Archive for the ‘未分類’ Category

児童ポルノ所持罪で取調べ

2020-01-24

【事例】

岐阜県岐阜市の会社員Aさんは、中野区の自宅のパソコンをインターネットに接続し、アダルトサイトかで児童ポルノの動画を購入しました。
Aさんは、購入した児童ポルノは自宅のパソコンに保存して、自宅外に持ち出した事がないので安心していましたが、先日、岐阜県岐阜中警察署の捜査員が自宅に捜索に来ました。
パソコンに保存していた児童ポルノ動画数十点が押収されたAさんは、岐阜県岐阜中警察署で取調べを受けています。
(フィクションです。)

【児童ポルノ処罰法】

児童ポルノ処罰法の正式名称は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」です。
この法律は、児童に対する性的搾取及び性的虐待が児童の権利を著しく侵害することをの重大性に鑑み、あわせて児童の権利の擁護に関する国際的動向を踏まえ、児童買春、児童ポルノに係る行為等を規制し、及びこれらの行為等を処罰するとともに、これらの行為等により心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置等を定めることにより、児童の権利を擁護することを目的にしています。

児童ポルノ処罰法は、平成11年に、児童に対する性的搾取や性的虐待から児童を守るために施行されました。
そして平成16年に一度改正されて、平成26年に二度目の改正がされ、ここで児童ポルノの単純な所持が禁止されたのです。
これは、インターネットの普及、発達に伴って、簡単に児童ポルノを入手できるようになったのに伴い、世間で児童ポルノの単純な所持の規制を求める声が強まったからです。

この法律でいう「児童」とは18歳に満たない者です。
そして児童ポルノとは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって
①児童を相手方とする又は児童による性向又は性交類似行為に係る児童の姿勢
②他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器を触る行為に係る児童の姿勢であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
③衣服の全部または一部を着けない児童の姿勢であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
を視覚により認識できる方法により描写したものを言います。
児童ポルノを定義する上で「実在する児童」であることを前提としているので、架空の児童の絵画や合成画像(CG)は児童ポルノに該当しないでしょう。
しかし、実在する児童をモデルにして描写された絵画や、実在する児童を基にして作成された合成画像については児童ポルノに該当する可能性があるので注意しなければなりません。

児童ポルノの単純な所持は、児童ポルノ処罰法第7条第1項で禁止されており、これに違反した場合「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が科せられる可能性があります。
児童ポルノの単純所持は、「自己の性的好奇心を満たす目的」を要件としています。
つまり、それ以外を目的(例えば、捜査や報道、医療の記録を目的)としている場合は、処罰の対象にはなりません。
また児童ポルノの単純所持は、自己の意思に基づいて所持、保管していなければ処罰の対象となりません。
更に、児童ポルノであることの認識も必要です。

【警察の捜査】

警察は、児童ポルノ所持事件をどのように摘発しているのでしょうか。
ここでは、警察が捜査を開始する端緒をいくつか紹介します。
①販売業者の摘発
インターネットを利用して不特定多数の人に児童ポルノを販売している業者が摘発されたことによって、そこで押収された顧客名簿から犯人を割り出されます。
②児童の補導、検挙
援助交際のように実際に性交渉するわけではないので少年、少女の警戒心が低く、高収入を得られることから、最近は、児童が自らのわいせつ画像を販売する事件が増えてきているようです。
警察は、少年、少女を補導したり、検挙したりすると必ずといっていいほど、少年、少女の携帯電話機を解析するので、そこから児童ポルノの購入歴が発覚する場合があります。
③インターネット上のパトロール
警察には、インターネット上の掲示板やSNSをパトロールする専門の捜査員がいます。
児童ポルノの売買に関する書き込みや、援助交際を募集する書き込み等、犯罪に結びつく投稿を発見すると、投稿者や、投稿者とやり取りしている者を特定して、摘発に結び付けるのです。

岐阜県で刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、児童ポルノに関係する法律相談が増えており、警察等の捜査当局が児童ポルノ法違反の取締りを強化していることが予想されます。
岐阜県で児童ポルノ所持罪に強い弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

