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嫌がらせ行為で迷惑防止条例違反
嫌がらせ行為で迷惑防止条例違反となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
岐阜県多治見市にある民家の庭に尿が入った瓶が投げ込まれるという事件が起きました。
1か月で3回も同じ被害に遭ったことから、住人のVさんは岐阜県多治見警察署に相談しに行きました。
付近の防犯カメラの映像から、Aさんの犯行であることが分かり、多治見警察署はAさんを迷惑防止条例違反(嫌がらせ行為)の容疑で逮捕しました。
Aさんは行為自体は認めていますが、「Vさんとは面識がなく、Vさんを狙ったわけではない。」と供述しています。
(フィクションです。)
嫌がらせ行為と迷惑防止条例
各都道府県で制定されている迷惑防止条例は、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等を防止し、もって住民生活の平穏を保持することを目的とするものです。
迷惑防止条例は、粗暴行為、ダフ屋行為、痴漢行為、ピンクビラ配布行為、押売行為、盗撮行為、のぞき行為、客引き行為などを禁止しています。
最近では、「嫌がらせ行為」も禁止行為として定めるところも増えています。
岐阜県も、迷惑防止条例第4条において次のように嫌がらせ行為を禁止しています。
何人も、正当な理由がないのに、特定の者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為(ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号。第5号において「法」という。)第2条第1項に規定するつきまとい等を除き、第1号から第4号まで及び第5号(電子メールの送信等に係る部分に限る。)に掲げる行為については、身体の安全、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)を執ように、又は反復して行つてはならない。
(1) つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居等の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。
(2) その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
(3) 面会その他の義務のないことを行うことを要求すること。
(4) 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
(5) 電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等(法第2条第2項に規定する電子メールの送信等をいう。)をすること。
(6) 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
(7) その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
(8) その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、その性的羞恥心を害する文書、図画、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この号において同じ。)に係る記録媒体その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し若しくはその知り得る状態に置くこと。
ストーカー規制法の「つきまとい等」と似ていますが、ストーカー規制法における「つきまとい等」は、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し」て行われる行為であるのに対して、迷惑防止条例における「嫌がらせ行為」は、そのような恋愛感情等を充足する目的で行われることを要件としていない点が大きな違いです。
Aさんは、Vさんと面識はなく、行為によって被害を被る被害者がVさんだと知らずに行っていました。
Aさんが相手方をVさんだと認識せずに行っていたとしても、特定の者に対して対象行為を繰り返し行っていたため、Aさんの行為は迷惑防止条例違反に当たることを阻害するものではありません。
迷惑防止条例違反(嫌がらせ行為)事件においては、被害を被った被害者がいます。
被害者がいる事件では、被害者への被害弁償や示談の有無が最終的な処分結果に大きく影響することになります。
迷惑防止条例違反は、親告罪ではないため、被害者との間で示談が成立したからといって必ずしも不起訴となるわけではありません。
しかし、被害者の許しが得られている場合には、不起訴(起訴猶予)で事件を処理する可能性を高めることになりますので、やはり被害者対応が重要であることに変わりはないでしょう。
迷惑防止条例違反(嫌がらせ行為)事件を起こしてしまった場合には、早期に弁護士に相談・依頼し、被害者への被害弁償や示談成立に向けた活動を行うことが事件の早期解決には欠かせません。
お困りの方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
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無理心中で殺人罪
無理心中で殺人罪となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
病気を患っている娘の育児と生活の不安から、幼い娘と共に岐阜県瑞穂市にある湖で入水自殺を図ろうと、娘を抱いたまま湖に入水したAさん。
たまたま現場付近にいた目撃者に救出されたことで、Aさんは一命を取り留めましたが、Aさんの娘は搬送先の病院で死亡が確認されました。
岐阜県北方警察署は、Aさんの体調の回復を待ち、Aさんを殺人の容疑で逮捕するとしています。
事件の連絡を受けたAさんの両親は、今後どのような流れになるのか全く分からず刑事事件専門の弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
