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少年事件における身柄解放活動

2021-08-12

少年事件における身柄解放活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県可児市に住む高校1年生のAくんは、塾の帰り道に、帰宅途中の女性の背後から臀部を触って、その場を自転車で逃亡するといった行為を2~3回していました。
ある日、岐阜県可児警察署の警察官がAくん宅を訪れ、Aくんを強制わいせつの容疑で逮捕しました。
Aくんの両親は慌てて少年事件専門弁護士に連絡を入れました。
(フィクションです)

少年事件手続の流れ

少年事件の審判の対象となる少年は、20歳に満たない者です。
審判の対象となる少年は、次の3つに分類されます。

①犯罪少年:14歳以上20歳未満の少年で、罪を犯した少年。
②触法少年:14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年。
③ぐ犯少年:ぐ犯事由があって、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年。

②の触法少年は、14歳未満であるため、刑事責任に問うことができず、刑罰法令に触れる行為をしたとしても犯罪は成立しません。
そのため、捜査機関は触法少年を逮捕することはできません。

他方、14歳以上の少年が罪を犯したと疑される場合は、成人の場合と同様に逮捕されることがあります。
捜査段階での手続は、成人の刑事手続とほとんど同じです。
逮捕後、勾留される可能性があります。
勾留が決定すると、身体拘束が10日間、延長が決定した場合には最大で20日間となります。
ただ、少年の場合、検察官は「勾留に代わる観護措置」を請求することができ、裁判官は「勾留に代わる観護措置」をとることができます。
勾留に代わる観護措置がとられると、勾留場所は警察署の留置施設ではなく、少年鑑別所となります。
また、勾留に代わる観護措置の期間は10日間であり、延長は認められません。

捜査機関は、少年の被疑事件について捜査を行った結果、犯罪の嫌疑がある場合、又は嫌疑がない場合であっても、少年を審判に付すべき事由があれば、すべての事件を家庭裁判所に送致します。

事件の送致を受けた家庭裁判所は、調査官に少年の要保護性に関する調査を命じ、調査結果を踏まえて、少年の処遇を決定します。
審判では、終局処分として、不処分、保護処分、検察官送致にいずれかがなされることがほとんどです。
家庭裁判所は、事件が係属している間、いつでも「観護措置」をとることができます。
観護措置とは、家庭裁判所が調査、審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置のことです。
観護措置がとられると、少年の身柄は少年鑑別所に移り、約1か月の間少年鑑別所に収容されることになります。

身柄解放活動

上でみたように、少年であっても捜査段階及び家庭裁判所送致後に身柄が拘束される可能性があります。
長期の身体拘束により、かえって少年の更生を阻害し得ない場合もありますので、早期の身柄解放活動が重要です。

(1)捜査段階

少年が逮捕された場合には、勾留が決定する前に、検察官に対して勾留請求しないよう意見書の提出などを通して申立てを行います。
また、検察官が勾留請求を行った場合には、裁判官に対して勾留を決定しないよう、勾留の要件を満たしていない旨を客観的証拠を付して主張します。
裁判官が勾留を決定した後では、その決定に対する不服申立てを行い、勾留決定をした裁判官とは別の裁判官らによる判断を仰ぎます。
この段階で勾留を阻止することができれば、早期に学校・職場に復帰することができます。

(2)家庭裁判所送致後

事件が家庭裁判所に送致された後、家庭裁判所はいつでも観護措置をとることができます。
観護措置の期間は1か月と長く、その間学校や職場に行くことができないとなれば、復帰後の生活にも大きく影響するおそれがあります。
そこで、事件が家庭裁判所に送致されたタイミングを見計らい、観護措置をとらないよう意見書の提出や裁判官との面談を通じて働きかけます。
観護措置は、捜査段階で身体拘束を受けていないケースでもとられることがありますので、送致後に観護措置がとられることのないよう事前に準備しておく必要があるでしょう。

このような活動は、少年事件に精通した弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けております。

前科回避に動く弁護士

2021-08-09

前科回避に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
公務員のAさんは、盗撮の容疑で岐阜県中津川警察署に逮捕されました。
Aさんは、翌日釈放されましたが、勤め先に事件が知られてしまうことを心配しています。
刑事事件に強い弁護士へ相談することにしたAさんは、前科が付くことを回避するためにはどうすればいいかについて、弁護士に尋ねました。
(フィクションです)

前科とは

前科」について法律上の定義はありませんが、一般的には、過去に刑事裁判で有罪判決を受け、刑の言渡しを受けたという経歴のことを指します。
実刑のみならず、執行猶予付き判決や、略式命令による罰金も前科に含まれます。