監禁事件で勾留決定後に釈放

2020-01-22

【事例】

岐阜県下呂市でバーを経営するAさんは、1ヶ月ほど前からよく飲みに来ている男性客が飲食代を支払っておらず、これまでのツケが10万円を超えてしまっています。
これまで何度も支払いを迫っていますが、全く支払う意思を見せない男性の態度にごうを煮やしたAさんは、お客さんが帰って誰もいなくなった店内で、この男性客に対して「すぐに親にでも家族にでも電話してツケを持ってこさせろ。それまで帰らせない」と言って、Aさんをお店の奥にある倉庫に閉じ込めたのです。
しかし結局朝まで待っても、男性客は家族と連絡がつかず、仕方なくAさんは、男性客を解放しました。
その後、この男性客が、Aさんに監禁されたと、岐阜県下呂警察署に被害を訴えたことから、Aさんは、監禁罪で逮捕、勾留されてしまいました。
Aさんは、自分の行為が監禁罪に当たることには納得し反省していますが、勾留までされて長期身体拘束を受けている事には納得ができません。
そこでAさんは、勾留決定に対する準抗告によって早期釈放を望んでいます。(フィクションです。)

【監禁罪】

不法に人を監禁した場合、監禁罪が成立する可能性があります。
「監禁」とは、一定の場所から他の場所に移動する自由を奪う行為を指します。
このことから、たとえば他人を自動車内に乗せて高速度で走行する行為も、監禁罪に当たることがあります。
この場合には、高速度で走行する自動車を降りるのが一般的に危険であることから、自動車の車内からの脱出を著しく困難にさせていると言えます。

また、「不法に」とは、監禁を正当化する事情が存在しないことを指します。
監禁を正当化する事情としては、法令により認められていること(たとえば警察が行う逮捕・監禁)や、相手方の承諾があることなどが挙げられます。

今回の事件で、Aさんが男性客を閉じ込めた倉庫に外部から鍵をかける等して、男性が倉庫から脱出できない状況にしていれば、間違いなく監禁罪が成立するでしょう。
監禁罪の法定刑は、3か月以上7年以下の懲役です。
更に、監禁のための暴行や監禁自体が原因で傷害や死亡に至った場合、監禁致死傷罪として懲役の上限が高くなる可能性も出てきます。
いずれにせよ罰則が懲役となることからすれば、監禁罪は重大な罪の一つと言えるでしょう。

【勾留決定に対する準抗告】

被疑者として逮捕されると、その後72時間以内に引き続き身体拘束をするかどうか決定されることになります。
この逮捕に続く身体拘束は勾留と呼ばれ、その期間は10日から20日と相当程度長期に及びます。
勾留に至る過程では、検察官による勾留請求および裁判官による勾留決定が必ず行われます。
こうした過程において、弁護士は検察官や裁判官に勾留しないよう働きかけたり、勾留決定後にその判断を争ったりすることになります。

上記事例で検討されている勾留決定に対する準抗告とは、裁判官が行った勾留決定に対して、その判断が不当であるとして不服を申し立てる手続です。
勾留決定に対する準抗告のメリットは、本来勾留が行われるべきでないケースで勾留が行われた場合に、果たしてその判断が正しいのか改めて審査してもらえる点です。
勾留請求に対する判断は1名の裁判官が行うのに対し、勾留決定に対する準抗告は3名の裁判官が行うことになります。
そのため、勾留決定に対する準抗告の方が、より判断の慎重さが保たれていると言うことができます。

勾留決定に対する準抗告が認容されると、もともとの判断である勾留決定が取り消される結果、勾留中の被疑者は直ちに釈放されることになります。
ただ、一度勾留が妥当として勾留請求が下されている以上、その判断を覆す主張を行うのはそう容易ではありません。
もし勾留決定に対する準抗告を行うのであれば、刑事事件に精通した弁護士にきちんと依頼することをおすすめします。

岐阜県の刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまで何度も勾留決定に対する準抗告による早期釈放を実現した実績がございます。
監禁罪で、逮捕、勾留されている方の早期釈放を望んでおられる方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

死体遺棄事件で取調べ

2020-01-20

◇事件◇

会社員のAさんは、岐阜県下呂市の実家に独り暮らしをしている母親がいます。
ゴールデンウィークに久しぶりに実家に帰省した際に、実家の居間で死亡している母親を発見したAさんは、母親の遺体を寝室に敷いた布団の上に寝かせました。
そしてすぐに警察に連絡すればよかったのですが、ゴールデンウィーク明けに出張の予定があったAさんは、しばらく母親の遺体を放置し、出張から帰ってきて警察に届け出ることにしました。
しかし出張に行っている間に、郵便ポストに新聞がたまっていることに気付いた近所の住民が岐阜県下呂警察署に届け出て、実家に立ち入った警察官によって母親の遺体が発見されてしまいました。
警察によって母親の遺体が司法解剖されて、病死であることが判明しましたが、Aさんは母親の遺体を放置した事実の死体遺棄罪で、岐阜県下呂警察署において取調べを受けています。
(フィクションです)