無理心中
「心中」というのは、一般的に、2人ないし数人の親しい関係にある者たちが、合意の上で一緒に自ら命を絶つことをいいます。
これに対して、相手の合意なく無理やり行われる心中のことを「無理心中」といいます。
無理心中の典型例としては、恋愛のもつれから恋人を殺害して自殺する場合や、自分が自殺した場合に残された家族の生活を不憫に思い、家族を殺して自らも命を絶つ場合などがあります。
最近では、インターネットを通じて、自殺願望のある見ず知らずの人たちが集い、一緒に自殺するといったケースも度々見受けられるようになりました。
無理心中を行った者に対しては、通常、殺人罪が適用されます。
刑法第199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の有期懲役に処する。
■犯行の対象■
殺人罪の客体は、「人」です。
ここでいう「人」とは、出生から死亡までの生存する自然人のことを指します。
生命のある自然人であればよく、瀕死の病人、生育の見込みのない早産児、仮死状態で生まれた嬰児、失踪宣告を受けた者も対象となります。
そのため、仮に、A さんの娘が余命半年の状態であったとしても、行為時に生きているのであれば、殺人罪の犯行の対象となります。
■行為■
殺人罪の実行行為は、人を「殺す」ことです。
「殺す」とは、自然の死期に先立って他人の生命を断絶することで、その方法は問いません。
湖に入水し溺死させる場合も、人を「殺す」行為に当たります。
「殺す」行為には、作為だけでなく不作為も含まれます。
実行の着手は、行為者が殺意をもって他人の生命に対する現実的危険性のある行為を開始した時に認められ、実行行為により人を死亡させた時点で既遂となります。
殺人罪の成立には、殺人の実行行為と人の死亡との間に因果関係がなければなりません。
この因果関係については、実行行為がなければ人が死亡しなかったという条件関係があれば肯定できるものと理解されています。
■故意■
殺人罪が成立するためには、行為時に殺意がなければなりません。
殺意とは、人を殺す意思であって、これは確定的なものだけでなく、未必的でも条件付きでも構いません。
無理心中の場合は、相手方を殺して自分も死ぬこと(若しくは同時に死ぬこと)を意図して行為に及んでいるため、故意は認められるでしょう。
Aさんは一命を取り留めていますが、仮に、Aさんも死んでしまった場合は、どうなるのでしょうか。
Aさんが死んでしまった場合であっても、Aさんが無理心中の末に娘を死亡させたと疑うに足る相当な理由があると考えられる場合には、被疑者死亡のまま捜査が行われ、警察から検察へと事件が送られます。
そして、検察官は事件を起訴するか否かを決めるわけですが、被疑者が既に亡くなっているため裁判することはできませんので、被疑者死亡を理由として不起訴処分とします。
Aさんは生き残っているため、通常の刑事事件の手続に付され、Aさんの体調を考慮しつつ捜査は継続されます。
捜査の結果、Aさんを殺人罪で有罪にするだけの証拠がそろっている場合には、検察官はAさんを起訴します。
殺人は裁判員裁判対象事件ですので、起訴されれば、裁判員裁判となります。
罪を認める場合には、行為に至った経緯や背後にある問題、事件後の様子など、できるだけ刑が軽くなるような弁護をすることになります。
他方、無理心中のようなケースでは、被疑者・被告人が精神疾患を患っていた場合が少なくないため、犯行時の責任能力の有無について争われることがあります。
そのような場合には、被疑者・被告人の精神鑑定を行い、犯行時にどのような精神状態であり、病気がどの程度犯行に影響を及ぼしていたのかを検討していかなければなりません。
刑事事件への対応は、刑事事件に詳しい弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件・少年事件を起こしてしまい対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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リベンジポルノ防止法違反で逮捕
リベンジポルノ防止法違反で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
交際相手のVさんから別れを切り出されたAさんは、納得できず、Vさんに復縁できないかと連絡をとっていました。
しかし、Vさんからの応答がなかったため、Aさんは嫌がらせ目的で、Vさんの性的な画像をVさんの名前と学校名を記載しネット上に公表しました。
画像の存在を知人から聞いたVさんは、岐阜県加茂警察署に相談したことで事件が発覚しました。
加茂警察署は、Aさんをリベンジポルノ防止法違反で逮捕しました。
(フィクションです。)
リベンジポルノとは?
交際中にスマートフォンなどで撮影された性的な画像が元交際相手によってネット上で公表されるケースは少なくありません。
一度ネット上に公表されると、拡散され、被害者が長きにわたって精神的苦痛を被る事態に陥ってしまう傾向にあります。
そのため、「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」(以下、「リベンジポルノ防止法」といいます。)は、性的画像を本人の同意なく公表する行為の処罰、ネットに流出した画像を速やかに削除する方策の整備、被害者に対する支援体制の整備を柱として平成26年11月に施行されました。
リベンジポルノ防止法で規制の対象となる「私事性的画像記録」とは、以下の掲げるいずれかの類型に該当する人の姿態が撮影された画像であって、私事性の要件を充たす電磁的記録のことをいいます。
①性交または性交類似行為にかかる人の姿態。
②他人が人の性器等を触る行為または人が他人の性器等を触る行為にかかる人の姿態であって、性欲を興奮または刺激するもの。
③衣服の全部または一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位が露出されたまたは強調されているものであって、かつ、性欲を興奮させまたは刺激するもの。
