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危険運転致死傷事件の裁判を紹介【裁判員裁判】

2022-08-26

危険運転致死傷事件の裁判を紹介【裁判員裁判】

危険運転致死傷事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事案:飲酒運転をして制御困難な速度で対向車線の軽乗用車などと衝突する事故を起こし、2人を死傷させたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死傷)などに問われた被告人の裁判員裁判で、名古屋地裁は、懲役10年(求刑・懲役12年)の実刑判決を言い渡した。
公判で、被告人側は「制御困難な速度にあたらず、過失運転致死傷にとどまる」と主張していた。
しかし、判決は、事故現場の道路状況などから「高速度で走行し、わずかな運転ミスを起こしたこと以外に事故原因は考えがたい」と退けた上で、被告には制御困難になる危険性の認識もあったとして、危険運転にあたると結論づけた。
(読売新聞「危険運転致死傷懲役10年/地裁判決」(2022/06/24)より引用・参照。)

~裁判員裁判について~

本事案は、一般市民も事実認定や量刑判断に加わるいわゆる裁判員裁判によって判決が下されています。
裁判員裁判といえば典型的には殺人事件などの極めて重大な事件がその対象となるため、交通事件で裁判員裁判が開かれていることに違和感を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。

裁判員法2条1項をみると、2号において「裁判所法第26条第2項第2号に掲げる事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの」を、裁判員裁判対象事件と定めています。
そして、裁判所法26条2項2号とは「死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪……に係る事件」をいい、危険運転致死傷罪(自動車運転死傷行為処罰法2条)は、危険運転によって「人を死亡させた者」を「1年以上の有期懲役に処する」と規定しています。
危険運転致死傷罪の成立には、危険運転について「故意」が必要となるため、「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの」として、裁判員裁判対象事件となることになるのです。

~危険運転致死傷事件における量刑と弁護活動~

本事案では、「懲役10年」の実刑判決が下されていますが、裁判員裁判においては量刑データベースなどによって、同種事件と平仄を合わせることが重視されていることもあり、量刑相場と大きく相違のない判決となっていると思われます。
したがって、弁護活動の一例としては、本事案のようにそもそも危険運転致死傷罪の成立を争い、過失運転致死傷罪が成立するにとどまるとの主張をすることが考えられます。
危険運転致死傷罪の成立が認められると、その量刑は過失運転致死傷罪の約2倍が相場ともいわれているため、事案によっては危険運転致死傷罪の成立を争う弁護活動も十分に考えられるところです。
他方で、罪の成立自体は認めた上で、遺族等との示談を成立させるなど情状弁護により傾注した弁護活動も考えられるところです。
弁護士としては、事件の性質を見極めた上で最善の弁護活動が行っていくこととなります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、危険運転致死傷などの交通事件を含む刑事事件を専門とする法律事務所です。
交通事件で逮捕・起訴された方のご家族等は、24時間対応の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)まで今すぐお電話ください。

【解決事例】万引きで現行犯逮捕

2022-08-19

【解決事例】万引きで現行犯逮捕

万引きをしてしまい、現行犯逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

~事案~

Aさん(20代女性)は、岐阜県関市にあるコンビニエンスストアにて、食品数点を万引きしました。
Aさんが万引きしているところを発見した、コンビニエンスストアの店長であるVさんは、Aさんの万引き行為を指摘し、Aさんから話を聞くことにしました。
話し合いの際、Aさんは素直に万引きしたことを認めました。
Vさんの通報を受け、岐阜県関市を管轄する関警察署の警察官はAさんを現行犯逮捕しました。
Aさんの夫は、Aさんの今後が不安になり、刑事事件を専門的に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部に相談されました。
(この話はフィクションです。)

~逮捕後の流れ~

逮捕されてから48時間以内に、警察署は被疑者の身柄を検察庁に送致するかしないか判断をします。

釈放された場合には、在宅事件として扱われることとなり、警察署や検察庁に呼出しを受け、取調べを受けていくこととなります。
取調べが進み最終的に検察官は終局処分と呼ばれている、不起訴、起訴等の判断を行うこととなります。