◇死体遺棄罪◇

刑法第190条(死体損壊等)
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。

死体遺棄とは
死体遺棄とは死体を遺棄することです。
「死体」・・・死亡した人の身体をいいます。(人の形体を備えている以上、死胎をも含まれます。)
「遺棄」・・・通常の埋葬と認められない方法で死体等を放棄することをいう。

※遺骨の遺棄も死体遺棄罪の罰則対象となりますが、「散骨」については厳密にいうと死体遺棄行為に該当する可能性もあるでしょうが、節度をもって行われる限り問題はないとされているのが一般的で、実際に散骨行為に死体遺棄罪が適用された例はないようです。

遺体を放置
死体遺棄罪でいうところの「遺棄」については上記のとおりですが、Aさんのように遺体を発見しながら放置する行為も遺棄行為に該当するのでしょうか。
「遺棄」とは、通常であれば死体等を移動させることによる放棄、隠匿行為を意味しますが、埋葬の義務を有する者が死体を放置する事によっても、不真正不作為犯としての「遺棄」が成立するとされています。
よってAさんの行為も死体遺棄罪に抵触する事となります。

◇刑事処分◇

刑事事件で被疑者(犯人)として警察で取調べを受けると、事件は検察庁に送致されます。そこで検察官が、被疑者(犯人)を起訴するか否かを決定するのですが、もし起訴されなかった場合は不起訴といい、刑事裁判は開かれません。
起訴された場合は、刑事裁判によって処分が決定しますが、罰金刑の場合は裁判が開かれない事もあります。(略式起訴)
日本の刑事裁判の有罪率は99パーセント以上と非常に高くなっていますが、これは「疑わしきは罰せず。」という刑事裁判における原則が、すでに裁判を提起(起訴)するか否かの時点で採用されている事が分かります。
つまり、裁判を提起(起訴)する検察官は、100パーセント有罪である、つまり被告人が絶対に犯人であるという確証がなければ、なかなか起訴しないという事です。
こうして起訴された場合に開かれる刑事裁判は、主に量刑が争点となる裁判がほとんどで、有罪か無罪かを争う裁判は、刑事裁判全体の1割にも満たないと言われています。
量刑とは被告人に課せられる罰則の事で、その範囲は、法定刑で定められた範囲内で決定します

◇執行猶予とは◇

執行猶予とは、一定の期間他の刑事事件を起こさないことを条件として、刑の執行を猶予する制度をいいます。
執行猶予付きの判決が言い渡された場合、すぐに刑務所に行くことはなく、執行猶予期間中に無事に経過すれば、裁判官から言い渡された刑罰を実際に受けなくて済むのです。

執行猶予の対象となる要件は、
①前に禁固以上の刑に処せられたことがない者、
②前に禁固以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁固以上の刑に処せられたことがない者
について、3年以下の懲役・禁錮又は50万円以下の罰金を言い渡す場合となります。
しかし、以上の要件は執行猶予の対象となる要件であり、執行猶予を付けるか否かは、裁判官が決めます。
上の要件を満たしており、かつ、「本人が反省している」「犯罪が悪質でない」「執行猶予を付しても再犯のおそれがない」といった情状が考慮され、執行猶予を付けるか否かを判断します。

執行猶予を目指す活動としては、執行猶予になるための要件を満たしていることを前提に、執行猶予とすべき情状を主張していくことが挙げられます。

岐阜県死体遺棄事件執行猶予付き判決が獲得できないかとお悩みの方、今すぐ刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
刑事事件専門の弁護士が、初回無料で法律相談を行います。

交通違反の身代わり出頭

2020-01-18

◇事件◇

トラック運転手のAさんは、休みの日に友人と買い物に行きました。
マイカーを運転して、自宅から岐阜県下呂市のショッピングモールに行ったのですが、その道中にスピード違反をしてしまい、取締りをしていた岐阜県下呂警察署の警察官に停止を求められました。
しかしAさんは、警察官の停止命令に気付かないふりをして、そのまま逃走しました。
Aさんは、これまでに何度か違反しており、累積点数で免許停止になって仕事ができなくなることをおそれて逃走したのです。
そして、Aさんは、同乗していた友人が運転していたことにして、この友人を岐阜県下呂警察署に身代わり出頭させました。
しかし、Aさんの友人は、警察官の追及に耐えれず、Aさんが運転していたことを自供してしまいました。(フィクションです。)

◇犯人蔵匿罪・犯人隠避罪~刑法第103条~◇

罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者の逃走を手助けしたら、犯人蔵匿罪若しくは犯人隠避罪に抵触します。