また、「私事性的画像記録物」とは、私事性的画像記録が記録された記録媒体その他の有体物(写真やCD-ROM、USBメモリなど)のことをいいます。
(1)公表罪
第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を不特定または多数の者に対協する行為、そして、同様の方法で、私事性的画像記録物を不特定もしくは多数の者に提供し、または公然と陳列する行為について、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。
公表罪のうち、前者は、電子メールで送信する行為、後者は、写真をばらまく行為などが例として挙げられます。
(2)公表目的提供罪
公表させる目的で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を提供する行為については、1年以下の懲役または30万円以下の罰金に処される可能性があります。
例えば、SNS等によって拡散目的で特定少数者に提供する行為がこれに当たります。
リベンジポルノ防止法違反で逮捕された場合
リベンジポルノ防止法違反で逮捕された場合、逮捕後に勾留となる可能性は高いでしょう。
被害者が元交際相手であることから、被疑者が被害者の連絡先や居住地を知っているケースが多く、釈放すれば被害者との接触を試み、供述を変えるよう迫るなどするおそれがあると考えられるからです。
上の公表罪や公表目的提供罪は親告罪です。
親告罪というのは、被害者等の告訴権者が告訴をしなければ公訴を提起することができない罪のことです。
つまり、被害者が告訴しなければ起訴されることはなく、不起訴で事件が終了することになるのです。
ですので、リベンジポルノ防止法違反で逮捕された場合には、できる限り早期に被害者との示談交渉を開始し、示談を成立させることで事件を終了することを目指します。
ただ、加害者側が被害者と直接交渉することは容易ではありません。
加害者が身体拘束されている場合は、物理的に連絡をとることができませんし、被害者も被害を受けたことで加害者側と連絡をとることを拒むことが多いからです。
また、仮に当事者間で交渉を行ったとしても、感情論的になり交渉が難航することが考えられます。
そのため、通常は弁護士を介して交渉します。
弁護士であれば、捜査機関を通じて被害者の示談交渉に応じる意思の確認を行い、冷静に話し合いを行うことが期待できます。
また、弁護士は、事案に応じた誓約を入れるなど、被害者にも配慮した内容にしたり、示談金については相応の金額でまとめるなど、当事者両者が納得することができる示談内容になるよう努めます。
被害者との示談が成立し、告訴が取り下げられる、あるいは告訴をしない旨の約束ができれば、検察官は不起訴で事件を終了し、被疑者の身柄が拘束されている場合には、即日釈放となります。
リベンジポルノ防止法違反で逮捕された場合には、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件・少年事件を起こし逮捕されてお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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少年の傷害事件
少年の傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
岐阜県海津市に住むAくん(19歳)は、彼女との口喧嘩の末に揉みあいになりました。
カッとなったAくんは、彼女に対して拳で数発殴る暴行を加えてしまいました。
唇を切るなどし血を流していた彼女はそのまま部屋を出て行き、最寄りの岐阜県海津警察署に被害を訴え出ました。
現場に駆け付けた警察官は、Aくんの事情を聴き、そのまま傷害の疑いでAくんを逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAくんの母親は、被害者である彼女への対応と今後の流れについて心配になり、少年事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
少年の傷害事件
少年による傷害事件は、喧嘩の延長や共犯者らと暴行の末に相手方に怪我を負わせたもの、交際関係のもつれによるものが多く見受けられます。
相手方に暴行を加え怪我を負わせた場合、刑法の傷害罪が成立します。
傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
成人が傷害罪で起訴され有罪となれば、15年以下の懲役または50万円以下の罰金の範囲内で刑が科されることになります。
被害者の怪我の程度や犯行態様の如何が、最終的な処分に大きく影響します。
被疑者が少年の場合、原則、少年法が適用され、成人の刑事事件とは異なる手続がとられます。
少年が14歳以上の場合、捜査機関が捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合や、犯罪の嫌疑が認められない場合でも家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合には、捜査機関は、すべての事件を家庭裁判所に送致します。
事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所は、調査の行った上で、審判を開始するか否かを決定します。
この点、捜査段階で逮捕・勾留されていた少年について、観護措置をとる場合は、調査官への調査命令と審判開始決定が同時になされます。
調査官による調査を終えると、審判において非行事実と要保護性について審理され、少年に対する処分が決定されます。
最終的な処分には、審判不開始、不処分、保護処分(保護観察、少年院送致、児童自立支援施設・児童養護施設送致)、都道府県知事・児童相談所長送致、検察官送致とがあります。
少年の傷害事件では、共犯者がいる場合や、交際関係のもつれのように被害者との関係性が深い場合には、捜査段階で逮捕・勾留される可能性は高いでしょう。
そのような場合であっても、罪証隠滅のおそれがないことを客観的な証拠に基づいて勾留の要件を充たしていないことを主張し、勾留回避を目指して働きかけることにより、身柄解放の可能性を高めることができます。
