Archive for the ‘未分類’ Category
職務質問から刑事事件に発展①
職務質問から刑事事件に発展①
職務質問から刑事事件に発展したケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
岐阜県多治見市に住むAさんは、岐阜県多治見市内の歩道において、Vさんが所有していたバッグが忘れられているのを見つけ、バッグを無断で持ち去りました。
後日、Aさんが深夜、Vさんのバッグを持ち去ったのと同じ歩道付近を歩いていると、周辺をパトロールしていた岐阜県多治見警察署の警察官に声を掛けられました。
Aさんは、警察官から「この付近で発生した遺失物横領事件の犯人に似ている」と言われました。
Aさんは「職務質問は任意でしょう、任意なら応じません」と言いましたが、警察官も食い下がり、2時間にわたり職務質問を受けました。
その結果、Aさんは歩道に置いてあったバッグを持ち去った遺失物横領事件の犯人であることを認めました。
Aさんは、遺失物横領罪の容疑者として話を聞かれることとなったのですが、自分の受けた職務質問が違法なものなのではないかと疑問に感じ、弁護士に相談しようと考えています。
(2020年12月3日に岐阜新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【警察官職務執行法と職務質問】
この記事を読んでいる方の中にも、警察官から職務質問を受けたことがあるという方がいらっしゃるかもしれません。
今回の事例のAさんは、職務質問をきっかけに刑事事件の容疑者として捜査されるに至っています。
このいわゆる職務質問については、警察官職務執行法という法律に定められています。
警察官職務執行法2条は、職務質問について規定していますが、詳しく確認してみましょう。
警察官職務執行法2条1項
警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を停止させて質問することができる。
警察官職務執行法2条1項は、警察官が一定の場合に職務質問ができることを規定しています。
警察官職務執行法2条2項
その場で前項の質問をすることが本人の対して不利であり、又は交通の妨害になると認められる場合においては、質問するため、その者に附近の警察署、派出所又は駐在所に同行することを求めることができる。
そして、続く警察官職務執行法2条2項は、職務質問の際、警察官が一定の場合に任意同行を求めることができることを規定しています。
警察官職務執行法2条3項
前2条に規定する者は、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身体を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。
さらに、警察官職務執行法2条3項では、職務質問が任意に行われることを規定しています。
【職務質問の「停止」とは】
警察の活動は大きく分けて行政警察活動、司法警察活動の2つに分類されます。
行政警察活動とは、犯罪の予防・鎮圧を目的とする活動をいいます。
司法警察活動とは、特定の犯罪の発生を前提とする活動をいいます。
今回問題となっている職務質問は、犯罪の予防・鎮圧を目的として開始され、その後特定の犯罪の嫌疑が生じた後もその嫌疑について続けられることがあります。
この場合、当初の職務質問は行政警察活動、嫌疑が生じた後の職務質問は司法警察活動に分類されます。
ここで、刑事訴訟法197条は、「捜査については、その目的を達するために必要な取調べをすることができる。但し、強制の処分は、この法律に特別の定のある場合でなければ、これをすることができない。」(任意捜査の原則、捜査比例の原則)と規定しています。
この「捜査」(刑事訴訟法197条)は、「犯罪があると思料するとき」になされます(刑事訴訟法189条2項参照)。
すなわち、「捜査」(刑事訴訟法197条)は、特定の犯罪の発生を前提としてなされる司法警察活動であるといえます。
このとき、司法警察活動としての職務質問は、「捜査」(刑事訴訟法197条)には該当し、刑事訴訟法197条の規制を受けます。
以上を前提に警察官職務執行法2条に定められている職務質問を見てみると、職務質問では一定の者を「停止させて質問することができる」とされてますが、司法警察活動としての職務質問の「停止」とは、任意の停止を意味すると考えられます(刑事訴訟法197条の任意捜査の原則より)。
また、司法警察活動としての職務質問の「停止」は、その必要があるときに、相当と認められる限度でなされなければならないと考えられます(刑事訴訟法197条の捜査比例の原則より)。
ただし、任意といっても、犯罪の予防・鎮圧という目的を達成するため、純粋に任意という意味ではなく、ある程度の有形力の行使や説得行為も許されると考えられます。
職務質問に際に警察官により暴力を振るわれるなど、職務質問の任意性が疑われるときには、刑事事件に強い弁護士に相談し、警察官の職務質問の違法性を争うこともできると考えられます。
まずは具体的な状況と照らし合わせて検討することが必要ですから、職務質問について疑問がある場合には、早めに弁護士に相談することがおすすめです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を中心に取り扱う法律事務所です。
職務質問をきっかけに刑事事件の容疑者となってしまった、刑事事件の手続や見通しが不安だという方は、お気軽にご相談ください。
「逆送」と改正少年法の「特定少年」
「逆送」と改正少年法の「特定少年」
「逆送」と改正少年法の「特定少年」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
岐阜県岐阜市に住んでいる18歳のAさんは、友人らと一緒に近所のコンビニに押し入り、店員に包丁を突き付けてレジに入っている売上金を渡すように迫りました。
Aさんらは売上金を奪うと逃走しましたが、店員が岐阜県岐阜羽島警察署に通報したことで警察官が駆け付け、Aさんらは強盗罪の容疑で逮捕されました。
Aさんの両親は、Aさんが逮捕されたことを知り、どうにかAさんの力になれないかと少年事件について調べてみました。
ネットで「18歳で少年事件を起こすと逆送される」といった情報を見かけたAさんの両親は、「逆送とは何なのか」「18歳のAさんの受ける手続きはどういったものなのか」と不安になり、少年事件を取り扱う弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・「逆送」とは何か?