前科」と似た用語に「前歴」というものがありますが、「前歴」とは、捜査機関によって被疑者として捜査の対象となった事実のことです。

前科」は、検察庁が作成・管理している前科調書に記載されます。
検察庁が、有罪の確定裁判を受けた者の犯歴事項等を登録して把握するのは、もっぱら検察事務及び裁判事務の適正な運営のためです。
例えば、検察官が、不起訴の処分や求刑等の情状資料として前科の有無を確認します。
前科があれば、初犯とはみなされず、起訴・不起訴の判断に影響を与えたり、最終的に言い渡される刑罰にも大きな影響を及ぼすことになります。

各市区町村は、犯罪人名簿の保管・管理を行っています。
市区町村は、選挙人名簿を調製するために犯罪人名簿の管理を行っています。
犯罪人名簿に記載されるのは、「道路交通法などの違反による裁判以外で、罰金以上の刑に処せられた者」及び「道路交通法などの違反による裁判で、禁固以上の刑に処せられた者」です。
刑の言渡しの効力の消滅に合わせて、市区町村の犯罪人名簿から前科の記載が削除されます。

その他、前科が付くことによる影響は、特定の職業や地位に就いたり、特定の営業活動等を行おうとする場合に、法律が前科の存在を理由としてこれらの資格に付くことを制限する、という点にもあります。
例えば、国家公務員及び地方公務員について、執行猶予付き判決を含めた禁固以上の刑に処せられた者は、刑の執行を終わり又はその執行を受けることがなくなるまで公務員となる資格をもつことができず、在職中にこれらの刑の言渡しを受けた者は、自動的にその地位を失うことになります。

前科を回避するためには

前科が付くことを避けるためには、有罪判決を受けること、ひいては、起訴されないということが重要です。

起訴・不起訴の判断は、検察官が行います。
起訴しない処分(不起訴処分)となれば、裁判を受けることはありませんので、有罪判決が言い渡されることもありません。

不起訴処分には、その理由によって、「罪とならず」、「嫌疑なし」、「嫌疑不十分」、「起訴猶予」などに分けられますが、不起訴処分の多くが「起訴猶予」によるものです。
起訴猶予は、犯罪を起こしたことが事実であり、それを立証するだけの十分な証拠もあるが、被疑者の性格、年齢、境遇、犯罪の軽重、情状、示談の有無によって、公訴を提起するまでもない場合になされます。

告訴がなされなければ公訴を提起することができない親告罪の場合には、被害者との示談が成立することによって、不起訴処分となります。
親告罪でない場合でも、被害者との示談が成立していることが考慮され、不起訴となる可能性を高めることができます。

以上より、前科回避するためには、被害者がいる事件については、被害者との示談を成立させ、不起訴で事件を終結させるよう動く必要があります。

被害者との示談交渉は、当事者間ではなく、弁護士を介して行うのがよいでしょう。
当事者間では、感情論的になり、交渉が難航することが多いからです。
弁護士であれば、被害者の気持ちに配慮しつつ、法律のプロとして、示談におけるメリット・デメリットを丁寧に説明した上で、当事者の双方が納得することができる内容での示談を締結することが期待できます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
弊所の弁護士は、これまでも数多くの示談交渉を行ってきており、その豊富な経験やノウハウを活かし、示談締結に向けた活動を行います。

無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

傷害事件で不起訴を獲得

2021-08-05

傷害事件で不起訴を獲得するための活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
会社員のAさんは、会社の部下に対して、顔面を複数回殴る等し、加療約2週間を要する顔面打撲の傷害を負わせたとして、岐阜県山県警察署傷害の容疑で逮捕されました。
Aさんは容疑を認めており、被害者に対して謝罪と被害弁償をしたいと考えています。
逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、すぐに対応してくれる弁護士を探しています。
(フィクションです)

不起訴とは

捜査機関による捜査が開始され、一応の目途がつくと、捜査は終結します。
警察における処理と、検察官における処理とがあります。

警察は、犯罪の捜査をしたときは、書類および証拠物とともに事件を検察官に送致します。
原則として、すべての事件が検察官のもとに送られ、検察官が事件を処理することになります。
検察官による処理には、終結的な処理である終局処分と、終局処分にむけられて処理を保留したり、別の検察官に処理を委ねる中間処分とがあります。
終局処分には、起訴処分、不起訴処分、家庭裁判所送致とがあります。

起訴処分とは、公訴提起のことで、不起訴処分とは、公訴を提起しない処分のことです。
このように、検察官は、起訴・不起訴などの事件処理をする権限を有しています。
検察官が公訴を提起しなければ、裁判所は審理をすることはできません。
そのため、公訴が提起されなければ、有罪となることもありません。
つまり、不起訴となれば、前科が付くこともありません。

不起訴処分には、その理由によって、主に、次の種類があります。

①罪とならず

被疑者に責任能力がない、被疑事実が構成要件に該当しない、違法性阻却事由に該当するなど、罪とならない場合。

②嫌疑なし

犯罪を認定する証拠がない場合や、人違いであった場合。

③嫌疑不十分

嫌疑はあるものの、犯罪を立証するには証拠が不十分である場合。

④起訴猶予

犯罪を起こしたことが事実であり、それを立証するだけの十分な証拠もあるが、被疑者の性格、年齢、境遇、犯罪の軽重、情状、示談の有無によって、公訴を提起するまでもない場合。