また、被害者がいる事件では、事件後、被害の回復に努めたかどうかも最終的な処分に大きく影響します。
被害者との示談の有無が直接処分に影響する成人の刑事事件とは異なり、被害者との示談が成立したことをもって直ちに事件を終了させることにはならない少年事件ですが、被害者との示談交渉を通じて、少年が自身の内省を深め、被害者の気持ちを考え、事件と向き合うことができる、つまり、究極的には少年の更生に資するという点で重要な意味を持ちます。
被害者への対応は少年事件においても重要な要素となりますが、被害者への接触・交渉は、少年自身やその家族が直接行うよりも、代理人である弁護士を介して行うのがよいでしょう。
罪証隠滅のおそれから捜査機関が加害者側に被害者の連絡先を教えることはあまりありませんし、恐怖心や嫌悪感から被害者が連絡先を教えることを拒否することも少なくありませんので、連絡をとること自体が難しい場合が多々あります。
弁護士限りでの交渉ということであれば、捜査機関を通じて連絡先を教えてもらえることが期待できますし、弁護士を介して行うことで、冷静な話し合いを行うことができるでしょう。
少年の傷害事件においては、少年が自身の感情をうまくコントロールできずに手を出してしまうケースが少なくありません。
そのため、今後同じ過ちを繰り返さないためにも、感情をコントロールする方法やその原因と思われるものを見つけ出し、感情的な暴行を防ぐためにはどうすればよいのか、少年と一緒に考えていく必要もあるでしょう。
事案によって細かい対応方法は変わってきますので、お子様が傷害事件を起こし対応にお困りであれば、ご家族だけで悩まず、少年事件に強い弁護士にご相談されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
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タクシー運転手への暴行で逮捕
タクシー運転手への暴行で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
岐阜県高山市で、酒に酔った様子の男性客Aを乗せ、タクシー運転手のVさんは、指定された場所へ向かいました。
目的地に到着し、Aに乗車料金を述べたところ、Aはグダグダと文句を言い始めました。
Vさんは、「お客さん、払うの払わないの?」と聞いたところ、Aは突然大声を上げ、Vさんに掴みかかってきました。
Vさんはすぐに警察に通報し、駆け付けた岐阜県高山警察署は、暴行の容疑でAを現行犯逮捕しました。
(フィクションです。)
タクシー運転手への暴行
タクシーには、実に多種多様な客層が乗車してきますが、酔っ払いを乗せることも少なくありません。
酒に酔った状態で、気が大きくなり、タクシー運転手に暴力を振るうケースも発生しています。
タクシー運転手への暴行は、刑法の暴行罪、タクシー運転手が怪我をした場合には、傷害罪となる可能性があります。
暴行罪は、人に暴行を加えた場合に成立する罪です。
ここで言う「暴行」というのは、人に対する物理力の行為のことを意味します。
判例においては、暴行は、人の身体に対する不法な一切の攻撃方法を含み、性質上傷害の結果を惹起すべきものである必要はない、と緩やかに捉えられています。(大判昭和8・4・15)
また、物理力が人の身体に接触することまで必要ではなく、相手を驚かせるために、その人の数歩手前を狙って石を投げる行為(東京高判昭和25・6・10)、狭い室内で脅すために日本刀を振り回す行為(最決昭和39・1・28)、高速道路を走行中に嫌がらせ目的で幅寄せをする行為(東京高判昭和50・4・15)も、「暴行」に当たるとした裁判があります。
暴行罪は、故意犯ですので、行為時に人の身体に対して有形力を行使することの認識・認容がなければなりません。
また、人の身体を傷害した場合には、傷害罪が成立します。
「傷害」とは、人の生理的機能に障害を加えることで、その方法は有形・無形を問いません。
逮捕された場合
タクシー運転手への暴行で逮捕されるのは、現場に駆け付けた警察官に現行犯逮捕されるものが多くなっています。
逮捕から48時間以内に、警察は、被疑者を釈放し、身柄を拘束しないまま捜査を継続するか、被疑者の身柄と共に事件を検察官に送致します。
検察官に送致された場合、検察官は、被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、被疑者を釈放する、あるいは裁判官に対して勾留請求をします。
釈放されれば在宅事件として捜査が続くことになりますが、勾留請求がなされると、被疑者の身柄は裁判所に移され、裁判官に勾留の有無を判断されます。
裁判官が勾留請求を却下するとの決定を下せば、被疑者は釈放されます。
他方、勾留の決定を下せば、被疑者は、検察官が勾留請求をした日から10日、その身柄が拘束されることになります。
その間、捜査は継続され、勾留期限内に検察官が起訴・不起訴の終局処分を決定します。
その期限内に終局処分を決することが困難な場合には、検察官は勾留延長を請求し、これが認められれば、最大で更に10日間身柄が拘束されることになります。
そのような長期間の拘束となれば、会社や学校に休む日が続き、最悪の場合には懲戒解雇や退学といったことになりかねません。
そのような不利益を回避するためにも、逮捕後すぐに釈放に向けた活動をする必要があります。
タクシー運転手への暴行といった事件であれば、ドライブレコーダーで犯行が記録されていることや、被害者であるタクシー運転手への接触の可能性がそこまで高いとまでは言えず、罪証隠滅のおそれが認められない可能性はあります。
ですので、早期に弁護士に相談し、勾留の要件を充たさない旨を客観的証拠に基づいて主張し、勾留を回避するよう動くことが重要です。
また、被害者であるタクシー運転手への謝罪・被害弁償、示談交渉についても、弁護士を介して行うことで、より円滑に行える可能性が期待できるでしょう。
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家庭内暴力事件で逮捕