少年事件の手続の中で、「逆送」という言葉が登場することがあります。
今回のAさんの両親も、少年事件について調べる中で「逆送」という言葉を見つけています。
では、この「逆送」とはどういった手続を指すのでしょうか。
「逆送」とは、少年事件を家庭裁判所から検察官へ送致する手続のことを指します。
少年事件は、警察や検察の捜査を受けた後、原則として全ての事件が家庭裁判所に送致されます(全件送致主義)。
基本的に、少年事件は家庭裁判所での調査を経て審判に付せられ、その後少年は保護処分となります。
しかし、一定の条件に当てはまる少年事件については、刑事手続を受けることが相当であるという判断が下される場合があります(参考:少年法第20条)。
この場合に、少年事件を家庭裁判所から検察官へ戻す=普段とは「逆」に「送致」する手続が「逆送」と呼ばれているのです。
それでは、「逆送」後にその少年事件がどういった手続で進んでいくのか確認してみましょう。
少年法では、少年事件が「逆送」され、検察官のもとに再度送られた後の手続について、以下のように定められています。
少年法第45条
家庭裁判所が、第20条の規定によつて事件を検察官に送致したときは、次の例による。
第5号 検察官は、家庭裁判所から送致を受けた事件について、公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑があると思料するときは、公訴を提起しなければならない。
ただし、送致を受けた事件の一部について公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑がないか、又は犯罪の情状等に影響を及ぼすべき新たな事情を発見したため、訴追を相当でないと思料するときは、この限りでない。
送致後の情況により訴追を相当でないと思料するときも、同様である。
少年法第45条第5号では、「逆送」された少年事件について、検察官が犯罪の嫌疑が相当程度あると考えた場合には原則として起訴しなければならないと定められています。
つまり、家庭裁判所から「逆送」された少年事件については、基本的に起訴されるものと考えた方がよいということです。
「逆送」された少年事件が起訴されると、成人の刑事事件同様、刑事裁判となります。
通常の少年事件において家庭裁判所で開かれる審判では、有罪・無罪を決めることはなく、その審判で少年に付される保護処分も刑罰ではありません。
しかし、「逆送」され起訴された後に開かれる刑事裁判では、成人の刑事事件と同じく有罪・無罪が判断され、有罪であった場合には刑罰の重さも決められます。
その結果、刑務所へ行くことになる場合も考えられます。
・「逆送」と改正少年法の「特定少年」
ここまで確認してきた少年法ですが、令和4年4月1日には改正少年法が施行されます。
この改正少年法では、20歳未満の「少年」のうち、18歳・19歳の少年が「特定少年」とされ、17歳以下の少年と扱いを分けることが定められています。
今まで見てきた「逆送」に関しても、18歳・19歳の「特定少年」であるのか、17歳以下の少年であるのかによって大きな違いが生まれることになりました。
以下、改正少年法の該当箇所を確認してみましょう。
改正少年法第62条
第1項 家庭裁判所は、特定少年(18歳以上の少年をいう。以下同じ。)に係る事件については、第20条の規定にかかわらず、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。
第2項 前項の規定にかかわらず、家庭裁判所は、特定少年に係る次に掲げる事件については、同項の決定をしなければならない。
ただし、調査の結果、犯行の動機、態様及び結果、犯行後の情況、特定少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、この限りでない。
第1号 故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であつて、その罪を犯すとき16歳以上の少年に係るもの
第2号 死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件であつて、その罪を犯すとき特定少年に係るもの(前号に該当するものを除く。)
改正少年法第62条では、第1項で「特定少年」に係る少年事件について刑事処分が相当であると判断できる場合には「逆送」できるということを、第2項で「特定少年」が起こした少年事件で「死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件」は原則「逆送」とすることが定められています。
現行の少年法では、「死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件」(少年法第20条第1項)が「逆送」できる事件として、「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であつて、その罪を犯すとき16歳以上の少年に係るもの」(少年法第20条第2項)が原則「逆送」する事件として定められています。
ですから、改正少年法では、「特定少年」について「逆送」できる事件の範囲と、原則として「逆送」する事件の範囲が広がったということになります。
今回の事例のAさんの場合、Aさんの年齢は18歳です。
ですから、この事例が起こった時期が令和4年4月1日以降の改正少年法施行の後のことであれば、Aさんは「特定少年」の扱いを受けることになるでしょう。
Aさんの容疑のかけられている強盗罪(刑法第236条第1項)ですが、その法定刑は「5年以上の有期懲役」となっていますから、改正少年法の「特定少年」の原則「逆送」の条件である「短期1年以上の懲役」に当てはまります。