~犯人蔵匿罪・犯人隠避罪の客体~
これらの犯罪の客体となるのは①罰金以上の刑に当たる罪を犯した者、又は②拘禁中に逃走した者です。
スピード違反は、通常であれば交通反則切符によって処理されて刑事罰が科せられることはありませんが、道路交通法では、速度超過の法定刑について「6月以下の懲役又は10万円以下の罰金」と定めているので、スピード違反した犯人の逃走を手助けした場合であっても、犯人蔵匿罪・犯人隠避罪の対象となります。
また、以前、愛媛県の松山刑務所から逃走した受刑者や、大阪府富田林警察署の留置場から逃走した被告人が、犯人蔵匿罪・犯人隠避罪でいうところの、拘禁中の者となります。

~犯人蔵匿罪・犯人隠避罪の行為~
蔵匿…場所を提供すること。(自分の家に匿ったり、潜伏する部屋を用意したりする行為)
隠避…蔵匿以外の逃走を助ける一切の行為。(逃走資金や逃走用の車や衣類等、携帯電話機を用意する行為など)
身代わり出頭する行為も、犯人隠避罪でいう「隠避行為」に当たりますので、Aさんに代わって出頭したAさんの友人は、犯人隠避罪に問われるでしょう。

~犯人蔵匿罪・犯人隠避罪の罰則~
裁判で有罪が確定すれば「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金」が科せられます。
犯人蔵匿罪・犯人隠避罪の量刑は、逃走犯の犯した犯罪や社会的反響の大きさと、蔵匿期間等の犯行形態によって左右されますが、初犯であっても実刑判決の考えられる犯罪です。
また、逃走した犯人の親族については、刑を免れる可能性があります。

◇教唆犯◇

刑法第61条
1 人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
2 教唆者を教唆した者についても、前項と同様とする。 (刑法から引用)

~教唆犯の意義~
犯罪の意思がない者をそそのかし、犯罪を実行することを決意させて実行させた者を教唆犯といいます。

教唆犯が成立するには、まず教唆行為が必要となります。
教唆の方法には制限がありません。また、その内容については、具体的に指示する必要までありませんが、ある程度の内容を被教唆者に伝えることを必要とし、教唆行為によって被教唆者が、犯罪を実行することを認識・認容していなければなりません。

今回の事件では、Aさんは、スピード違反をした自身の身代わりとなって警察署に出頭するように、友人に対して、犯人隠避罪に当たる行為を教唆しているので、Aさんは、犯人隠避罪の教唆犯となるでしょう。

教唆犯は、正犯の刑が科せられるので、もしAさんが、犯人隠避罪の教唆犯として起訴されて有罪が確定した場合は、犯人隠避罪の法定刑である「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金」が適用されます。

岐阜県下呂市の交通違反で、友人に身代わり出頭させた方、犯人隠避罪で警察の取調べを受けている方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

殺人未遂罪の弁護活動

2020-01-16

~ケース~

岐阜県中津川市の会社員Aさんは、同僚と飲みに行った中津川市の居酒屋店内において、他のグループとトラブルになり、そのうちの一人を、厨房から持ち出した刺身包丁で切りつけました。
Aは、通報で駆け付けた岐阜県中津川警察署の警察官に、殺人未遂罪で逮捕されました。
被害者は右手甲を数針縫う軽傷です。
逮捕されたAは殺意を否認しており、刑事事件に強い弁護士のアドバイスを求めています。
(フィクションです。)

~殺人未遂罪~

殺人罪は「死刑又は無期若しくは5年以下の懲役」と非常に厳しい罰則規定が定められた法律です。
刑法第43条では未遂罪の減免について規定しており、これによると殺人未遂罪の場合は、殺人罪で定められた罰則規定より軽く処分される可能性がありますが、何れにしても厳しい処分となる事には変わりません。
殺人未遂罪で起訴された場合、初犯であっても執行猶予の付かない厳しい判決となる可能性が非常に高く、過去の裁判の判決では、自首示談が成立して減刑となった場合でも懲役刑が言い渡されています。

~殺意~

殺人未遂罪とは、殺意をもって、人を殺そうと実行に着手したが、殺すことができなかった場合に成立する犯罪です。
殺人未遂罪でよく争点になるのが「殺意」です。
「殺意」とは、人を殺す意思、つまり「故意」のことで、殺人未遂罪で「殺意」が認められなければ、傷害罪過失傷害罪となる可能性が高いです。
「殺意」は、「絶対に殺す。」「絶対に死ぬ。」といった確定的故意である必要はなく、未必的故意、条件付故意、概括的故意でもよいとされています。
つまり、「死ぬかもしれないが、別に死んでも構わない。」といった容認があれば、殺意は認められてしまいます。