家庭内暴力事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
岐阜県不破郡垂井町に住む会社員のAさんは、妻の連れ子Vに対して勉強をするよう指示したところ、Vが反抗的な態度をとったため、カッとなったAは、Vの脚を蹴り、Vを転倒させ、右腕を骨折させる怪我を負わせてしまいました。
Aの妻がVを病院に連れて行った際に、VがAからしつけとして殴る蹴るの暴行を受けていると話したため、病院は岐阜県垂井警察署に通報し、事件が発覚しました。
後日、岐阜県垂井警察署はAを傷害の容疑で逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAの母親は、家庭内暴力事件とだけ警察から聞き、どう対応したらいいのか不安で刑事事件に強い弁護士に相談の連絡を入れました。
(フィクションです。)
家庭内暴力事件で逮捕されたら
家庭内暴力(DV)は、昔は家庭内の問題として警察が介入することには消極的でしたが、最近では、家庭内暴力の結果被害者が死亡してしまう痛ましい事件が後を絶たないことから、警察も事件性があると判断する場合には捜査を開始し、必要があれば被疑者を逮捕するに至っています。
被害者に対する身体的暴力を振るった場合には、暴行罪や傷害罪、性的暴力については強制わいせつや強制性交等罪、監護者強制わいせつ、監護者強制性交等罪、ネグレクトの場合には保護責任者遺棄などという罪に問われる可能性があります。
家庭内暴力事件で逮捕された場合、被疑者と被害者の関係性から、釈放すれば被疑者が被害者に供述を変えるよう迫る等、罪証隠滅を行う可能性があると考えられ、逮捕後に勾留される可能性は高いでしょう。
勾留となれば、逮捕に引き続き比較的長期間その身柄が拘束されることになるため、被疑者が職を失ってしまうおそれがあります。
被疑者の所得に頼っている家庭の場合、被疑者の長期拘束により職を失うことで、被害者を含めた家族が大きな不利益を被る可能性もあります。
そのため、勾留される可能性が高い家庭内暴力事件においても、弁護士は、身柄解放を目指す活動を行います。
上の事例を例として具体的に考えてみると、少なくとも事件が終了するまでは、Aが、妻やVと別居し、Aの母親がAを監視監督するなどしてAが妻やVに接触することのないよう環境を調整することも罪証隠滅のおそれがないことを立証する1つの要素となります。
そのことを、報告書や意見書にまとめ、検察官や裁判官に提出し、勾留請求しないよう、勾留の決定をしないよう働きかけます。
通常、被害者のいる事件では、被害者への謝罪・被害弁償、示談を成立させることで事件の早期解決を目指します。
家庭内暴力事件もまた被害者のいる事件ではありますが、配偶者や子供といった身近な人物に対する暴力であり、被害者がすんなりと示談に応じてくれることは期待することが難しいと言えるでしょう。
配偶者間の喧嘩の延長のようなものであれば、被害者とされる配偶者も「こんな大事になるとは思っていなかった。」として被害届を出さなかったり、自ら被疑者の釈放をお願いしたりします。
しかし、度重なる家庭内での暴力や子供への暴力が問題となる場合には、被害者あるいは被害者の保護者が示談に応じないことも少なくありません。
そのような場合には、被疑者が再び罪を犯すことのないことを客観的な証拠に基づいて立証する必要があります。
例えば、配偶者と離婚するなどして、被害者に再び暴力を振るってしまうような環境を絶たせる、カウンセリングの受診など、被疑者の反省と再発防止策をきちんととっていることを検察官に報告し、不起訴処分とするよう働きかけます。
家庭内暴力事件で被疑者として逮捕された場合には、できるだけ早期に弁護士に相談・依頼し、身柄解放活動や不起訴処分をはじめ、できるだけ穏便に事件が解決するよう弁護活動を行うことが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件で逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
公判請求され弁護人を選任
公判請求され弁護人を選任する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
岐阜県岐阜羽島警察署は、岐阜県羽島市のスーパーマーケットで商品を万引きしたとして、窃盗の容疑でAさんを逮捕しました。
その後、Aさんは夫を身元引受人として釈放されました。
岐阜羽島警察署、岐阜地方検察庁での取調べを終え、ある日、岐阜地方裁判所から起訴状が郵送されてきました。
同封されていた書面には、弁護人の選任について問われており、Aさんは刑事事件専門弁護士に相談に訪れました。
(フィクションです。)
公判請求されたら
検察官は、捜査が終了すると、被疑者を起訴するかどうかを決めます。
検察官が、起訴が相当であると判断する場合には、公訴を提起することになります。
これを起訴処分といいます。
公訴を提起する権限は、原則として検察官にのみ認められています。
起訴処分には、公開の法廷における裁判を求める公判請求と、公判手続を経ずに書面審査で罰金又は科料を科す裁判を求める略式命令請求とがあります。
公開した法廷における審理を求める起訴のことを「公判請求」といいます。
公判は、公判請求から裁判が確定するまでの手続全体のことですが、一般的には、冒頭手続、証拠調べ、論告・弁論、判決からなる公判期日の審理手続のことを指します。
公判請求は、検察官が裁判所に起訴状を提出して行います。
起訴状には、被告人がいかなる事実および罪名で起訴されたのかが記載されています。
公判では、被告人が公訴事実(被告人が、いつ、どこで、どういう犯罪を起こした、とされているのか、起訴状に記載されている審理の対象となるもの)の通りのことをしたのかどうか、を取り調べて明らかにされます。
公判は、冒頭手続に始まり、証拠調べを経て、当事者の最終の意見陳述を行い、判決が言い渡されます。
冒頭陳述は、検察官が証拠に基づいて証明しようとする事実を明らかにする手続です。
具体的には、人定質問、起訴状朗読、黙秘権等の権利の告知、被告人および弁護人の被告事件についての陳述、の順で行われます。
冒頭陳述が終わると、証拠調べ手続に入ります。