不起訴処分となる事件の多くが、④の起訴猶予によるものです。
そのため、容疑を認めている場合には、起訴猶予による不起訴処分獲得を目指すことになります。

傷害事件で不起訴を獲得するためには

傷害事件では、傷害を負った被害者が存在します。
被害者がいる事件における重要な弁護活動のひとつに、被害者との示談交渉があります。

先述したように、被害者との示談が成立しているか否かといった点は、検察官が起訴・不起訴を決める際に考慮される要素のひとつです。
被害者との示談が成立している場合には、不起訴処分となる可能性は高いと言えるでしょう。

被害者との示談、つまり、今回の事件は当事者間で解決したとする合意を成立させることは、加害者・被害者の当事者間で行うことも不可能ではありません。
しかし、罪証隠滅の観点から、捜査機関が加害者側に被害者の連絡先を教えない場合や、損害を被った被害者が加害者との接触を嫌がる場合も珍しくなく、被害者と連絡をとることすらできない場合もあります。
例え、被害者と連絡がとれたとしても、やったやってないの水掛け論になり、交渉が難航することも多く、当事者間での交渉はあまりお勧めできません。

通常、被害者との示談交渉は、弁護士を介して行います。
弁護士であれば、捜査機関を通じて被害者の連絡先を教えてもよいと言われる被害者も多く、被害者とのコンタクトに成功する場合も多くあります。
また、弁護士は、被害者の気持ちに寄り添いつつ、法律の専門家として、示談のメリット・デメリットを丁寧に説明した上で、当事者両方が納得することの出来る内容での合意に向けて粘り強く交渉を行います。

傷害事件を起こし、被害者との示談交渉にお悩みであれば、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

DV事件で逮捕されたら

2021-08-02

DV事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県関市のマンションで交際相手のVさんと半同棲生活を送っていたAさんですが、生活費のことで喧嘩をすることが増えていました。
ある日、また生活費のことで口論になり、VさんがAさんに向かって部屋にあった物を投げつけてきたため、カッとなったAさんは拳で数回Vさんの身体を殴りました。
Aさんは、そのまま部屋を出てました。
しばらくしてAさんがマンションに戻ると、岐阜県関警察署の警察官が部屋に来ており、Aさんは、Vさんへの傷害容疑で逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、事件の詳細が分からず心配になり、刑事事件に強い弁護士に相談の連絡を入れました。
(フィクションです)

DVで刑事事件に

ドメスティック・バイオレンス(以下、DVといいます。)は、家庭内での暴力を意味し、夫婦間の暴力行為、子供や高齢者に対する虐待など家庭内での様々な暴力行為が含まれます。
ここでは、夫婦間や交際相手間での暴力行為に焦点を当てて説明します。

DVには、様々な形態の暴力があり、身体的暴力から、精神的暴力、性的暴力、経済的暴力などがあります。
DVに関連する法律として、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」(以下、DV防止法といいます。)があります。
DV防止法は、家庭内の暴力行為全般を対象とするものではなく、夫婦間の暴力行為に限定されています。
夫婦間の暴力とは、配偶者からの身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に対する暴力又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動に加え、これらの行為後に離婚したにもかかわらず、引き続きなされる元配偶者による同様の行為をいいます。
ここでいう配偶者には、婚姻届を提出した法律上の配偶者に限られず、事実上婚姻関係と同様にある内縁関係も含まれます。
このように、DV防止法は、法律上の婚姻関係又は内縁関係にある夫婦間の暴力行為、あるいは、それらの関係が解消されたあとになされる元夫婦間の暴力行為を対象としています。
DV防止法は、保護命令に違反した者に対する罰則は設けているものの、DV行為について罰則を科すものではありません。

そのため、DVの内容によって、暴行罪、傷害罪、強要罪、強制わいせつ罪、強制性交等罪、ストーカー規制法違反などといった犯罪が成立する可能性はあり、刑事事件として処置される場合があります。

DV事件で逮捕されたら

DVを受けた側からの相談を受けて、警察が捜査を開始するケースが多く見受けられます。
被害者からの被害届を受理した警察は、捜査を始めます。
DV事件においては、被害者と加害者の関係性から、加害者が被害者に接触し、被害届の取下げを要求したり、証言を変えるよう強要するおそれがあると認められる傾向があり、警察が被疑者を逮捕する可能性は高いでしょう。
また、同様の理由から、逮捕に引き続き勾留に付される可能性も高くなっています。
つまり、DV事件での身体拘束の可能性は、一般的に高いのです。