~弁護活動~

警察や、検察が殺人未遂罪を立証する上で最も重要視するのが、行為者の「殺意」です。
ケースの様な事件でも、殺意が認められなければ傷害罪などに留まり、刑事処分も軽くする事ができます。
今回のケースでは、凶器に包丁を用いている点では「殺意」が認定されるおそれがありますが、被害者の傷害が、右手甲に負った軽傷である点では「殺意」を否定する事もできます。
そこで重要視されるのが、被疑者の供述内容です。
酒に酔っていて事件当時の記憶が曖昧なAは、警察の取調べにどのように答えたらいいのか分かりません。
この様なケースの取調べでは、殺意を認める方向に誘導されて、その内容の供述調書が作成される危険性が非常に高いので、そうなる前に、刑事事件に強い弁護士のアドバイスを受ける事をお勧めします。

また、被害者との示談が重要になります。
被害者との示談の成立は、検察官の裁量に強い影響を及ぼす事情の一つとされています。
もし上手く示談を取り交わすことができれば、暴行罪傷害罪となって遥かに刑が軽くなることが期待できます。
事案の内容次第では、暴行罪や傷害罪に切り替わったうえで不起訴となることもありえます。
このように示談は大きな役割を果たすので、万全を期すためにもぜひ弁護士の力を借りることをご検討ください。

岐阜県中津川市でご家族、お友達が、殺人未遂罪で警察に逮捕された方、殺人未遂罪で殺意を否認されている方は、一刻も早く刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
刑事事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、取調べに悩んでいるおられる方の強い味方となるべく、常に刑事事件に強い弁護士が待機しております。
また、刑事事件の経験豊富な弁護士が、示談交渉に自信を持って取り組みます。
事務所での法律相談料は初回無料です。

公務執行妨害罪で釈放

2020-01-14

~事例~

岐阜県飛騨市の会社員のAさんは、同僚とお酒を飲んでタクシーで帰宅途中、そのタクシーの車内で眠ってしまいました。
困り果てたタクシーの運転手が110番通報して駆け付けた、岐阜県飛騨警察署の警察官に起こされたAさんは、その警察官を突き飛ばしてしまいました。
Aさんは、公務執行妨害罪で現行犯逮捕されてしまい、岐阜県飛騨警察署で取調べを受けています。
(フィクションです)

~公務執行妨害罪~

公務執行妨害罪とは、職務中の公務員に対して、暴行、脅迫を加えた場合に成立する犯罪です。
公務執行妨害罪の対象となる公務員とは、代表的なもので警察官や、消防署に勤務する消防士、救急救命士、都道府県庁や、市区町村、官公庁の職員等です。
国公立病院に勤務する医師、看護師、国公立学校の教師等も公務員となります。
ただ、これらの身分を有する人に対する全ての暴行、脅迫事件に、公務執行妨害罪が適用されるわけではなく、少なくとも公務中であることが必要です。。
また公務執行妨害罪の成立には、その暴行や脅迫によって実際に公務を妨害することまでは必要とされていませんし、故意についても行為者に「公務を妨害する意思」までも必要とせず、職務中の公務員に対して暴行、脅迫を加える意思まであれば公務執行妨害罪が成立するとされています。

~故意~

Aさんに公務執行妨害罪の故意は認められるのでしょうか。
暴行した相手が、制服姿であれば、例え記憶を失うほどお酒を飲んでいたとしても、犯行当時、Aさんに相手が警察官である認識があったと判断されて、その故意は認められるでしょう。
しかし、起こした警察官が私服姿で、警察官である身分をAさんに告げなかった場合は、公務執行妨害罪の故意は否定されて、暴行罪が成立するにとどまるでしょう。

Aさんのような公務執行妨害罪で逮捕されたとしても、被害者の警察官が負傷していなければ勾留される可能性は低いですが、犯行を否認した場合は、勾留される可能性もあります。
酒に酔っていて記憶がないという主張はなかなか認められるものではありませんので、お酒を飲んで酔っ払った状態で事件を起こしてしまった方は、まず弁護士に相談することをお勧めします。

~釈放の可能性~

公務執行妨害罪は警察官に向けられることが多く、犯行を現認されて現行犯逮捕されるケースが非常に多いです。
また、現行犯逮捕は一般人でも可能であるため、警察官以外の公務員が相手方となる場合でもやはり現行犯逮捕のリスクは否定できないところです。
ただ、公務執行妨害罪の法定刑は3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金とさほど重くありません。
そのため、身柄拘束を長期にわたって継続する必要がないとして、早期に釈放されて在宅捜査に切り替わる可能性が一般的に高いと言えます。