まず、検察官が、証拠に基づいて公訴事実の存在を合理的な疑いを入れない程度にまで証明するための立証活動を行います。
刑事裁判においては、検察官が証拠によって犯罪の証明を行う責任を負っていますので、検察官による犯罪の証明が不十分(合理的な疑いを入れない程度にまで証明されていない)であれば、裁判所は無罪判決を下さなければなりません。
証拠調べ手続において、検察官は、まず、検察官が証拠により証明しようとする事実について述べます。
これには、公訴事実の他、公訴事実の存在を推認させる間接事実も含みます。
その後、弁護人が、審理で証拠によって証明しようとする事実について陳述します。
そして、検察官は、証拠調べの請求を行い、裁判所は、被告人側の意見を聴いた上で、証拠として取り調べるか否かを決定します。
検察官の証拠調べ請求に続いて、被告人側も証拠調べ請求を行いますが、その場合も検察官が同じように意見を述べます。
裁判所が証拠として取り調べることを決定した場合、法廷において証拠調べを実施します。
証拠調べ手続が終わると、検察官、被告側が、それぞれ、有罪か無罪か、犯罪の悪質性や被告人の更生可能性等情状に関する点、有罪だとする場合には、どのような刑罰を科すべきか、といった事件に関する意見を述べます。
そして、証拠調べの結果や当事者の主張を踏まえて、裁判官(合議体の場合は裁判官3名)が、有罪・無罪の判決を行います。
弁護人の役割
刑事裁判では、検察官、被告人側が証拠を収集・提出し、証拠に基づいて自己が主張する事実を証明しようと努めます。
検察官は、法律家ですので、専門知識や経験も豊富ですが、被告人は、ほとんどの場合、法律に詳しいわけではありません。
そのため、被告人の代理人・補助者としての弁護人の役割が極めて重要になります。
弁護人は、事件内容を十分に理解し、証拠の検証を行い、被告人や関係者との綿密な打ち合わせを行った上で、公判に向けた弁護方針を確定させます。
公訴事実について争うのか、争うのであればどの点を争うのか、検察官の立証に対してどのように争うのか、被告人側の主張、立証をどのようにするのか、情状としてどのような点を主張・立証するのか、被害者がいる場合には示談をどのように行うのか、などといった点について方針を明らかにしておく必要があります。
基本的な弁護方針が決まれば、被告人側でどのような証拠を提出するのか、収集・整理します。
捜査段階で身体拘束を受けていない場合、弁護人を選任しないまま、公判請求されるケースも少なくありません。
裁判所から届いた起訴状とともに、弁護人の選任についてどうするかを問う内容の書面が入っており、その後に弁護人選任について検討される方も多くいらっしゃいます。
刑事事件での弁護人には、刑事事件に詳しい弁護士を選任されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
公判請求され弁護人の選任にお悩みであれば、一度弊所の弁護士にご相談されてはいかがでしょうか。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
少年事件を起こしたら
少年事件を起こした場合の流れや弁護士の役割について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
岐阜県恵那警察署は、岐阜県恵那市にある高校1年生のAくんの自宅を早朝に訪れました。
捜索差押の後、Aくんはそのまま警察署に連れて行かれました。
Aくんの母親は、警察から「小学生の女の子にいたずらをした。」とだけ聞かされました。
その後、警察からAくんを逮捕したとの連絡を受けました。
Aくんの両親は、どう対応したらいいのか分からず、すぐに接見に行ってくれる弁護士を探しています。
(フィクションです。)
少年事件の流れ
20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)が事件を起こした場合、捜査機関が事件について捜査を開始します。
少年が14歳以上であれば、捜査段階では、成人の場合とほぼ同じ手続に付されることになります。
そのため、被疑者である少年の身体を拘束して捜査をすべきと思料されるときは、少年であっても逮捕・勾留されます。
被疑者が少年の場合、勾留ではなく「勾留に代わる観護措置」がとられ、警察署の留置場ではなく少年鑑別所に収容されることがあります。
勾留と「勾留に代わる観護措置」とは、留置場所や勾留期間などが異なります。
勾留の期間は、原則10日で、延長が認められれば最大で20日です。
一方、「勾留に代わる観護措置」の期間は10日で、延長は認められません。
捜査機関は、捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑が認められる場合や、犯罪の嫌疑が認められなくとも少年を審判に付すべき事由がある場合には、原則すべての事件を家庭裁判所に送ります。
逮捕・勾留されずに不拘束のまま取調べを受けている少年は、事件の処理に特別な期限は設けられていませんので、本人や保護者が知らないうちに事件が家庭裁判所に送致されていることも少なくありません。
少年が14歳未満の場合には、刑事責任に問えませんので、警察は少年を取り調べることはできません。(ただし、調査をすることはできます。)
この場合、警察は児童相談所に送致・通告し、児童相談所は、児童福祉法上の措置をとって事件を終了させる、もしくは家庭裁判所の審判や保護処分が必要であると判断する場合には家庭裁判所に送致します。
事件を受理した家庭裁判所は、送致されてきた事件について、審判を開始するかどうかを決定します。
これまでの手続の過程で、少年が十分に改心し、審判を行う必要がないと判断された場合には、審判手続を開始せずに終了します。
この決定を「審判不開始」決定といいます。
審判を開始するかどうかは、調査官が調査を行った上で判断されるのですが、少年が捜査段階で逮捕・勾留されている場合には、事件が家庭裁判所に送致されてきたときに、調査官への調査命令と同時に審判開始決定がなされます。
家庭裁判所は、事件が係属している間いつでも観護措置をとることができます。
観護措置とは、家庭裁判所が調査、審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、その身柄を保全する措置です。