しかし、勾留となれば、逮捕から約13日もの間留置施設での身体拘束を強いられることになり、勾留延長が認められれば最大で23日間となります。
その間は、職場や学校に行くことはできませんので、事件が職場や学校に知られ、懲戒解雇や退学となるおそれが生じます。
そのような事態を回避するためにも、一刻も早く釈放されることが望まれますが、先述のように、一般的にはDV事件は身体拘束の可能性が高いため、何もせずに釈放されることは稀です。

それでは、早期に釈放されるためにはどのように対応すればよいのでしょうか。

DV事件のように被害者がいる事件では、被害者との示談を成立させることが、事件の早期解決、そして早期釈放に大きく影響する重要なポイントとなります。
ここで注意しなければならないのが、被害者との示談交渉です。
加害者が逮捕・勾留されている状態では、加害者本人が交渉することは事実上不可能です。
また、加害者が身体拘束を受けていない場合であっても、加害者が直接被害者と示談交渉する、もしくは加害者の家族が被害者と交渉することはお勧めできません。
当事者同士や家族との交渉は、感情論的になりやすくうまくまとまらないことが多いからです。
被害者との示談交渉は、弁護士に任せるのが一般的となっています。
弁護士は、事件の性質、被害状況や被害者の感情を考慮しつつ、示談をすることのメリット・デメリットを丁寧に説明し、適切な示談金額を設定した上で、当事者間で納得のいく内容での示談成立を目指します。

被害者との示談が成立すれば、不起訴処分となる可能性を高めることにもなり、事件終了となれば即釈放となるでしょう。

このような示談交渉は、刑事事件に強い弁護士、示談交渉に豊富な経験を有する弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件を起こしてお困りの方は、今すぐ弊所の刑事事件専門弁護士にご相談ください。

無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

観護措置の回避

2021-07-29

観護措置回避に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県岐阜市に住む中学生のAくんは、Bくんと一緒になって、他校の学生2名に対して暴行を加え全治2週間のけがを負わせたとして、岐阜県岐阜羽島警察署に傷害の容疑で逮捕されました。
逮捕後に勾留となったAくんは、来月に迫る高校入学試験を受けることができるのか心配です。
Aくんの両親も、どうにか試験だけは受けさせてやりたいと思い、少年事件に精通する弁護士に今後の流れや釈放の可能性について聞いています。
(フィクションです。)

観護措置とは

捜査機関は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、嫌疑があると考える場合や、嫌疑があるとは言えないが、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると考える場合には、事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。
成人の被疑事件において、検察官は、例え被疑者が有罪であることを立証するだけの証拠を所持している場合であっても、被害者への被害弁償や示談が成立しているなどといった様々な事情を考慮して、起訴しないとする決定を行うことがありますが、少年の場合においては、原則としてすべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。

捜査機関から送致された事件を受理すると、家庭裁判所は、調査官による調査を行った上で、審判を開くかどうかを決定します。
ただ、捜査段階で逮捕・勾留されている少年の場合には、少年が家庭裁判所に送致された日に、調査官に調査命令を出すと同時に審判の開始決定を行います。

家庭裁判所は、事件が係属している間いつでも「観護措置」をとることができます。
観護措置とは、家庭裁判所が調査、審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置のことをいいます。
この観護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する在宅観護と、少年鑑別所に送致する収容観護とがありますが、実務上はほとんど後者がとられています。
観護措置の期間は、法律上は原則2週間で、更新の必要がある場合1回に限り認められるとされていますが、実際には、ほとんどの事件で更新がなされており、観護措置の期間は4週間で運営されています。

観護措置の回避に向けて

観護措置がとられれば、4週間もの間、少年鑑別所に収容されることになります。
観護措置により、落ち着いて事件や自身が抱える問題に向かい合えるというメリットもある一方で、4週間の収容により、学校や会社に行くことがでないために退学や懲戒解雇の可能性が生じるというデメリットもあります。
長期間の収容により、結果として少年の後の更生に多大なる不利益を生じさせることにもなりかねませんので、そのような可能性がある場合には、観護措置の回避に向けて動く必要があります。

観護措置の手続がとれらる流れとしては、捜査段階から身体拘束を受けているケースについてですが、少年は、送致日の朝、家庭裁判所に記録と共に送致されます。
そして、家庭裁判所に到着すると、裁判官の審問を受け、観護措置が取られるかどうかが決定されます。
観護措置の決定は、送致された日に行われるため、弁護士は、その決定がなされるまでに裁判官との面談や意見書の提出により、少年について観護措置をとる必要はないことを主張していくことになります。
観護措置をとらないように意見する際には、観護措置の要件を満たさないことを客観的な証拠に基づいて立証する必要があります。

観護措置の要件は、次の4つがあげられます。
①審判条件があること。
②少年が非行を犯したことを疑うに足りる事情があること。
③審判を行う蓋然性があること。
観護措置の必要性が認められること。

