活動をしてもらうメリットは十分にありますし、示談を成立させ、被害者からの許しを得ることは、刑事事件の処分を決める上でもとても重要な事情になります。
【処分・処罰の見込みについて】
強制性交等罪については、逮捕され、さらに最大20日間、警察署の留置場に勾留されて取調べなどの捜査を受けることになるでしょう。
起訴されて裁判を受ける場合、有罪となれば前科がなくても実刑判決が言い渡される可能性が高いです。
悪質性が高い場合や被害者の年齢が低いなどの被害が大きい場合、また余罪が多数あるなどの場合は、より重い刑が言い渡されることになります。
【自首】
自首とは、捜査機関に犯罪事実又は犯人が発覚する前に、犯人が自ら進んで自己の犯罪事実を捜査機関に申告してその処分に委ねることをいいます。
自首をすれば、法律上刑を減軽されることがあります(刑法42条)。
ただし、捜査機関に事実を申告したからといって、必ず自首となるかといえばそうではありません。
申告した時点ですでに、捜査機関にあなたが犯人であることが発覚している可能性もあるからです。
その場合は、一般的に出頭といわれ、自首のような恩恵、つまり法律上の減軽措置を受けることができません。
しかし、自首はもちろんのこと、出頭したことによって逮捕のリスクを軽減させることはできます。
逮捕は、罪証隠滅、逃亡のおそれが要件となるところ、自首・出頭によってこれらのおそれを軽減させることができるからです。
ただ、事案によっては、出頭したことにより逮捕される、という可能性も否定できません。
また、ご相談の中には、自首・出頭で刑事処分、刑事処罰を免れたいと言われる方もいますが、上記のように、自首とは捜査機関に刑事処分を委ねることをいいますから、刑事処分を免れることはできません。
しかし、刑事処分には不起訴処分も含まれますから、自首・出頭後に被害者側と示談交渉を行い、示談を成立させることなどできれば不起訴処分を獲得でき、懲役刑や罰金刑の刑事処罰を免れることができるかもしれません。
岐阜県下呂市で強制性交等罪に関する相談を含め刑事事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。
痴漢事件で示談
痴漢事件で示談
Aさんは、岐阜県多治見市にある会社に勤務しています。
昨夜、仕事が終わって職場の仲間と一緒に、会社の近所にある居酒屋でお酒を飲みました。
その後、いつものように徒歩で帰宅していたのですが、その道中で、若い女性が一人で歩いているのを見つけたAさんは、ムラムラして、後ろからこの女性のお尻を触ってしまいました。
すぐにAさんは走って逃げましたが、被害を受けた女性が大声で叫んだことから、近くにいた通行人に捕まってしまってしまいました。
その後Aさんは、通報で駆け付けた岐阜県多治見警察署の警察官に痴漢の容疑で警察に逮捕されました。
依頼を受けた弁護士は被害者との示談交渉を勧めました。
【示談とは】
示談とは、被害弁償に加え、告訴や被害届を取り下げてもらうこと、被害者から処罰を望まないというお言葉をいただく(宥恕条項)こと等、被害感情の慰謝を目的とする側面があります。
単に被害を弁償するだけにとどまらないことで、処分結果に与える影響も、被害弁償するにとどまる場合に比較して、お許しをいただく分、示談の方が高いと一般的に考えられています。
また示談は相手方との契約になるので、通常示談書という書面を作成します。
~示談のメリット~
示談のメリットは、刑事処分に対する被害者の意見をもらえる点にあります。
刑事事件の最終的な処分は、被害者の処罰感情の程度も参考にして決定されます。
痴漢など比較的軽微な犯罪の場合には、被害者が罪に問わないという意思を示せば、実際には罪に問われないケース(不起訴)も多くあります。
また器物損壊罪など被害者の告訴が必要となる犯罪(親告罪)については、示談によって告訴が取り下げられることで不起訴にすることができます。
加えて示談をする際に、今後紛争としないことを約束する条項を加えることで、今後損害賠償請求を受けるなどの紛争を防止できることも示談のメリットです。
~被害弁償だけでは?~
被害弁償とは、単に被害者の方が被った被害や損害を埋めることを指します。
窃盗罪で被害金額に相当する金額をお支払いした場合や、殺人罪などで慰謝料相当額をお支払いした場合を指します。
つまり、仮に民事訴訟を起こしたとすれば得られる金額の支払をした場合を被害弁償となるので、刑事手続き上の処分結果にもたらす効果は、示談ほど大きなものではなく、被害弁償をしたからといって必ず処分が軽減されるとは限りません。
~示談金の相場~
示談金の相場は、罪名や、犯行態様、被害者の方の被害感情によって変動します。
例えば、痴漢事件の場合には、一般的には30万円から50万円と言われていますが、触り方によってはもっと少ない金額の場合も考えられます。また、被害者の方がいくらの示談金を望まれるかによっても異なります。
【示談を弁護士に依頼】
示談は契約であるので、最終的には当事者同士の合意によって成立します。
しかし、犯罪が発生した直後は、被害者の方は加害者に対して被害感情等よくない感情を抱いていることが通常です。
そのため、直接被害者の方に連絡を取ろうとしても、そもそも警察から被害者の連絡先が開示されない場合が多く、例え教えてもらえたとしても、交渉が難航する可能性もあります。
しかし弁護士が間に入ることで、法律の専門家の立場から交渉を進めることができるので、交渉がスムーズに進むだけでなく、当事者の方の負担も大きく軽減することができます。
また、法的な交渉に慣れていない当事者同士で交渉すると、場合によっては被害者の方から過大な請求がなされることもあります。弁護士であれば、過去の事例における相場や、示談のメリットデメリットを説明しながら、過大な請求にも対応していきます。
【痴漢事件を示談で解決】
痴漢行為は、岐阜県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反となり、その法定刑は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
初犯であれば略式罰金になる可能性が高いですが、被害者と示談し、その内容に宥恕の条項が含まれていれば、よほどの理由がない限りは不起訴となるでしょう。
ただし再犯の場合は、示談することができても、必ずしも不起訴となるとは限らないので注意してください。
岐阜県多治見市で痴漢事件を起こしてしまった方で、被害者との示談によって事件を解決したいと考えておられる方は、岐阜県の刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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