警察署が釈放せず、検察庁に送致された場合には、検察官が裁判所に勾留請求するかどうか24時間以内に判断します。
勾留請求されなかった場合も釈放となります。
勾留請求された場合は、勾留請求が却下されれば釈放、勾留が決定した場合には勾留請求した日から原則10日間勾留されることとなります。
勾留は延長請求することができ、認められれば、窃盗罪の場合最大で10日間身柄の拘束が延長されることとなります。
勾留満期を迎えた際に、終局処分が決定されることとなります。

不起訴処分となれば、前科が付くことはありません。
起訴されれば、無罪とならない限りは、罰金刑や懲役刑等が下され前科が付くこととなります。

~弁護活動~

今回の事件では現行犯逮捕されているため、まずは釈放するための活動を行うこととなりました。
釈放するために弁護士は、裁判所に対して、検察官からの勾留請求に対する意見書を提出しました。
意見書では、万引き行為をしていることが防犯カメラで残っていること、Vさんとは一度話をした際にすでに万引き行為を認めているので証拠隠滅の可能性が低い事やAさんの母親が監視監督する旨等を述べました。
その結果、裁判所が勾留の必要性がないと判断したため、勾留されずに釈放されることとなりました。
次に行ったのは、示談交渉です。
Vさんと連絡を取り、Aさんの謝罪文作成したことや被害弁償等させていただきたい旨を伝えました。
話し合いを進め、示談を締結することができ、相手にお許しを頂くことができました。
その結果、検察官が不起訴処分という判断を下しました。

弊所では刑事の弁護活動を経験した弁護士が数多く在籍しております。
今回の事案のような、岐阜県関市の万引きで逮捕・勾留を回避したい、不起訴処分を目指したい等ございましたら、0120-631-881までお電話ください。
無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。

10代女性に対する強制わいせつ被疑事件

2022-08-10

10代女性に対する強制わいせつ被疑事件

今回は、10代女性に対する強制わいせつの疑いで30代男性が逮捕された報道をもとに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

6月10日午後8時40分ごろ、県内のバス停で、バスを待っていた県内の10代女性の身体を無理やり触るわいせつな行為をした疑いで、岐阜県警山県署と岐阜北署は25日、強制わいせつの疑いで30代会社員男性を逮捕しました。
男性は、今月9日にも別の10代女性にわいせつな行為をしたとして同容疑で逮捕されています。(7月25日 岐阜新聞Web 「バス停で10代女性に強制わいせつの疑い 32歳会社員の男を再逮捕 岐阜県」より引用)

~強制わいせつ罪とは~

強制わいせつ罪とは、13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をする犯罪です。
13歳未満の者に対しては、暴行・脅迫を行わなくても、また、同意があったとしても、わいせつな行為を行えば、強制わいせつ罪が成立します(刑法第176条)。
強制わいせつ罪につき有罪判決が確定すると、「六月以上十年以下の懲役」に処せられます。

強制わいせつ罪は比較的重い犯罪です。
同種余罪の嫌疑が明らかになれば、ケースのように逮捕が繰り返される場合も少なくありません。
早急に弁護士を依頼し、事件解決を目指す必要性の高い事件といえます。

また、このような性犯罪を繰り返してしまう場合には、事件の背景に医学、心理学などの専門的知見によって説明、治療がなされるべき問題が隠れている場合もあります。
専門家によるカウンセリング等を通じ、再犯防止に努めるサポートも重要な弁護活動といえます。
まずは弁護士と相談し、事件解決に向けたアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
強制わいせつ事件に関してお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(借金の返済と恐喝罪)

2022-08-03

(借金の返済と恐喝罪)

借金の返済と恐喝罪について、あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【事案の概要(*フィクションです)】