そのため、Aさんの事例が令和4年4月1日以降の話であれば、Aさんの強盗事件は原則「逆送」され、刑事手続に則って処理されることになると思われます。
先ほど確認した通り、「逆送」されるということは成人の刑事事件同様に刑事手続を受けるということです。
起訴されて刑事裁判を受ける可能性も高く、有罪となれば刑罰を受けることにもなります。
少年事件の手続に対する対応だけでなく、刑事裁判を見据えた対応も行わなければなりませんから、刑事事件・少年事件両方に対応可能な弁護士に相談・依頼することが重要です。
刑事事件・少年事件を数多く取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、改正少年法施行後の少年事件についてのご相談・ご依頼も承っています。
少年事件への対応が不安な方、「逆送」に関する弁護活動を詳しく聞いてみたいという方、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
逮捕と勾留の違いとは
逮捕と勾留の違いとは
逮捕と勾留の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
Aさんは、岐阜県各務原市内にある各務原駅付近の歩道において、携行している荷物がVに接触したという理由でVと口論になり、カッとなったAさんはVの左大腿部を蹴ってしまいました。
すぐにVは岐阜県各務原警察署へ通報し、Aさんは暴行罪の現行犯として逮捕されてしまいました。
逮捕を知らされたAさんの家族は、Aさんがいつ帰ってこられるのか不安でたまりません。
そこで、Aさんの家族は、岐阜県の逮捕に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(フィクションです)
~暴行罪について解説~
他人に暴行を加えたものの、人を傷害するに至らなかった場合に暴行罪が成立します(刑法第208条)。
「暴行」とは、他人の身体に対する不法な有形力の行使を意味し、他人を殴る、蹴るなどの行為がその典型例です。
暴行罪の法定刑は、「二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」となっています。
これによって被害者に怪我を負わせてしまった場合には、「傷害罪」(刑法第204条)が成立します。
他人の左大腿部を蹴る行為は典型的な暴行行為といえます。
Aさんには暴行罪が成立する可能性が極めて高いと思われます。
~「逮捕」と「勾留」の違い~
法律用語において「逮捕」と「勾留」は厳密に区別されていますが、日常においてはそれほど厳密に区別されていないかもしれません。
逮捕された後には、すぐに釈放されるケースもありますが、留置の必要があると認められると、留置場に入ることになります。
身体拘束を受けたまま検察官に事件が送致される場合には、逮捕時から48時間以内に事件と被疑者が検察へ送致され、検察官の取調べを受けることになります。
検察官は事件と被疑者を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に、被疑者の勾留を請求するか、釈放するかを判断します。
(逮捕直後は「勾留」ではない)
ここまでが「逮捕」の効力として身体拘束できる時間となります。
留置場に入ったことをもって、「勾留」されたと表現する方もおられますが、この段階ではまだ「勾留」はされていません。
検察官による勾留請求のあと、裁判官が「勾留決定」をすれば「勾留」されることになります。
この場合は、10日間の身体拘束を受けることになります。
さらに、やむを得ない事由があると認められると、最長10日間、勾留が延長されます。
~早期の身体解放を実現するためには?~
身体拘束が長引けば長引くほど、Aさんの社会復帰を困難にします。
反対に、逮捕直後に適切な弁護活動を行うことにより、勾留されずに済む場合もあります。
(勾留されずに済む場合とは?)
Aさんに対する被疑事実は、面識のないVに対する暴行です。
家族や恋人に対して日常的に暴力を振るっていたという場合は別論ですが、面識のない人物に対する暴行であれば、勾留されずに釈放されるケースも多々あります。
勾留されずに済む場合として、①逮捕後、身元引受人がいるなどの理由により、警察官が留置の必要がないと判断して釈放するケース、②検察官が勾留請求を行わず釈放するケース、③検察官が勾留請求を行ったが裁判所が勾留を認めず却下されるケースがあります。
勾留されなければ、逮捕日から1~3日程度で外に出ることができます。
ただし、逮捕された被疑者本人が、身体解放の実現に向けて行動することは極めて困難です。
効果的な身体解放活動を行うためには、留置場の外で積極的に活動することが極めて重要です。
そのためには、逮捕された後、可能な限り早い段階で弁護士を依頼することが大切です。
ご家族が暴行罪の疑いで逮捕されてしまった場合は、すぐに弁護士へ連絡し、身体解放活動を依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱っている法律事務所です。
ご家族が暴行罪の疑いで逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
薬剤師を目指す大学生の痴漢事件
薬剤師を目指す大学生の痴漢事件
薬剤師を目指す大学生が痴漢事件を起こしてしまったというケースを例にとって、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