刑事事件における身柄拘束は、大きく分けて逮捕と勾留があります。
それぞれの時間制限は、逮捕が72時間、勾留が10日から20日(ただし起訴後を除く)です。
最初に短期の身柄拘束を行い、その後必要に応じてより長期にわたり拘束を継続するという二段構えになっているのです。
公務執行妨害事件においては、逮捕の期間である2~3日が経過した後で釈放されるケースもよく見られます。
そうなる可能性については事案によるため、必ず釈放される、あるいは絶対に釈放されないなどと言うことはできません。
ただ、弁護士であれば、釈放が妥当であるとあらかじめ意見を申し出たり、釈放されなかった場合に不服申立てを行ったりすることもできます。
また、釈放の可能性がどの程度あるか、今後どういった流れになるかという点も、弁護士が事案の詳細を聞けばある程度予測を立てることができます。
疑問を解消して不安を少しでも払拭するなら、ぜひ弁護士のもとを訪ねてみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、豊富な刑事事件の経験を有する弁護士が、釈放を目指してあらゆる手段を尽くします。
ご家族などが公務執行妨害罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

暴行事件の責任能力

2020-01-12

【事例】

岐阜県垂井町の会社員Aさんは、友人とお酒を飲みに行き、そこで泥酔してしまいました。
そのためAさんにはほとんど記憶がありませんが、帰宅途中に利用した電車において、座席を巡って女性とトラブルになったAさんは、女性の髪の毛をハサミで切り、制止に入った駅員に暴行罪現行犯逮捕されました。
Aさんは、通報で駆け付けた岐阜県垂井警察署の警察官によって、警察署に連行され、現在は留置場に入っています。
(フィクションです。)

【暴行罪】

暴行罪における「暴行」とは「人の身体に対する不法な有形力の行使」とされています。
他人を殴る蹴ったり、他人の衣服を引っ張ったりする行為だけでなく、大太鼓を叩くなど、音を鳴らし続けるといった行為も「暴行」に含まれます。
今回の事件の「髪を切る」という行為も、「暴行」にあたるとされており、昔の裁判で同じように判断しているものもあります。
「髪を切る」という行為が傷害罪に該当するという判断をした裁判もありますが、最近では「傷害」とは「人の生理的機能に障害を加えること」とされています。
「生理的機能に障害を加える」とは、傷を負わせる、失神させるなど健康状態や生活状態に変更をもたらすような行為のことをいいます。
「髪を切る」ことは「生理的機能に障害を加える」ことに当てはまらないので、傷害罪には該当せず暴行罪が適用される可能性が高いでしょう。
暴行罪で起訴されて有罪が確定すれば「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」が科せられます。

【責任能力】

刑事責任能力については、刑法第39条に明記されています。
その内容は
①心神喪失者の行為は、罰しない。(刑法第39条1項)
責任能力が認められず、犯罪を犯した場合でも刑事罰が科せられることはありません。
②心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。(刑法第39条2項)
有罪が確定して言い渡される量刑において、その症状が考慮されて減軽されることとなります。
です。

心神喪失とは、「精神の障害により行為の是非や善悪を判断する能力がない状態」をいいます。
それに対して心神耗弱とは、「精神の障害により行為の是非や善悪を判断する能力が著しく減退した状態」です。
そして、精神の障害の典型例としては、統合失調症やそううつ病、知的障害、アルコールや薬物の影響等が挙げられます。

今回のAさんの行為は、女性に対して有形力を行使しているので、暴行罪が成立することは間違いありません。
しかし犯行時、Aさんは、記憶を失うほどお酒に泥酔していますので、その状態が「心神喪失」や「心神耗弱」であると判断されれば、暴行罪の刑責を免れる可能性があります。

【責任能力の判断方法について】

一般に責任能力があるかどうかは、犯行当時の精神障害の状態、犯行前後の行動、犯行の動機、態様などを総合的に考慮して判断されます。
そして本件のように飲酒しての犯行であればどの程度酔っているかが重要な要素になると考えられています。