多治見市に住むAさんは、知人のVさん(同市在住)に頼まれ、10万円を3か月後を返済期日として、無利子で貸し付けました。
ところが、約束の日になっても返済されなかったため、Vさんに催促の連絡をしたところ、「もう少し待ってほしい」と言われたため、仕方なく更に3ヶ月返済を猶予することにしました。
数日経ったある日、AさんはVさんが多治見市内のパチンコ店に出入りしているところを目撃しました。
自分への返済をしないで遊んでいることに腹を立てたAさんは、後日Vさんを呼び出し、持っていたナイフを突きつけながら、「自分への借金を返さないのに、パチンコ店で遊んでいるとはどういうことだ。今すぐに金を返せ。さもなければ痛い目にあわせるぞ。」と凄んで返済を迫りました。
Aさんのあまりの剣幕に驚き、恐怖感を覚えたVさんは、手持ちの現金3万円を渡し、「後日必ず返すから今日はこれで勘弁してほしい。」といい、なんとかAさんを帰しました。
結局数日たっても残金の返済がされなかったため、Aさんは再度Vさんへ連絡を取ろうと考えていたところ、岐阜県警察多治見警察署から、「Vさんに対する恐喝の件について、被害届が出ているから、多治見警察署で話が聞きたい。」と連絡がありました。

【恐喝罪とは】

恐喝罪とは、人を恐喝して財物を交付させた場合に成立する犯罪で、罰則規定は「十年以下の懲役」が定められています。
「恐喝」とは、人の反抗を抑圧するに足りない程度の暴行・脅迫によって、相手方を畏怖させることをいいます。

第二百四十九条 
1 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2(略)

今回のケースで、AさんはVさんに対してナイフを突きつけ、借金を返済しなければ「痛い目にあわせるぞ。」と脅し、これに恐怖感を覚えたVさんから現金3万円を交付させていることから、恐喝罪が成立すると考えられます。

【借金返済を求めた場合でも恐喝罪?】

もっとも、今回のケースでは、Aさんは、Vさんに対して10万円の返済を求める権利(債権)を有しているので、Aさんの行為が行き過ぎとはいえ、恐喝罪が成立することに疑問を持つ方もいるでしょう。
この点について最高裁(最判昭和30年10月14日)は、債権の範囲内の金銭の交付を受けたとしても、その方法が社会通念上一般に受忍すべきと認められる限度を逸脱したときは、恐喝罪が成立すると判示しています。
今回のケースのように、相手にナイフを突きつけながら、脅し文句とともに借金の返済を迫る手段は、およそ社会通念上一般に受忍できる限度を超えているものと言わざるを得ませんので、Aさんには恐喝罪が成立する可能性が高いでしょう。

【困ったら弁護士に相談を】

恐喝罪は、先に述べたように法定刑が「十年以下の懲役」で、罰金刑が規定されていないため、起訴されてしまうと必ず正式裁判にかけられてしまいます。
そのため、事件化の回避や不起訴処分の獲得のためには、弁護士による被害者との示談交渉が非常に重要となります。
今回のケースでは、既に被害届が提出されているので、弁護士が、被害届を取り下げてもらうようVさんとの示談交渉を行います。
また、仮に起訴された場合、恐喝罪は初犯であっても実刑判決を受ける可能性がありますが、示談が成立していれば、執行猶予付き判決を獲得しやすくなります。

金銭トラブルをきっかけとした恐喝罪の疑いで取調べを受ける予定のある方、お困りの方は、あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
恐喝罪の事案や被害者との示談交渉も数多く取り扱ってまいりました。
是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。

未成年誘拐の事件を紹介

2022-07-27

未成年誘拐の事件を紹介

未成年誘拐の事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事案:愛知県警稲沢署は、インターネットアプリで知り合った稲沢市の女子中学生(14)を誘拐したとして、未成年者誘拐容疑で会社員の男(21)を逮捕した。
逮捕容疑は、未成年と知りながら女子生徒を誘い出し、稲沢市内の駅で待ち合わせた後、自身が運転する車で千葉県の自宅に連れ去り、誘拐したとされている。
女子生徒の家族が、署に行方不明届を出していた。
(産経WEST「愛知の女子中学生誘拐疑い 千葉の男を現行犯逮捕」(202216)を引用・参照)。