薬剤師資格の取得を目指して薬学部に通うAさんは、岐阜県岐阜市内を走行する電車に乗車中、近くにいた女性Vに対してふいに劣情を催し、その臀部を触れる等の行為に及んだところ、Aさんは目撃者Wによって取り押さえられ、AさんとV、Wは次の停車駅で降車しました。
Aさんは駆けつけた鉄道警察隊により、岐阜県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕され、岐阜県岐阜北警察署に連れて行かれました。
Aさんは自らの軽率さを大いに反省していますが、薬剤師資格の取得を諦めなければならなくなるのではないかと、将来への不安も感じています。
(フィクションです)
~Aさんに成立しうる罪とは~
今回のケースでは、Aさんに岐阜県迷惑行為防止条例違反の罪が成立する可能性が高いでしょう。
岐阜県迷惑行為防止条例第3条1項1号は、「何人も、正当な理由がないのに、公共の場所にいる者又は公共の乗物に乗つている者に対し、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で」「衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から、又は直接人の身体に触れること」を禁止しています。
Aさんは、公共の乗物である電車に乗車しているVの臀部に触れる等の行為を行っています。
当該行為は、岐阜県迷惑行為防止条例違反の罪を構成する可能性が高いと考えられます。
前記行為につき有罪判決が確定すると、「六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金」に処せられます(岐阜県迷惑行為防止条例第13条1項1号)。
~資格取得と刑事事件の関係・注意点~
Aさんは薬剤師資格の取得を目指して薬学部に通う大学生です。
薬剤師資格の取得を諦めなければならなくなる事態を憂慮しているとのことですが、確かにケースの痴漢事件を起こしたことによって、法律上、薬剤師資格を取得できなくなる事態はありえます。
薬剤師法第5条3号は、「罰金以上の刑に処せられた者」につき、薬剤師免許を与えないことがあるとしています。
ケースのような痴漢事件の場合、初犯の被疑者が有罪判決を受ける際は、罰金刑を言い渡されることが多いようです。
Aさんが罰金刑を言い渡されたとしても、免許を与えるか否かについては薬剤師法上、厚生労働大臣の裁量が認められているため、絶対に免許が受けられない、というわけではありません。
もっとも、免許を受けられなくなるリスクは極力排除するのが望ましいことはいうまでもありませんし、前科がつくことによって、今後の就職活動にも悪影響を及ぼす可能性が考えられます。
現在在籍している大学から懲戒を受ける可能性にも注意する必要があるでしょう。
~罰金刑の回避を目指す~
もし被害者であるVに対して被害弁償を行い、示談を成立させることができれば、起訴されずに済む可能性が高まります。
起訴されなければ、裁判にかけられることはないので、前科が付くことを回避することができます。
示談書に宥恕条項(注1)なども入れてもらうことができれば、不起訴処分を獲得できる可能性がさらに高まるでしょう。
また、示談が成立したことにより、早期の身柄解放を実現できる可能性も高まります。
(注1)
被害者において、被疑者に対する寛大な処分を希望する意思表示を指します。
宥恕条項を示談書に入れてもらうことができれば、起訴・不起訴を決める検察官に対し、Aさんにとって有利な事情としてアピールすることができます。
~まずは弁護士と相談~
もっとも、前述の弁護活動は留置場や拘置所の外でなければ展開することができないものです。
示談交渉や身柄解放活動は、法律の専門家である弁護士に一任し、最もAさんにとって有利に行動してもらうことをおすすめします。
逮捕されてしまった場合には、十分な時間を事件解決に充てることができるかどうかが、事件の結果を左右するカギとなります。
痴漢の疑いで逮捕されてしまった場合には、速やかに弁護士と相談し、事件解決に向けたアドバイスを受けることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
ご家族が痴漢の疑いで逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
岐阜県関市の貨幣損傷等取締法違反事件
岐阜県関市の貨幣損傷等取締法違反事件
岐阜県関市の貨幣損傷等取締法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
岐阜県関市に住むAさんは、個人で楽しむために500円硬貨に穴を開けてペンダントにしていました。
ある日そのペンダントをつけて関駅前をを歩いていたところ、Aさんは岐阜県関警察署の警察官に職務質問を受けました。
岐阜県関警察署の警察官がAさんのペンダントを見て「このペンダントの500円は本物のお金ですか?」と聞いてきたため、Aさんは「そうです。」と答えました。
すると岐阜県関警察署の警察官は、「本物の硬貨に穴をあけたりするのは、貨幣損傷等取締法違反という犯罪になりますよ。」とAさんに伝えました。
驚いたAさんですが、後日岐阜県関警察署に貨幣損傷等取締法違反の疑いで出頭することになりました。
Aさんは、今後自分がどうなるのかと不安に思い、出頭の前に弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
【硬貨に穴をあけると犯罪になりますか】
自分で装飾品として楽しむだけなら、硬貨に穴をあけても良いのでは、と思われるかもしれません。
しかし、「貨幣損傷等取締法」という法律があり、硬貨の損傷や溶解は禁止されています。
貨幣損傷等取締法の内容を見ていきましょう。
貨幣損傷等取締法