酩酊の程度については、一般的な酩酊状態である「単純酩酊」と、それを超える程度の「異常酩酊」の状態があるとされます。
そして異常酩酊の中にも、激しく興奮して記憶が断片的になる「複雑酩酊」と、意識障害があり幻覚妄想などによって理解不能な言動が出てくる「病的酩酊」の二つの状態があります。
これはあくまで判断の目安に過ぎず、それぞれの境界は明確ではありません。
しかし、一般的には、単純酩酊であれば完全な責任能力が認められる、すなわち刑法第39条のいう「心神喪失」や「心神耗弱」には当たらないとされる可能性が高いです。
そして、複雑酩酊の場合は心神耗弱状態、病的酩酊の場合には心神喪失と認められる可能性が高いと言われています。
では、飲酒の際の暴行を覚えていなければ直ちに異常酩酊であると認められるかというとそうではなく、様々な事情が総合的に判断されます。
したがって、それまでの行為に至るまでの理由や犯行後の行動に何か異常であると認めらる事情がなければ、「単純酩酊」状態であるとされ、責任能力は認められると思われます。
 
今回の事件ですと、逮捕直後にAさんのアルコール検知を行った際の数値や、事件前にAさんがどの程度のお酒を飲んでいたのか、またAさんの飲酒量や酒癖、さらには、事件に至るまでの状態等を、徹底的に捜査されることになるでしょう。

お酒を飲んで暴行事件を起こしてしまった方、ご家族、ご友人が岐阜県垂井警察署に逮捕されてしまっている方は、岐阜県内で起こった刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

携帯電話不正利用防止法の弁護活動

2020-01-10

【事例】

岐阜県可児市の無職Aさんは、自身が代表を務める会社名義で携帯電話機を複数台契約し、この携帯電話機を、他人に有償で貸し出し小遣い稼ぎをしていました。
ある日、Aさんが契約している携帯電話機が犯罪に利用されたとして、岐阜県可児警察署に呼び出しを受けました。
(フィクションです。)

【携帯電話不正利用防止法】

携帯電話不正利用防止法とは「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律」の略称です。
この法律は、実際に誰が使用しているのか分からない携帯電話機が、振込め詐欺等の犯罪に利用されている実態にかんがみて、この様な匿名携帯電話機を規制することを目的に施定されました。
携帯電話不正利用防止法では
・携帯音声通信事業者(以下「携帯電話会社」とする)に対して、役務提供契約締結時及び譲渡時に、契約者の本人確認を義務付ける
・契約者が、本人確認時に虚偽の氏名等を申告することを処罰の対象とする
・携帯電話会社に無断で、業として有償で通話可能な携帯電話等を譲渡することを処罰の対象とする
・自己が契約者となっていない通話可能な携帯電話等を譲り渡し又は譲り受けることを処罰の対象とする
・相手方の氏名等を確認せずに、業として有償で通話可能な携帯電話等を貸与することを処罰の対象とする
・通話可能な携帯電話等が一定の犯罪に利用された場合等において、警察署長からの求めを受けて、携帯電話会社が契約者等を確認することができる
・携帯電話会社は、契約者が本人確認に応じない場合等は、役務の提供を拒むことができる
こと等が規定されています。

【無断譲渡の禁止】

携帯電話不正利用防止法では、携帯電話会社の承諾なく、自身が契約した携帯電話機を、親族又は生計を同じくしている者以外の、第三者に譲渡することを禁止しています。(7条1項)
この規定に違反して、業として有償で携帯電話機を第三者に譲渡すれば「2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金」の罰則が規定されており、懲役刑と罰金刑が併科されることもあります。

携帯電話不正利用防止法では、携帯電話機の無断譲渡に関して、上記以外にも
①自己が契約者となっていない携帯電話機を他人に譲渡すること
②譲渡者が契約者となっていないことを知りながら、当該携帯電話機を譲り受けること
③上記①②の禁止行為を業として行うこと
を禁止しており、①②に関しては「50万円以下の罰金」が③には「2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又は、これらの併科」の罰則が規定されています。

振り込め詐欺をはじめとしたあらゆる犯罪において携帯電話が使用されるケースが多々あることから、警察等の捜査機関は、携帯電話の契約者を把握し、通話明細を取得するなどといった捜査を必ず行っているといいます。
Aさんの事件も、そういった捜査過程で発覚したものと思われますが、携帯電話不正利用防止法違反事件は、こういった別件の犯罪捜査から発覚するケースがほとんどなので注意しなければいけません。

【勾留阻止による早期釈放】

もし、携帯電話不正利用防止法の疑いで逮捕されると、その後72時間以内に検察官および裁判官が勾留すべきか判断し、勾留決定により最低10日間拘束が続く危険が生じます。
このことから分かるように、逮捕後に勾留されるかどうかは、逮捕による身体拘束の期間の長短に大きく影響します。
そこで、早期釈放を目指すうえでは、勾留決定を回避できるかどうかという点が非常に重要になってきます。