~未成年誘拐罪について~

刑法224条は、未成年略取罪および未成年誘拐罪について以下のように規定しています。
・「未成年者を略取し、又は誘拐した者は、三月以上七年以下の懲役に処する」
2005年の刑法改正により法定刑が「3月以上5年以下の懲役」から「3月以上7年以下の懲役」へと引き上げられています。
また、2022年4月1日に施行された民法の一部改正により、成年年齢が「18歳」とされたことにより、同施行日以降の本条の適用に関しては「未成年」=「18歳未満」となります。
なお、229条の規定により、「略取、誘拐及び人身売買の罪」の中でも、未成年略取罪および未成年誘拐罪(224条)は、親告罪とされていることにも注意が必要です。

~ 未成年誘拐事件における裁判例と弁護活動~

本稿で紹介した事案自体のその後の帰趨については詳らかではありませんが、参考になる裁判例は存在します。
小学4年の女児を連れ去ったとして未成年者略取などで起訴された事件において、横浜地裁令和3年9月6日判決は「懲役10年」を言い渡しています。
当該裁判例は他に強制わいせつなどの罪にも問われており、本事件とは事案が異なるものの、余罪の有無などによっては、未成年誘拐事件はかなり重い刑が下されることがあることに注意を要します。
刑事弁護士が、被害者の家族等との示談の締結を模索するなどの弁護活動を行うことが極めて重要となるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、未成年誘拐事件を含む刑事事件を専門的に扱っている法律事務所です。
未成年誘拐事件で逮捕された方のご家族は、24時間対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)までお電話ください。

【解決事例】岐阜県恵那市の強制わいせつ事件で不起訴を獲得

2022-07-20

【解決事例】岐阜県恵那市の強制わいせつ事件で不起訴を獲得

事件概要

会社員のAさん(30代男性)は、岐阜県恵那市で一人暮らしをしておりました。
Aさんは、道端を歩いていたVさんを車で付けた後、Vさんに対してスカートの中に手を差し入れる等わいせつな行為をしました。
その後Aさんは、岐阜県恵那市を管轄する恵那警察署の警察官に逮捕されることになりました。
Aさんが逮捕されたことを知ったAさんの両親は、Aさんの今後を不安に思い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部に相談されました。

(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)

刑事弁護活動について

今回の事件では、被害者であるVさんとの示談交渉が主な活動となりました。
Vさんに対して、被害弁償やAさんの謝罪の意思を伝えた結果、示談を締結することとなりました。
また、被害弁償等を受けたことによりAさんを許していただけることになりました。
その結果Aさんは不起訴処分を獲得することができました。

まとめ

今回の事件では、被害者の方との示談交渉が主な活動となりました。
示談を行う事は個人でも可能ですが、交渉が難航してしまったり、後々金銭的な問題に発展してしまうことや示談として効力を持たないものになってしまう可能性もあります。
そのため、法律の分野の専門家である弁護士にお願いすることが確実な方法であると考えます。
また、今回の事件のような性犯罪に遭われた方であり、慎重に交渉を進めていかなければなりません。
そのため、刑事事件における示談の経験が豊富な弁護士が、円滑に示談を進めることができると考えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、強制わいせつ事件等の性犯罪での弁護活動の経験が豊富な弁護士が在籍しております。
逮捕されている方のもとに弁護士を派遣する初回接見サービスの提供や、無料の相談を行っております。
土日祝日も対応を行っておりますので、強制わいせつ事件等の性犯罪でお困りの際はフリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

 

キャッシュカードの郵送と犯罪収益移転防止法

2022-07-13

キャッシュカードの郵送と犯罪収益移転防止法

キャッシュカードの郵送と犯罪収益移転防止法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【事案の概要(*フィクションです)】

岐阜県高山市に住むAさんは、コロナ禍による不況でお金に困っていました。
ある日、AさんはSNS上で「不要なキャッシュカードがあれば1枚10万円で買い取ります」という投稿を見かけ、これに応募することにしました。
Aさんは、担当者に指示された通りに不要となったキャッシュカードを郵送しましたが10万円 は振り込まれませんでした。
Aさんは、「自分は騙されたのではないか」と思い、岐阜県高山警察署に相談したところ、郵送したキャッシュカードの口座は特殊詐欺グループに利用されていることが分かりました。
Aさんは騙されてキャッシュカードを郵送したと伝えましたが、高山警察署の警察官から「あなたは被害者ではなく被疑者にあたる。後日取調べをするから必ず来るように。」と言われました。