第1項 貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶしてはならない。
第2項 貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶす目的で集めてはならない。
第3項 第1項又は前項の規定に違反した者は、これを1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
貨幣損傷等取締法の「鋳つぶす」とは、金属の器物を溶かして地金にすることをいいます。
この法律の対象となっている「貨幣」とは、500円、100円、50円、10円、5円及び1円の六種類の貨幣や、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」第5条3項に定める記念貨幣のことです。
この貨幣損傷等取締法という法律は、昭和22年に制定された法律で、終戦直後に金属資材が高騰した時、当時の50銭や1円などの硬貨を鋳つぶしてしまう事件が多発し、そのことに対応するために制定されたものです。
貨幣損傷等取締法は、あくまで貨幣に対する法律ですので、日本銀行券(いわゆる紙幣)はこの法律の対象外です。
なお、貨幣の場合とは異なり、日本銀行券を損傷することを罰する法律はありません。
【弁護活動について】
貨幣損傷等取締法は、あまり普段聞き馴染みのない法律だと思います。
貨幣損傷等取締法違反で検挙されることがあまりありませんので、なじみがない、聞いたことがないということもあるかと思います。
前例も少ないため、検挙された場合どのような処分になるのか分りにくいところもあります。
Aさんのように、自分で装飾品として使うためだけに、1枚だけ貨幣に穴をあけたということならば、不起訴による起訴猶予処分も得られる可能性が有ります。
ただし、例えば前科がある、自分で使うためではなく販売するために大量の貨幣に穴をあけたとなれば、起訴され、懲役刑や罰金刑となる可能性が高くなります。
ご自分で処分がどうなるのか、見通しを立てるのは大変難しいと思いますので、刑事事件に強い弁護士にぜひご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
貨幣損傷等取締法違反などのなじみのない犯罪についても、安心してご相談頂けます。
岐阜県関市の貨幣損傷等取締法違反事件でご自身やご家族が話を聞かれることになった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
岐阜県各務原市の不正電磁的記録カード所持事件
岐阜県各務原市の不正電磁的記録カード所持事件
岐阜県各務原市の不正電磁的記録カード所持事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
岐阜県各務原市に住むAさんは、近所でVさん名義のクレジットカードを拾いました。
生活費に困窮していたAさんは、拾ったクレジットカードをそのまま使うとすぐに捕まると思い、磁気部分のデータをコピーして名義の表記を自分のものとした複製品を作りました。
Aさんはこの複製したクレジットカードを、買い物の時に使用するつもりで持ち歩いていました。
(フィクションです)
【クレジットカードを不正に複製して所持するとどのような罪になりますか】
クレジットカードを不正に複製して所持すると、刑法の「支払用カード電磁的記録不正作出(=偽造)」と「不正電磁的記録カード所持」という罪に問われる可能性が有ります。
どのような罪か見ていきましょう。
「支払用カード電磁的記録不正作出(=偽造)」
・人の財産上の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する電磁的記録であって、クレジットカードその他の代金または料金の支払用のカードを構成するものを不正に作った者は、10年以下の懲役または100万円以下の罰金に処する。
預貯金の引出用のカードを構成する電磁的記録を不正に作った者も、同様とする。
(刑法第163条の2の1項)
「不正電磁的記録カード所持」
・前条第1項の目的で、同条第3項のカードを所持した者は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。(刑法第163条の3)
続いて内容について見ていきましょう。
①主体は、特に制限はなく、だれでも行えます。
②対象は、不正に作出された電磁的記録を構成部分とする支払用または預貯金引出用のカードです。
「不正に作出された」とは、権限なくまたは権限を濫用してカードを構成する電磁的記録をその記録媒体上に存在させるに至らせることをいいます。
「電磁的記録」とは、人の財産上の事務処理の用に供される電磁的記録のことをいいます。
「構成部分とする」とは、プラスチックなどのカード板と電磁的記録とが一体となった状態のことをいいます。
※支払用カードについて
・該当するもの…クレジットカード、プリペイドカード、カード型の電子マネー
・該当しないもの…代金支払や預貯金引出機能のついていないポイントカード、マイレージカードなど
※預貯金引出用カードについて
・該当するもの…キャッシュカード
・該当しないもの…ローンカードなど
③目的は、人の財産上の事務処理を誤らせる目的が必要です。
身分証代わりにクレジットカードを使用するなど、身分確認の目的は該当しません。
今回Aさんは不正電磁的記録カードを使用することはありませんでしたが、不正電磁的記録カードを使用した場合には供用罪(刑法163条の2第2項)が、不正電磁的記録カードを譲渡・貸与した場合には譲渡し・貸渡し罪(刑法163条の2第3項)が成立します。
【不正電磁的記録カード関連の弁護活動について】