捜査段階で身柄が拘束されていた場合には、家庭裁判所に送致されたときに観護措置がとられるケースが多くなっています。
しかし、捜査段階で在宅であった少年でも、家庭裁判所送致後に観護措置がとられることもあります。
観護措置の期間は、法律上は2週間で、1回に限り更新が認められるのですが、実務上は期間は更新されて4週間で運営されています。
調査官により調査が終わると、審判が開かれます。
審判では、非行事実と要保護性が審理され、裁判官から少年に対して最終的な処分が言い渡されます。
終局処分には、①審判不開始決定、②不処分決定、③知事・児童相談所長送致、④検察官送致、⑤保護処分とがあります。
さらに、⑤保護処分には、保護観察、少年院送致、児童自立支援施設等送致、の3種類があります。
少年事件における弁護士の役割
少年事件においても、弁護士は、捜査段階では弁護人として、家庭裁判所送致後は付添人として、少年の権利や利益を保護するべく活動します。
少年事件でも、捜査段階の逮捕・勾留、家庭裁判所送致後の観護措置といった少年の身体を拘束する措置がとられることがあります。
少年の身柄が拘束されると、学校や仕事を休まなければならず、その期間が長ければ長いほど、その後の生活に大きな支障をきたす可能性が高まります。
そのため、不当・不要な身体拘束を避けるために、弁護士は身柄解放活動に従事します。
また、少年事件では、少年審判で非行事実とともに要保護性が審理されます。
要保護性とは、多義的に用いられますが、一般的には、次の3つの要素から構成されるものと理解されています。
①犯罪的危険性
少年の性格、環境に照らして将来再び非行に陥る危険性があること。
②矯正可能性
保護処分により犯罪的危険性を解消できる可能性があること。
③保護相当性
少年の処遇によって保護処分が最も有効かつ適切な手段であること。
保護処分に付するためには、要保護性の要件が必要となり、要保護性が高ければ少年院送致という厳しい処分となりまし、低ければ社会内処遇である保護観察処分となります。
また、審判時には要保護性が解消され、保護処分に付する必要がないと認められれば、不処分が決定されます。
少年事件は、事件の軽重がそのままストレートに処分に反映されるのではありませんので、少年の要保護性をいかに解消したかが最終的な処分に大きく影響する点で、成人の刑事事件とは大きく異なると言えるでしょう。
弁護士は、要保護性の解消に向けた環境調整活動を行い、少年の更生に適した環境を整えるよう努めます。
このような活動は、少年事件に精通した弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし逮捕されてお困りの方、在宅ではあるが被疑者として捜査されており対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
飲酒運転で人身事故を起こしたら
飲酒運転で人身事故を起こした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
岐阜県揖斐郡揖斐川町で飲酒運転をして人身事故を起こしたAさんは、岐阜県揖斐警察署に現行犯逮捕されました。
逮捕後に、勾留されずに釈放となりましたが、Aさんは今後どのように対応すべきか分からず不安でたまりません。
Aさんは、すぐに、刑事事件専門弁護士に法律相談の予約を入れました。
(フィクションです。)
飲酒運転をした場合
まずは、飲酒運転をした場合に、どのような罪に問われるのか、について説明します。
道路交通法第65条1項は、次のように規定し、飲酒運転を一般的に禁止しています。
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
「酒気を帯びて」とは、酒を飲むなどして、体内にアルコールを保有している状態のことをいいます。
体内のアルコールを保有して車両等を運転すること、つまり、いわゆる「飲酒運転」と禁止しているものですね。
このように、道路交通法は飲酒運転を禁止していますが、それに違反する行為(=飲酒運転)の全てが刑事罰の対象となるわけではないのです。
道路交通法第117条の2の2第3号は、
第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの
は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処すると規定しています。
この場合、酒気を帯びて車両等を運転した者であって、かつ、身体に政令で定める程度以上のアルコールを保有する状態であったことが要件となります。
ここでいう「政令で定める程度」とは、血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラムまたは呼気1リットルにつき0.15ミリグラムです。
この基準値以上のアルコールが体内から検出された場合には、道路交通法違反(酒気帯び運転)の罪に問われることになります。
加えて、道路交通法第117条の2第1号は、
第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの
は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金に処すると規定しています。
酒に酔った状態で車両等を運転することを「酒酔い運転」と呼びます。
この「酒に酔った状態で」とは、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態のことをいいます。
これに該当するかどうかは、先の酒気帯び運転のように基準値以上であるかどうかといったものではなく、直線の上を歩かせてふらつくかどうか、視覚が健全に働いているかどうか、言動などから判断・認知能力の低下がないかどうか、といったような点が総合的に判断されます。
飲酒運転は悲惨な事故に繋がりかねず、大変危険な行為であるため、単なる飲酒運転であっても厳しい処罰の対象となります。
飲酒運転で人身事故を起こした場合
それでは、飲酒運転で人身事故を起こした場合には、どのような罪が成立するのでしょうか。
これは、大きく2つの場合に分けられます。