④の観護措置の必要性については、具体的には、調査、審判および決定の執行を円滑、確実に行うために少年の身体を確保する必要があること、緊急的に少年の保護が必要であること、そして、少年を収容して心身鑑別をする必要があること、のいずれかの事由がある場合に認められるとされています。

実務上では、④観護措置の必要性、特に、少年を収容して心身鑑別をする必要があるか否かが問題となることが多いです。
そのため、家庭裁判所に送致された時には、裁判官に、少年を収容して心身鑑別をする必要がないと認めてもらえるよう、捜査段階から少年の反省を深め、家族や学校、職場、交友関係など少年の周囲の環境を調整し、少年の更生に適した環境が既に整っているようにしておく必要があります。
また、必要性がないだけでなく、観護措置を避けるべき事情がある場合には、その点についても裁判官に伝え、理解してもらう必要があります。

このような活動は、少年事件に精通した弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こして対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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則竹弁護士が取材を受けコメントが東京新聞に掲載されました

2021-07-29

密漁について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の代表弁護士則竹理宇が取材を受け、コメントが7月15日発行の東京新聞に掲載されました。

潮干狩り感覚の密漁で摘発されるケースが多発

これからの季節、海でのレジャーに出かける方も多いかと思いますが、海に生息する魚介類をむやみに採って持ち帰ると「密漁」となり、漁業法や、各都道府県が定める漁業調整規則に違反する可能性があるので注意が必要です。
中には、潮干狩り感覚で罪の意識がないままに禁止場所で貝類を採ってしまい、密漁として摘発を受けている方もいるようなので十分にお気をつけください。
また実際に各地でこういった事件の摘発が多発しており、海上保安庁等に検挙されると、管轄の検察庁に書類送検されて、刑事罰が科せられる可能性もあります
新聞記事には、こういった「密漁」に関して、漁業協同組合への取材内容や、専門家の意見を掲載し注意を呼び掛けています。

則竹弁護士のコメント

こういった密漁事件に巻き込まれないためにどうすればいいのかについて、則竹弁護士は「管轄の漁協に確認を取ってもらうのが確実だが、それが難しければ、人がいない場所では特に採取や立ち入りを禁止した看板などがないかチェックする。潮干狩り場以外では採ることを避けるのが賢明だ。」とコメントしています。

東京新聞(7月15日発行)の記事

駅員への暴行で逮捕

2021-07-26

駅員への暴行逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県大垣市の駅で泥酔してベンチで寝ていた会社員のAさんは、声を掛けた駅員に対して暴行を加えたとして、岐阜県大垣警察署に暴行の容疑で逮捕されました。
Aさんは、酔っていて事件当時のことを覚えていません。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、会社に事件のことが知られる前に釈放してほしいと思い、すぐに対応してくれる刑事事件専門弁護士に相談の連絡を入れました。
(フィクションです。)

駅員への暴行

国土交通省によると、令和元年における鉄道係員に対する暴力行為の発生件数は全国で611件と、5年連続で減少しているものの依然として高止まりしている状況だそうです。
そして、半数以上の加害者が飲酒有りの状態で犯行に及んだということです。
上の事例でも、Aさんは酒に酔った状態であり、駅員に対して突然暴行を加えたため、通報を受けて駆け付けた警察官に暴行の容疑で逮捕されています。

Aさんの暴力行為については、「暴行罪」が適用されています。

暴行罪は、刑法第208条に次のように規定されています。

暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

■犯行の対象■
暴行罪の犯行の対象は、「人」です。
行為者本人を除く「身体」を有する自然人を指します。

■行為■
暴行罪の実行行為は、「暴行」を加えることです。
ここでいう「暴行」とは、人の身体に対し、有形力を行使することをいいます。
例えば、殴る、蹴る、押す、突く、投げ飛ばすといった身体への接触を伴う物理力を行使する場合が典型例です。
暴行罪における「暴行」は、必ずしも傷害の結果を惹起すべきものであることを要しません。
また、暴行は、人の身体に向けられたものであれば足り、必ずしも人の身体に直接接触することを要しません。
例えば、通行人の数歩手前を狙って石を投げつける行為、人の乗っている自動車に石を投げつけて命中させ、ガラスを破損させる行為、狭い四畳半の室内で日本刀の抜き身を振り回す行為、自動車の幅寄せ行為について、「暴行」が認められています。
さらに、音響、光、電気、熱などのエネルギー作用も有形力の行使に含まれます。
人の近辺で太鼓などを連打し、意識朦朧とした気分を与え、脳貧血を起こさせたりする程度に至った場合や、携帯用拡張期を使用して耳元で大声を発する行為も「暴行」に当たるとされています。