【キャッシュカードを郵送することは犯罪になる】

キャッシュカードを郵送する行為は、犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)第28条2項により禁じられており、違反した場合は「一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金」、もしくはこれらの併科 に処されるおそれがあります(同条1項参照)。
今回のケースのAさんのように、詐欺グループに利用されることを知らないでキャッシュカードを郵送してしまった場合でも、「正当な理由がないのに」交付したということになってしまいます。
さらに、「有償で…交付」するとは、実際に交付したことへの対価が支払われなくても、対価の交付が約束されていればよいとされます。
そのため、警察官は、Aさんの行為が犯罪収益移転防止法第28条2項にあたるとして、Aさんを被疑者として取調べを行うことを決めたのでしょう。

第28条
1 他人になりすまして特定事業者…との間における預貯金契約…に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、当該預貯金契約に係る預貯金通帳、預貯金の引出用のカード、預貯金の引出し又は振込みに必要な情報その他特定事業者との間における預貯金契約に係る役務の提供を受けるために必要なものとして政令で定めるもの(以下この条において「預貯金通帳等」という。)を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者も、同様とする。
2 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同項と同様とする。通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同様とする。

【詐欺罪にあたる場合もある】

なお、今回のケースとは異なり、Aさんが口座を新しく開設し、その口座のキャッシュカードを郵送したような場合、犯罪収益移転防止法違反だけではなく、詐欺罪(刑法第246条1項)にも該当するおそれがあります。
これは、銀行口座については登録者が利用することを前提にしているため、登録者以外の者に口座を利用させる目的を隠し、銀行を騙してキャッシュカードや通帳の交付を受けることになるからです。

【お早めに弁護士に相談を】

キャッシュカードの郵送については、今回のケースのように、騙されたと思って警察に相談しに行ったところ、逆に被疑者として扱われることで事件が発覚することがあります。
また、郵送したキャッシュカードの口座の凍結通知が銀行から届き、警察署に行くよう指示され、警察官にキャッシュカードの郵送と銀行口座の凍結について話すと、「それは違法行為である。」と指摘され、事件化するケースも多いです。
そのため、突然被疑者として取調べを受けることとなり、今後どのようにすればよいか不安に感じることでしょう。

もし、キャッシュカードを郵送してしまいお困りの方や、犯罪収益移転防止法や詐欺罪の疑いで取調べを受ける予定がある方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご連絡ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
犯 罪収益移転防止法や詐欺罪に詳しい弁護士も在籍しております。
是非 、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。

【解決事例】岐阜県中津川市の覚醒剤を使用した薬物事件

2022-07-06

【解決事例】岐阜県中津川市の覚醒剤を使用した薬物事件

事件概要

会社員のAさん(30代男性)は、岐阜県中津川市の実家で暮らしていました。
仕事や家庭のストレスからAさんは、友人の勧めで覚醒剤を使用するようになりました。
ある日Aさんは、岐阜県中津川市にある駐車場で覚醒剤を使用していたところ、挙動不審と思われ巡回中の岐阜県中津川市を管轄する中津川警察署の警察官に見つかり、尿検査を求められ陽性だったため逮捕されることとなりました。
Aさんが逮捕されたことを知ったAさんの両親は、今後が不安になったため弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部に相談されました。

(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)

覚醒剤の使用に関する法律

覚醒剤の使用については覚醒剤取締法第19条に規定されています。

覚醒剤取締法第十九条 次に掲げる場合のほかは、何人も、覚醒剤を使用してはならない。
以下略 

以下の場合に該当しない人による覚醒剤の使用は禁止されています。
・覚醒剤製造業者が製造のため使用する場合
・覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者が施用する場合
・覚醒剤研究者が研究のため使用する場合
・覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合
・法令に基づいてする行為につき使用する場合