まずは、道路交通法違反(酒気帯び運転または酒酔い運転)と過失運転致死傷罪の2つの罪が成立する場合です。
飲酒運転について、道路交通法違反が成立し、自動車を運転する上で必要な注意義務を欠き人を死傷させてしまったことについて過失運転致死傷罪が成立するものです。
この場合、2つの罪は、併合罪の関係になり、法定刑は刑の長期を罪が重い方の刑期の1.5倍となりますので、一般的には懲役刑が選択されるため、10年6月以下の範囲内で懲役刑が選択されることになります。
次に、危険運転致死傷罪の罪が成立する場合です。
「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ」、人を負傷させた場合には、15年以下の懲役が、人を死亡させた場合には1年以上の有期懲役に処せられる可能性があります。
また、「アルコールの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコールの影響により正常な運転が困難な状態に陥り」、人を負傷させた場合には12年以下の懲役、人を死亡させた場合には15年以下の懲役が科される可能性があります。
危険運転致死傷罪は極めて厳しい罪であり、人を死亡させた場合には、裁判員裁判対象事件となります。
飲酒運転で人身事故を起こした場合、その悪質性から、基本的には公判請求される可能性が高いと言えるでしょう。
ですので、早期に弁護士に相談し、裁判に備えた弁護活動をしてもらいましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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少女を自宅へ連れ去る未成年者誘拐事件
少女を自宅へ連れ去る未成年者誘拐事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
岐阜県内在住の少女を車で県外の自宅まで連れ去ったとして、岐阜県岐阜北警察署は、Aを未成年者誘拐の容疑で逮捕しました。
Aと少女はネット上で知り合い、連絡を取り合う中で、少女が家族とうまくいっていないことを聞き、「自宅に連れていってあげる。」と誘い、少女の自宅付近まで車で迎えに行き、少女を車に乗せて自宅に戻り、3日間誘拐したとのことです。
少女の保護者からの届けで岐阜北警察署が捜査を開始し、Aの自宅近で少女を保護し、一緒にいたAを逮捕しました。
Aは、「無理やりではなく少女の同意のもとだった。」と主張しています。
(フィクションです。)
未成年者誘拐
未成年者略取・誘拐罪(刑法224条)は、未成年者を略取し、又は誘拐した場合に成立する罪です。
未成年者略取・誘拐罪は、未遂も処罰の対象となります。
未成年者略取・誘拐罪の保護法益に関しては、これまで、未成年者の自由、未成年者に対する保護者の監護権、自由と監護権の両方、とする考え方がそれぞれ対立してきました。
判例は、未成年者の自由のほか、保護者の監護権も含まれるとする立場をとっています。(大判明43・9・30)
このため、例え未成年者の同意があったとしても、保護者の監護権を侵害している場合には、未成年者略取・誘拐罪が成立することになります。
■客体■
未成年者略取・誘拐罪の客体は、未成年者であり、20歳未満の者をいいます。
未成年者には、意思・行動能力を欠く嬰児等も含まれます。
婚姻によって成年に達したものとみなされる場合を含むか除くかについては、見解の対立があります。
■行為■
略取・誘拐とは、人をその生活環境から不法に離脱させ、自己又は第三者の実力的支配下に移すことをいい、暴行または脅迫を手段として行う場合が「略取」であり、欺罔または誘惑を手段として行う場合が「誘拐」です。
手段行為である暴行・脅迫や欺罔・誘惑は、未成年者に対して行われる必要はなく、監督者を錯誤に陥れた場合にも犯罪は成立します。
誘惑を手段とする場合について、いやしくも通常人の欲情を挑発しその判断をまどわせつ事実を告げれば足りるとされています。(大判大14・10・9)
以上が未成年者略取・誘拐罪の構成要件であり、これらに該当する場合は、基本的に、未成年者略取・誘拐罪が成立することになります。
上の事例のように、未成年者の同意があったことをもって犯罪は成立しないと主張されることが多々ありますが、未成年者の同意があったとしても、未成年者を連れ去る行為は、保護者の監護権を侵害するものですので、未成年者誘拐罪の成立を妨げるものではありません。
未成年者誘拐事件で被疑者となった場合
未成年者略取・誘拐罪は、親告罪です。
親告罪は、被害者らの告訴権者による告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪です。
未成年者のみならず、その保護者も法定代理人であるため一般に告訴権を有しているため、保護者から告訴される可能性があります。
未成年者誘拐事件において、最終的な処分に大きな影響を与える要素としては、被害者側との示談が成立しているか、という点です。
被害者側と示談が成立し、告訴を取り下げてもらったり、告訴をしない旨を約束してもらえれば、起訴されることはありませんので、不起訴という形で事件が終了することになります。
そのため、被害者側との示談交渉を行う必要があります。
被害者自身は未成年ですので、実際の交渉相手は被害者の保護者となります。
未成年者誘拐事件では、未成年が同意していたケースが多く、未成年者自身は被疑者・被告人に対して処罰感情を有さない傾向にありますが、その保護者は被疑者・被告人に対する処罰感情が厳しいことがほとんどです。
ですので、一般的には、弁護士を介して被害者側と示談交渉を行います。
弁護士を通してであれば、冷静な話し合いの場を持つことが期待できますし、示談をすることの被害者側のメリット・デメリットを丁寧に説明することができます。
未成年者誘拐事件の被疑者となり、対応にお困りの方は、できる限り早期に弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が未成年者誘拐事件で逮捕されて対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。