■故意■
暴行罪は故意犯ですので、罪を犯す意思がなければ罪は成立しません。
暴行罪の故意は、人の身体に対し有形力を行使することの認識・認容です。

「傷害するに至らなかったときは」とあり、暴行を加えた結果、人を負傷させてしまった場合には、暴行罪ではなく、傷害罪に問われることになります。

酔っぱらって駅員に暴力を振るったようなケースでは、被疑者が事件について記憶がない、あるいは曖昧である場合が少なくありません。
記憶がないから罪は成立しない、という訳ではありません。
駅には防犯カメラが設置してありますので、防犯カメラに事件の一部始終が記録されており、その映像により暴行の事実が客観的に立証されていることがほとんどです。

他方、防犯カメラの映像に事件当時の様子が収められており、物証が捜査機関に提出されている場合には、その後に被疑者が証拠を隠滅しようとしても不可能であるため、罪証隠滅のおそれがないと判断され、逮捕後に釈放される可能性はあります。
上の事例のように、駅員への暴行で逮捕されたケースであっても、早期に弁護士に相談・依頼し、勾留の要件を充たしていないことを客観的な証拠に基づいて検察官や裁判官に主張し、勾留をしないよう働きかけることにより、釈放の可能性を高めることが重要です。

また、被害者である駅員や事件対応に追われ通常業務に支障をきたしてしまった鉄道会社に対して謝罪や被害弁償、示談を成立することができれば、不起訴となる可能性もありますので、早期に弁護士に相談し、対応することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件・少年事件で逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

強制わいせつ事件で不起訴

2021-07-22

強制わいせつ事件で不起訴を目指す活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県内に住むBさんは、「強制わいせつ事件の容疑者として息子さんを本日逮捕しました。」との連絡を岐阜県加茂警察署から連絡を受けました。
警察からは事件について詳しいことを教えてもらえなかったため、Bさんはどう対応すればよいか分からず、ネットで刑事事件専門弁護士を探し出し、相談の電話を入れました。
Bさんは、どうにか不起訴にならないかと弁護士に相談しています。
(フィクションです。)

強制わいせつ罪とは

強制わいせつ罪は、刑法第176条において、次のように規定されています。

13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

■客体■

強制わいせつ罪の客体は、男女問わず「者」です。

■行為■

強制わいせつ罪の行為は、①13歳以上の者に対して、暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をすること、または、②13歳未満の者に対して、わいせつな行為をすること、です。

①暴行・脅迫
強制わいせつ罪が成立するためには、相手方が13歳以上の場合には、暴行・脅迫を用いてわいせつな行為を行うことが必要となります。
ここでいう「暴行・脅迫」は、被害者の反抗を著しく困難にする程度のものであることが必要です。
暴行については、殴打や体を押さえつけることのほか、衣服を引き剥ぎ、裸の写真を撮る行為などがあり、暴行そのものがわいせつ行為である場合でもよいとされています。

②わいせつ行為
被害者に対して行われる「わいせつ行為」とは、いたずらに性欲を興奮または刺激さしめ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為であるとされています。
具体的には、指を陰部に挿入する行為、被害者の意思に反して乳房や尻などに触れる行為、無理やりキスする行為、少年の肛門に異物を挿入する行為などが過去の裁判でわいせつな行為として認められています。
通常迷惑防止条例違反に当たるような痴漢行為も、下着の中に手を入れて身体に触るなどの行為をした場合には強制わいせつ罪に当たる可能性もあります。

■主観的要件■

強制わいせつ罪は故意犯ですので、罪を犯す意思がなければなりません。
強制わいせつ罪の故意は、①13歳以上の者に対して、暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をすること、または、②13歳未満の者に対して、わいせつな行為をすること、についての認識です。
被害者の年齢の認識については、①については、被害者が13歳以上であることの認識は不要とされますが、②については、13歳未満であることの認識が必要とされます。
そのため、13歳以上であると誤信して同意を得てわいせつな行為を行った場合は、事実の錯誤として故意を阻却し、犯罪は成立しません。

強制わいせつ事件で不起訴を目指す

刑事事件について捜査が終了したときに、被疑者を起訴するかどうかを決めるのは検察官です。
検察官は、裁判で有罪を立証するために十分な証拠が揃っていたとしても、犯行態様、犯行動機、犯行の結果などの犯罪自体に関する情状(これを「犯情」といいます。)、および、被疑者の年齢・性格・境遇、被疑者の反省の有無、被害弁償・示談の有無、前科前歴の有無などといった犯情以外の情状(「一般情状」といいます。)を考慮して、今回の事件については起訴しないとする決定をすることがあります。
強制わいせつ罪は、被害者等の告訴がなければ起訴することができない親告罪と呼ばれる犯罪ではないので、理論上、被害者との示談が成立したからといって検察官が起訴することはあります。
しかしながら、被害者との間で示談が成立しており、被害者の許しが得られている場合には、検察官が起訴猶予で不起訴とする可能性は高いでしょう。
そのため、強制わいせつ事件においては、早期に被害者と示談交渉を開始し、示談を成立させることによって不起訴で事件を終了させることを目指すことになります。