覚醒剤を使用した場合の罰則については、覚醒剤取締法第41の3第1項第1号に規定されています。

第四十一条の三第1項 次の各号の一に該当する者は、十年以下の懲役に処する。
一 第十九条(使用の禁止)の規定に違反した者

刑事弁護活動について

今回の事件では、Aさんが覚醒剤を使用した薬物事件であったため、釈放を目指す活動と実刑を回避するための活動が主なものとなりました。
初めに行ったのは、釈放を目指す活動になります。
勾留満期を迎えAさんは、起訴されることになりました。
そのため、弁護士はAさんが釈放された際に、Aさんの両親が監視監督を約束する旨を記載した上申書とともにAさんが逃亡や証拠隠滅の可能性がないこと等を記載した保釈請求書を裁判所に提出し、Aさんは無事に保釈により釈放されることになりました。

裁判時の弁護活動では、実刑回避の為情状弁護を行いました。
Aさんの薬物依存に対する治療やAさんの交際相手、Aさんの両親からの監督をしていること等を公判の際に主張していきました。
その結果、執行猶予を獲得することができました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、覚醒剤等の薬物事件での弁護活動の経験が豊富な弁護士が在籍しております。
逮捕されている方のもとに弁護士を派遣する初回接見サービスの提供や、無料の相談を行っております。
土日祝日も対応を行っておりますので、薬物事件でお困りの際はフリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

 

【解決事例】岐阜県飛騨市の窃盗事件で接見禁止の一部解除を獲得

2022-06-29

【解決事例】岐阜県飛騨市の窃盗事件で接見禁止の一部解除を獲得

【事案の概要】

Aさんは、解体作業を行う会社に勤めています。
ある日、最近Aさんの勤務する会社に転職してきたBさんから、「以前勤めていた会社に置いてきた自分の工具の搬出を手伝ってほしい」と言われました。
Aさんはこれを承諾し、その日の夜に、Bさんと共に工具を運び出しました。
しかし、搬出した工具はBさんのものではなく、Bさんが以前勤めていた会社が所有しているものでした。
Aさんはそのことを知らないでBさんを手伝っていましたが、後日会社に侵入して工具を盗んだとして、岐阜県飛騨警察署に建造物侵入及び窃盗の容疑で逮捕・勾留され、「接見禁止」がつきました。
Aさんのご両親は、Aさんとなんとか面会できないかと、相談時にお話しされました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

【接見禁止とは?】

被疑者とは、警察や検察などの捜査機関から犯罪の疑いをかけられ捜査の対象となっている者で、いまだ起訴されていない者をいいます(起訴された場合は「被告人」となります)。
弊所にご依頼を頂いた時点で、Aさんは、身柄は留置されているものの、まだ起訴されていないため、被疑者にあたります。
そして、刑事訴訟法は、被疑者の家族や友人などが、勾留された被疑者接見(面会)することを認めています。

刑事訴訟法第80条
勾留されている被告人は、第39条第1項に規定する者以外の者と、法令の範囲内で、接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。勾引状により刑事施設に留置されている被告人も、同様である。
(*「第39条第1項に規定する者以外の者」とは、弁護人又は弁護人になろうとする者のことをいいます。また、「被告人」とありますが、刑事訴訟法第207条第1項により、被疑者にも準用されます。)

しかし、逃亡や、証拠隠滅のおそれがあると疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判所は、検察官の請求もしくは職権で、弁護士以外による接見を禁止することが出来ます。
これを「接見禁止」といいます。

刑事訴訟法第81条
裁判所は、逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときは、検察官の請求により又は職権で、勾留されている被告人と第39条第1項に規定する者以外の者との接見を禁じ、又はこれと授受すべき書類その他の物を検閲し、その授受を禁じ、若しくはこれを差し押えることができる。但し、糧食の授受を禁じ、又はこれを差し押えることはできない。
(「被告人」とありますが、刑事訴訟法第80条と同じく、刑事訴訟法第207条第1項により、被疑者にも準用されます。)

接見禁止が認められやすいのは、共犯者がいる事件や組織的な詐欺事件、薬物事件など、特に逃亡や証拠隠滅のおそれが高いとされる事件です。
今回の事例でも、共犯事件として、接見禁止がつけられたと考えられます。

【接見禁止がつくと家族も面会が出来ない?】

接見禁止となった場合でも、弁護士を通じて、接見禁止の解除の申立て又は接見禁止の一部解除の申立てをすることができます。
今回のような共犯事件では、事件とは全く関係のないご両親との面会を認めても、罪証隠滅のおそれがないとして、接見禁止の一部解除の申立てを行うことが一般的です。