不正電磁的記録カード所持罪が成立するためには、不正なカードであることの認識が必要です。
例えば組織的な犯行で、本人は単に利用されて不正なカードであることを知らなかったという場合は、不利な自白を強要されることがないように、不利な供述調書が作成されないように、刑事事件に強い弁護士が警察や検察の取調べに対して適切にアドバイスを行っていきます。
また、不正電磁的記録カードを使用し、被害者に実害が発生している場合は、被害者との示談交渉につとめていきます。
そして、逮捕・勾留などで身柄を拘束された場合は、検察官や裁判所に勾留しないよう働きかけたり、裁判官の勾留決定に対して不服を申し立てる準抗告という手続きを行ったり、保釈を働きかけるなど身柄の解放活動を行っていくことになるでしょう。
こういった活動を早期に開始するためにも、不正電磁的記録カード関連の刑事事件の当事者になってしまったら、早急に弁護士へ刑事事件に相談をしましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、支払用カード電磁的記録不正作出事件や不正電磁的記録カード所持事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身が支払用カード電磁的記録不正作出事件や不正電磁的記録カード所持事件で話を聞かれることになった、または逮捕されてしまいお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
岐阜県大垣市の不正アクセス防止法違反事件
岐阜県大垣市の不正アクセス防止法違反事件
岐阜県大垣市の不正アクセス防止法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
岐阜県大垣市に住む会社員のAさんは、あるパソコンソフトが欲しいと思っていましたが、高くて買えないと思っていました。
ある日、Aさんは、近所に住む友達で大学生のBさんのIDとパスワードでログインすれば、安いアカデミック版のパソコンソフトが買えると思いつき、先日盗み見たBさんのIDとパスワードを使い、Bさんに無断で大学生専用通販サイトにアクセスしました。
その後、Aさんは自分名義のクレジットカードでアカデミック版のソフトを購入しました。
(フィクションです)
【不正アクセス行為とはどのようなことですか】
不正アクセス行為とは、アクセスが制限されている情報(他人のメールデータの内容など)をその制限を解除してその情報を認識する行為のことで、その制限を解除する方法の違いにより、大きく2つに分かれます。
①不正ログイン…他人のIDやパスワードを入力して、他人になりすまして他人のデータを認識する方法です。
②セキュリティー・ホール攻撃…アクセスを制限している機能を攻撃してその制限そのものを解除し、他人のデータを認識する方法です。
(セキュリティー・ホール攻撃は、攻撃対象のサーバの種類によって2つに分かれます。)
①の例は、他人のID・パスワードを入力して、他人のメールサーバーにアクセスし、他人のメールを見る行為などです。
②については、アクセス制御機能が付加された認証サーバ(システムの使用やネットワークへの接続を試みた人物が登録利用者本人であるかを確認する「認証」を行うサーバのことです。)を攻撃する場合と、それ以外の利用対象サーバを攻撃する場合があります。
続いて罰則等を見ていきましょう。
不正アクセス禁止法第3条
何人も、不正アクセス行為をしてはならない。
不正アクセス禁止法第11条
第3条の規定に違反した者は、3年以下の懲役または100万円以下の罰金に処する。
とされています。
また、以下の場合は不正アクセス行為から除外されています。
①アクセス管理者が行う場合
②アクセス管理者の承諾を得て行う場合
③利用権者の承諾を得て行う場合
【刑事事件例について】
AさんはBさんに無断でBさんのIDとパスワードを使い、本来ならAさんがアクセスできない大学生専用通販サイトにアクセスしているため、Aさんには不正アクセス防止法違反が成立する可能性があります。
【弁護活動について】
Aさんはパソコンソフトを安く購入したい、と軽い気持ちでBさんのIDとパスワードを無断で入力してアクセスしました。
ほんの軽い気持ちで行ったとしても、不正アクセス防止法違反という犯罪になってしまうのです。
逮捕されるのか否かについては、不正アクセス防止法違反事件では、現行犯逮捕ということは基本的にほとんどなく、不正アクセス行為の後に捜査が行われるため、通常逮捕という形になる可能性が高いです。
通常逮捕は、ある朝突然自宅に逮捕状を持参した警察官が来て、その場で逮捕されるか、警察署まで任意同行の後警察署で逮捕という形になるでしょう。
また、逮捕されることがなくても、ある日突然警察署から「不正アクセス防止法違反事件で話を聞かせて欲しい」と連絡が来るかもしれません。
刑事事件に強い弁護士に弁護を依頼しておけば、逮捕された場合は身柄解放活動をすぐに始めていきますし、逮捕されず警察署で話を聞かれる場合でも事前に取調べへのアドバイスを行うことにより、虚偽の自白をしてしまうことや、違法な取り調べを受けることを防ぐことができます。
ぜひ、刑事事件に強い弁護士に早期に相談をしてください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
不正アクセス防止法違反事件を取り扱った実績のある刑事弁護士も多数在籍しております。
岐阜県大垣市の不正アクセス防止法違反事件でご自身やご家族が話を聞かれることになった、逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
業務上横領罪と窃盗罪の違いとは?
業務上横領罪と窃盗罪の違いとは?