通常、示談交渉は弁護士を介して行います。
被害者との接触を防ぐために、捜査機関は被疑者やその家族に被害者の連絡先を教えることはありませんし、被害者の多くは被疑者らと直接連絡をとることを拒むため、被害者やその家族が直接被害者と示談交渉することは容易ではありません。
その点、弁護士であれば、捜査機関を通じて、弁護士限りでの話し合いという形で、被害者から連絡先を教えてもらえることが多く、示談交渉を円滑に行うことが期待できます。

示談が成立し、不起訴となれば、前科が付くことを回避することができます。
強制わいせつ事件でご家族が逮捕されて対応にお困りであれば、早期に刑事事件に精通する弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

住居侵入で逮捕

2021-07-19

住居侵入逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県瑞浪市の住宅に、正当な理由なく侵入したとして、岐阜県多治見警察署は、Aさんを住居侵入の容疑で逮捕しました。
「家に知らない人がいる。」との通報を受けた同警察署の警察官が現場に駆け付け、家内に居たところを現行犯逮捕したということです。
翌日、県外に住むAさんの両親のもとに警察から逮捕の連絡がいきました。
事件を知った両親はすぐに対応してくれる弁護士を探しています。
(フィクションです。)

住居侵入とは

刑法第130条 
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

この条文の前段は「住居侵入罪」について、後段は「不退去罪」について規定しています。

■客体■

住居侵入の客体は、「人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船」です。
「人の住居」について、「人の」とあるように、犯人自身がその住居において単独で、あるいは、他の者と共同で生活を営んでいるものではない住居を指します。
共同生活を営んでいた者であっても、それから離脱した場合には、当該住居は「人の」住居となります。
そのため、家出中の子供が父の家に強盗の目的で深夜に侵入する行為は、「人の住居」への侵入と言え、住居侵入罪を構成することになります。(最判昭23・11・25)
「住居」とは、人の起臥寝食に使用される場所のことをいいます。

また、「人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船」について、「人の看守する」というのは、人が事実上管理、支配していることを意味します。
「邸宅」は、人の住居の用に供せられる家屋に附属し、主として住居者の利用に供されるために区画された場所のことで、「建造物」とは、住居や邸宅以外の建造物およびこれに附属する囲繞地のことをいいます。
「艦船」は、軍艦その他の船舶のことです。

■行為■

住居侵入の実行行為は、「正当な理由なく侵入する」ことです。
ここでいう「侵入」とは、居住者や看守者の意思に反して立ち入ることをいいます。
「正当な理由がないのに」というのは、「違法に」という意味であり、正当な理由のある侵入とは、法令により捜索等のため居住者・看守者の意思に反して立ち入る場合のようなことを言うのであって、居住者等の意思に反した侵入を正当視するためには極めて強い理由があることが求められます。
他方、居住者等の同意がある場合は、住居侵入は成立しません。
ただ、同意があっても、それが錯誤に基づく場合には、住居侵入の成立を妨げるものとはなりません。
また、不特定多数の人が出入りするような施設については、通常予想される目的の立ち入りである限りは、居住者等の包括的同意があると考えられ、住居侵入における「侵入」には当たりません。

 

住居侵入で逮捕された場合

住居侵入逮捕された場合、その後に勾留される可能性は高いでしょう。
犯罪の性質上、被害者の居住地等を把握しているため、釈放すれば、被疑者が被害者と接触し、被害届の取下げや供述を変えるよう迫るおそれがあると判断されるからです。
また、住居侵入は手段として行われることが多く、目的が窃盗や性犯罪などであると疑われ、被疑者の身柄を確保して捜査を継続することが必要だと考えらてしまうことも勾留となる可能性が高い一因です。
住居侵入逮捕されると、逮捕後に引き続き勾留となる可能性は高く、そうなれば、逮捕から約13日、勾留の延長が認められれば最大で約23日もの間身柄が拘束されることになります。
身柄拘束の期間が長引けば長引くほど、被疑者が通常の生活に戻る時期は遅れ、懲戒解雇や退学といった不利益を被るおそれは高まります。
ですので、できる限り早期に釈放となるよう動く必要があるのですが、住居侵入事件においては、被害者との示談を成立させることで事件を穏便に解決し早期に釈放となることを目指します。
被害者との示談交渉は、弁護士を介して行うのが一般的です。
罪証隠滅のおそれから、捜査機関が被疑者やその家族に被疑者の連絡先を教えることはないですし、被害者も被疑者から直接連絡を受けることに対して抵抗する傾向にありますので、当事者間での交渉は事実上難しいのです。
そのため、弁護士限りで被害者と連絡をとり、示談交渉を行います。
弁護士は、被害者の気持ちに配慮した上で、冷静な話し合いを行い、示談のメリット・デメリットを伝え、当事者間で納得のいく内容での示談締結を目指します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
所属弁護士は、数多くの刑事事件・少年事件を取り扱ってきており、被害者との示談交渉にも豊富な経験を有しています。
ご家族が住居侵入逮捕されて対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