【弁護活動】

裁判所に対し、①事情を知らなかったAさんには窃盗の故意がなく、Aさんによる証拠隠滅のおそれはないこと、②Aさんのご両親は事件と一切関係なく、接見を認めても支障がないこと、③ご両親と面会する必要性が高いこと、などのため、ご両親との接見禁止を解除するように主張しました。
その結果、ご両親に対して接見禁止等一部解除決定がなされ、Aさんはご両親と面会することが出来ました。
また、弁護士が検察官に対し、Aさんは搬出した工具がBさんのものであると信じていたことから、窃盗の故意や共謀は認められないこと、被害会社との示談が成立しているなどの旨を主張した結果、Aさんは不起訴処分となりました。

【まとめ】

今回の事例のような共犯者がいる事件では、勾留時に接見禁止がつくケースが多いです。
しかし、事件に関係のない家族(配偶者、両親、子供など)に対しては、面会の必要性を裁判所に適切に主張していくことにより、接見禁止の解除が認められやすくなります。
また、ご本人様の行ったことが犯罪にはあたらない、その他、被害者様と示談が成立している、再犯防止の環境が整っている、本人も反省している、などを検察庁に適切に主張していくことにより、不起訴処分を獲得する可能性が高まります。

接見禁止一部解除や不起訴処分を得るための、裁判所や検察庁への主張・申立ては、法律の専門家で刑事事件に強い弁護士に任せるのがよいでしょう。
家族だけでも接見禁止を解除したい、不起訴処分を受けたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

【解決事例】岐阜県各務原市の盗撮事件

2022-06-22

【解決事例】岐阜県各務原市の盗撮事件

事件概要

会社員のAさん(40代男性)は、岐阜県各務原市で一人暮らしをしています。
Aさんは、駅周辺にて盗撮をしたことについて、岐阜県各務原市を管轄する各務原警察署の警察官から捜査を受けていました。
再度取調べを行うと警察官から言われており、今後どうしたらいいか分からなかったAさんは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部に相談されました。
(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)

弁護活動

今回の事件は、Aさんが駅周辺で盗撮をしてしまったという事件です。
盗撮は各県で定められている条例で定められている違法行為です。
岐阜県では、岐阜県迷惑行為等防止条例と呼ばれています。

今回の事件のような、逮捕されていない状態であり、起訴されていない事件であったため、不起訴を得ることを目指していくことになりました。
弁護士が行ったのは、示談交渉です。
被害者の方と弁護士が連絡を取り、Aさんの謝罪の意思や被害弁償をさせて頂きたい旨を伝えます。
交渉の中で、具体的な被害弁償の金額やAさんを許していただけないか、被害者の方と今後接触しない、盗撮に関するデータはすべて削除する等示談の内容について決めていくことになります。
その結果、被害者の方と示談を締結することができ、被害者の方からお許しを頂くことができました。
示談がまとまった事を検察官に報告するとともに、弁護士からAさん反省の意思やAさんの両親が監督する旨を約束していることを意見書で提出しました。
よってAさんは、不起訴処分を獲得することができました。

まとめ

今回の事件では、逮捕されていない在宅事件であり、被害者の方がいる事件であったため示談交渉が主な活動となりました。
示談交渉では、被害者の方と弁護士が交渉していくこととなり、弁護士は慎重に交渉していく必要があります。
また、被害者の方からお許しを頂くことができれば、Aさんの不起訴処分を得られる可能性が高くなるため、お許しを頂けないか交渉を進めていきました。

今回の事件では上記のような示談交渉となりましたが、示談交渉は、事件の内容によって異なるため、弁護士の示談に対する経験が重要になっていきます。
そのため、示談交渉をしたい方は刑事事件や示談の経験が豊富な弁護士にご依頼されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、盗撮事件の刑事事件、示談交渉を多く経験した弁護士が在籍しております。
土日祝日も対応を行っておりますので、盗撮事件で示談、不起訴処分を獲得したいと考えている方はフリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

 

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