業務上横領罪と窃盗罪の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
岐阜県岐阜市茜部菱野にある大手スーパーVの店員Aさんは、店員歴30年というキャリアを持ち、役職はないものの、商品の販売をするかたわら商品の保管管理を任されていました。
ある日、商品の仕分け作業中、Aさんはつい出来心でその商品を横領しました。
Aさんは数日後Vの店長Xさんに呼び出され、「君が商品を横領した様子が防犯カメラに写っていた。近日中に岐阜県南警察署に被害届を出しに行く。」と言われました。
Aさんは、大変なことをしてしまったと思い、刑事事件を取り扱っている弁護士に、今後について相談に行きました。
そこでAさんは、自分の行為が該当し得る犯罪として、業務上横領罪と窃盗罪を挙げられ、そのうち業務上横領罪が成立するであろうという話をされました。
(フィクションです)
【業務上横領罪】
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。(刑法第253条)
①意義
業務上横領罪は、業務上自己が占有している他人の物を横領することによって成立する犯罪です。
②主体
業務上横領罪の主体は業務上の占有者であり、業務とは人が社会生活上の地位に基づき継続的に従事する事務(仕事)のことで、経理担当者や集金人の金銭の保管占有、倉庫営業者の荷物の保管占有などがあります。
業務上の占有とは、自己の生活維持のための本来の仕事である必要はなく、業務に付随する他人の物の保管・占有のことです。
③性格として
業務上横領罪では、業務上ではない横領罪に比べて背任性が強いので、単純な横領罪に刑を加重しています。
さらに、業務上横領罪の成立には委託信任関係を必要としており、業務者・占有者という二重の身分が必要である身分犯です。
また、その身分がない共犯も共犯者となりますが、この場合の共犯者には単純横領罪を適用します。
【窃盗罪】
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役に処する。(刑法第235条)
①意義
窃盗罪は、他人の占有する財物を不法に領得する意思を持って占有者の意思によらないで、摂取することで成立する財産犯です。
②客体
窃盗罪の客体は他人の占有する財物で、占有とは支配意思をもって財物を事実上自己の支配下におく状態といいます。
また財物とは物理的に管理の可能なものとしており、無体物(電気など)でも特定の人が管理している限りは財物とみなし、金銭的交換価値のみならず、主観的使用価値のあるものも保護に値します。
例えば会社の機密資料や、死亡した親族の写真などです。
そして、禁制品(所持が禁止されているもの)であっても窃盗罪の客体である「財物」とみなされます。
③行為
窃取すること、他人の占有する財物をその占有者の意思によらないで奪取することで、すなわち、他人の占有を侵害し、事実上自己または第三者の占有に移すことが窃盗罪の実行行為に当たる行為です。
着手時期は他人の占有を侵害する行為の開始や、それに密接に関連する行為を開始した時点とされています。
既遂時期は目的物を自己または第三者の支配に移した時点です。
不法領得の意志とは、権利者を排除して他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従って、これを利用または処分する意思のことです。
窃盗罪が成立するためには不法領得の意志が必要で、単に捨てる、若しくは隠すという意思で占有権を移した場合には窃盗罪は成立しません。
【刑事事件例について】
窃盗罪と横領罪の違いについては、客体が自己の占有か他人の占有であるかによります。
事件例の場合は、商品の保管を委託された者(Aさん)がその処理過程において管理する商品を領得した場合、それが窃盗罪になるか横領罪になるかについては、その商品の占有が権が委託者と受任者のいずれかによって判断されます。
占有とは上記のとおり、支配意思をもって財物を事実上自己の支配下におく状態をいうものですが、Aさんは商品を自己の支配下に置き保管管理しているのですから所有権は受任者のAさんにあると思われます。
また、商品の保管管理が業務にあたるかどうかについてはAさんはVさんから商品の保管管理も任されていることから、商品の保管管理は業務上の占有となりAさんには業務上横領罪が成立するのです。
【Aさんに対する弁護活動】
Aさんは商品を実際に横領しており、またその様子も防犯カメラに写っていました。
よって、弁護士を通じてVさんへの被害弁償と示談交渉を行うのが良いと思われます。
Vさんは被害届を出すと言っていますが、その前にVさんに対して被害を弁償して示談を成立することができれば、被害届をださないかもしれません。
そうなれば警察が介入することなく、事件を解決することができます。
また、被害届をだされたとしても、被害金額が大きくなく、前科が無ければ被害の弁償と示談の成立により起訴猶予による不起訴処分を目指すことができます。
ですので、一刻も早く刑事事件に強い弁護士に事件解決を依頼するのが良いでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、年間多数の示談交渉を行ってきた刑事事件専門の法律事務所です。
ご自身やご家族が業務上横領罪に問われてお困りの方、示談交渉をご希望の方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
通貨偽造事件で自首したい
通貨偽造事件で自首したい
通貨偽造事件で自首したいというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
岐阜県岐阜市美江寺町に住む会社員のAさんは、一万円札を200枚カラーコピーし、恋人のBさんの両親に結婚を認めてもらうための結納金として使おうと考えました。
ところがBさんの両親を訪問する前日、泥棒に入られ、この偽札を何者かがAさん宅から持ち出して競馬場ですべて使い果たし、「ニセ札出回る!」という見出しで新聞報道されました。
Aさんは通貨偽造罪で逮捕されるのは時間の問題だと思い、岐阜県岐阜中警察署に自首しようと考えています。
そこでAさんは、自首の前に弁護士に自首について相談しておくことにしました。
(フィクションです)
【通貨偽造罪・偽造通貨行使等罪】
通貨偽造罪・偽造通貨行使等罪について、どのような犯罪なのか詳しく見ていきましょう。
・行使の目的で、通用する貨幣、紙幣、又は銀行券を偽造し、又は変造した者は、無期又は3年以上の懲役に処する。(刑法第148条1項)
・偽造または変造の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者も、前項と同様とする。(刑法第148条2項)
1通貨偽造罪
①偽造とは
通貨偽造罪における偽造とは、通貨の発行権者でない者が、真正通貨の外観を有するものを新しく制作することで、一般人に真貨と誤認させる程度で構わず、カラーコピーなど材料や方法は問いません。
②変造とは
真正通貨に加工・変更を加えて真貨の外観を呈するものを作り出すこと(偽造にあたらないもの)で、真正通貨を材料とすることが条件です。
一般人に真貨と誤認させる程度でかまわず、変造にかかる偽貨に該当する真貨が存在することは必要としません。
また価額を変更して、その価額通貨の外観を有するものとした場合は、通貨偽造罪が成立します。
③行使の目的
偽造、変造は「行使の目的」を必要とし、「行使の目的」とは、偽造、変造にかかる通貨を真正の通貨として流通させようとすることです。
なお目的の実現は必要ありません。
④客体
日本国内で通用する、貨幣、紙幣、銀行券(これらを総称して通貨という)であり、「通用する」とは法律による強制通用力を有する状態のことです。
⑤保護法益
個人の財産ではなく、通貨に対する公共の信用並びに通貨取引の安全でありますが、通貨に対する現実の信用喪失や具体的危険性は必要ありません。
2偽造通貨行使罪
①行使の目的が必要
偽造通貨行使罪の成立に必要な「行使の目的」とは、偽造、変造された通貨を、真正な通貨として流通に置く意思のことで、「見せるための金」としての使用は行使にあたりませんし、行使の対象も自販機に対する使用など人には限りません。
「行使」とは事情を知らない第三者に譲渡することで、「交付」とは、偽造(変造)された通貨であることを知った者に譲渡することです。
この際に有償・無償は問いません。
②既遂時期
偽造通貨行使罪が既遂になる時点は、偽貨を真貨のように装って、他人に手交した時点であり、手交した時点で流通に置いたことになります。
なお、相手に怪しまれて返却された場合も既遂となります。
【自首とは】
「自首」とはどのような行為のことでしょうか?