刑事事件に強い私選弁護人を選任

2021-07-15

私選弁護人について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
岐阜県羽島郡笠松町の路上で、見知らぬ女性に対して痴漢をしたとして、会社員のAさんが岐阜県岐阜羽島警察署に逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、事件の詳しいことは分からず不安ですし、会社にも何日ほど休むことになるのかと心配です。
Aさんの妻は、すぐに身柄解放に動いてくれる弁護士を探すことにしました。
(フィクションです。)

弁護人の役割

すべての被疑者・被告人は、判決で有罪と認定されるまでは無罪と推定され、また適正な手続によらなければ刑罰に処せられないことは、刑事手続における大原則です。
被疑者・被告人の権利・利益を実質的に保障するために、弁護人選任権が定められています。
それは、被疑者・被告人は、刑罰権を行使する国家権力と比べると極めて弱い立場にあるため、彼らの権利・利益を保護する専門家が必要だからです。

弁護人は、その選任方法によって、2つに分類されます。

1.国選弁護人

貧困その他の事情により弁護人選任することができない場合に、国の費用で弁護料を支払い、弁護人を裁判所または裁判官が選任する制度を「国選弁護制度」といいます。
この制度により選任された弁護人を「国選弁護人」と呼びます。

(1)被疑者国選弁護制度

刑事事件の被疑者が、貧困等の理由で自ら弁護人選任することができない場合に、被疑者本人の請求または法律の規定により、裁判所、裁判長または裁判官が弁護人選任する制度が「被疑者国選弁護制度」です。

死刑または無期もしくは長期3年を超える懲役もしくは禁錮にあたる事件で、勾留状が発せられ、かつ弁護人がいない場合において、精神上の障害その他の事由により弁護人を必要とするかどうかを判断することが困難である疑いがある被疑者について、必要と認めるときに、裁判官が職権で国選弁護人を付すことができます。

被疑者の請求のよる場合は、被疑者段階で弁護料を支払う資力のない被疑者に対して、国の費用で弁護料を支払い、弁護人を付す制度です。

国選弁護人のメリットは、なんといっても弁護料を国が負担してくれる点です。
ただ、国選弁護人の選任は、裁判所または裁判官が選任するため、被疑者・被告人やその家族が自由に選ぶことはできません。
そのため、選任された弁護人は通常民事事件を取り扱っており、刑事事件には不慣れであったりする場合や、被疑者・被告人と相性が合わない場合が生じる可能性があります。
また、国選弁護制度の利用は、勾留状が発せられていることが要件となっているため、勾留が付いた後でしか国選弁護人を選任することができません。
そのため、勾留が付く前に、勾留が付かないようにする活動を国選弁護人にお願いすることはできないのです。

(2)被告人国選弁護人

被告人国選弁護制度も、被疑者国選弁護制度と同様に、被告人の請求による場合と職権による場合とがあります。

職権による場合には、被告人が未成年者、70歳以上、耳が聞こえない、口がきけない、心神喪失・心身耗弱の疑いがある、その他必要と認めるときに裁判所は職権で国選弁護人を選任するものと、①法定刑が死刑または無期もしくは長期3年を超える懲役もしくは禁錮にあたる事件、②公判前整理手続もしくは期日間調整手続に付された事件、③即決裁判手続による事件のような必要的弁護事件では、弁護人が在廷しなかったり、いないときには、裁判長は職権で国選弁護人を選任しなければならない場合とがあります。

被告人の請求による場合は、資力50万円を基準として、国が弁護料を負担して弁護人を付すものです。

2.私選弁護人

被疑者・被告人またはその家族などが依頼して選任する弁護人を「私選弁護人」といいます。
被疑者・被告人は、いつでも弁護人選任することができるため、私選弁護人であれば、勾留に付される前から選任することも可能です。
そのため、身体拘束される可能性が見込まれる場合には、私選弁護人は、逮捕される前に警察に働きかけて逮捕を回避したり、逮捕後には勾留が決定するまでに、検察官に勾留請求しないよう、また裁判官に対しては勾留を却下するよう求め、勾留を回避する活動を行うことができます。
また、被疑者・被告人らが自由に弁護人選任することができるため、刑事事件に強い弁護士や被告人・被疑者らと合う信頼できる弁護士を選ぶこともできます。

国選弁護人も私選弁護人も、被疑者・被告人の権利・利益を擁護する役割を担う点に違いはありません。
ただ、選任できるタイミングが違ったり、刑事事件に精通しているかどうかといった点で異なる場合もあります。
ご家族が刑事事件で逮捕されてしまい、対応にお困りの方、弁護人をお探しの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
まずはお気軽にお問い合わせください。

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