1自首の要件
①罪を犯した者が、②捜査機関に発覚する前に、③自首したときは、③その刑を減軽することができる ことです。
2「捜査機関に発覚する前」の意義
おおよその人相、年齢、身長、着衣等が分かっているだけでは「発覚」しているとはいえず、容貌、体格その他の特徴によって犯人が明確に特定されている場合は、発覚しているといえます。
その場合の特定については、確定的に断定するまでは必要ではありません。
【刑事事件例について】
Aさんが結納金として使うことを目的に、一万円札をカラーコピーして偽札を作った行為は偽造にあたり、また社会通念上結納金は手渡すものであることから、行使の目的に該当し、通貨偽造罪にあたると思われます。
しかし、盗難により真正な通貨として流通した事実については本件盗難事案において結果発生の可能性は認識できるものではなかったため、偽造通貨行使等罪にはあたらないものと思われます。
また、警察は偽札を作った者について把握していないと思われるので、Aさんがこの時点で警察署に行き事情を話せば自首が成立する可能性があります。
【弁護士の活動】
弁護士は警察に自首した後にある取り調べ対応についてのアドバイスや、自首の際に警察署への付き添い活動もしています。
警察署へ自首しようとしている方は、警察に行く前にぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ相談してください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、年間多数の取り調べ対応のアドバイスをしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身が通貨偽造罪や通貨偽造行使等罪で自首をしたい、または逮捕されてしまいお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
家族が逮捕された理由を知りたいなら
家族が逮捕された理由を知りたいなら
家族が逮捕された理由を知りたいときについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
Bさんは,妻のAさんとともに,岐阜県岐阜市内で暮らしていました。
ある日,岐阜県岐阜警察署の警察官から,Aさんが逮捕されたことを電話で聞かされました。
Bさんは,まさかAさんが逮捕されるとは夢にも思わず,Aさんが逮捕された理由が知りたいと思い,刑事事件や弁護士について急いで調べています。
(刑事事件例はフィクションです。)
【家族が逮捕された理由を知りたいなら】
家族が逮捕された理由を知りたいと思った場合,どうすればよいのでしょうか。
まずは,逮捕されてしまった方のご家族が直接留置施設に出向いて,刑事事件の真相や逮捕された理由を聞きたいと考えると思います。
しかし,逮捕されてすぐの時点では(勾留がされるまでの間は),たとえ逮捕されてしまった方のご家族であったとしても,面会をすることができません。
その理由は,刑事訴訟法80条・刑事訴訟法207条では,「勾留されている」被疑者「は、第39条第1項に規定する者以外の者と、法令の範囲内で、接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる」とされているからです。
下線部のように,逮捕に引き続きなされる勾留がされているときに限り,例えば逮捕されている方のご家族による面会といった一般面会が許されています。
それでは,家族が逮捕された理由を知りたいと思っても,逮捕されてすぐの時点では,何もすることができないのかというとそういうわけではありません。
ここで重要になるのが弁護士による接見です。
既に見た刑事訴訟法80条・刑事訴訟法207条では,勾留されている被疑者は、第39条第1項に規定する者以外の者と、法令の範囲内で、接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができるとされていますが,「第39条第1項に規定する者以外の者」という例外があり,この例外が弁護士です。
つまり,弁護士であれば,逮捕されてすぐの時点で,逮捕されてしまっている方に直接会って,刑事事件の真相や逮捕された理由を代わりに聞くということができるのです。
【弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に初回接見を頼む】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,初回接見(弁護士による面会)サービスを,24時間,土日祝日もお電話にて受け付けており,即日・迅速な対応が可能な体制を整えています。
待機中の弁護士がいれば,電話口で事情をお伺いした直後に相談・接見・同行サービスを受けていただくことも可能であり,時間との闘いといわれる刑事事件において,スピード感のある初回接見サービスを提供しています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
家族が逮捕された理由を知りたいなら,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
フリーダイヤルは,0120-631-881です。
今すぐお電話ください。