勾留決定に至るまでには、①検察官による勾留請求と②裁判官による勾留請求の当否の判断という2つのステップを辿ります。
弁護士としては、上記①②の段階において、被疑者を勾留しないよう求めることが重要な弁護活動となります。
具体的な方法は、検察官および裁判官に対し、勾留が妥当でないことを口頭または書面で主張するのが一般的です。
その結果、検察官や裁判官が勾留しないという判断を下すと、被疑者は逮捕による身体拘束から逃れてすぐに釈放されるのです。

一般的に、逮捕および勾留の理由は、逃亡および証拠隠滅のおそれがあるというのが主です。
そのため、もし勾留阻止による早期釈放を目指すには、被疑者側の事情を明らかにして逃亡および証拠隠滅の心配がないことを主張しなければなりません。
ただ、そうした事情の主張を行うには法的な視点が必要であり、なおかつチャンスは多くとも上記①②で計2回と貴重なものです。
もし勾留阻止を目指すなら、刑事事件に詳しい弁護士に身柄解放活動を依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、逮捕された方の早期釈放を目指してあらゆる弁護活動を試みます。
ご家族などが携帯電話不正利用防止法の疑いで捜査されたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

横領事件で逮捕

2020-01-08

【事例】

岐阜県高山市在住のフリーターAさん(30歳)は、約1ヵ月前に高山市内のレンタカー会社で乗用車一台をレンタルしました。
レンタルした際は、翌日に返却する契約をしていたのですが、Aさんは返却せず、レンタカー会社に無断でそのまま乗り続けていました。
そして昨日、このレンタカーを運転して高山市内を走行中に、岐阜県高山警察署の警察官に職務質問を受けたAさんは、レンタカーの横領が発覚し、逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

【横領~刑法第252条第1項~】

刑法第252条第1項に「自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する」と横領罪が規定されています。

今回の事件では、Aさんはレンタカー会社の車を、契約期日を過ぎても返却せずにそのまま使用していたので、Aさんの行為は「横領罪」に当たる可能性が非常に高いでしょう。
しかし、もし契約時からAさんに、翌日にレンタカーを返却する意思がなかたった場合は、店員を騙してレンタカーを借りたことになるので、詐欺罪が成立する可能性があります。
詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」と横領罪に比べると厳しいものなのです。
最終的にどのような法律が適用されるかは、実行行為だけでなく、警察等の捜査機関での取調べ内容によって決定するので、横領罪等の刑事事件で警察の警察の取調べを受ける前に弁護士に相談することをお勧めします。

【横領事件の弁護活動】

今回のような横領事件では、逮捕された後に、勾留されることが少なくありません。
逮捕、勾留されている方は、弁護士以外から刑事手続きに関するアドバイスを受けることはできませんので、弁護士の助けがなければ、逮捕から勾留までの全てを一人で対処しなければなりません。
その様な事態を回避するために、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の「初回接見」サービスをご利用いただき、早期に弁護士の選任をご検討ください。
刑事事件専門の弁護士を選任することによって様々なメリットがございます。

①助言を受けれる
一度逮捕されてしまうと、最大で23日間身柄を拘束されることになります。
その期間、捜査機関からの取調べを受けることになりますが、逮捕された方は、どのように取調べを受けて良いのか分からないはずです。
取調べで発言した内容は、後に裁判で取り消すことが非常に困難です。
ご自身の判断だけでは、不利な発言をしてしまう可能性が高くなります。
そこで、先に弁護士からどのように取調べを受けるかの助言をしてもらうことで、取調べ段階で、不利益になるような事態を避けることができるでしょう。

②弁護士の面会
逮捕から勾留決定までの間は、ご家族の方でさえも面会ができません。
また、勾留中の場合、ご家族の方は面会できますが、面会時間に制限があり、立会人がいるため、お互いに伝えたいことを伝えきれない可能性があります。
また弁護士は逮捕から勾留が決定するまでの間でも面会ができ、弁護士は接見によって、逮捕された方の精神的負担を軽くするように努めます。
弁護士の面会は立会人なしで行われるため、逮捕された方は自分が思っていることを自由に話すことができます。

③被害者との交渉
検察官は、裁判で有罪であると証明できる場合でも、被疑者の情状や犯罪後の情況などを考慮して起訴する必要がないときは不起訴処分とします。
被害者との間に示談が成立していれば、検察官が不起訴処分とする可能性が非常に高まります。
そこで、弁護士は、代理人として被害者に対する謝罪や示談交渉を行います。

④不起訴処分となるように検察官へ働きかける
起訴して裁判を行うかどうかは、検察官が決定します。
そこで、弁護士は、検察官が起訴しない(不起訴処分とする)ように働きかけます。

横領事件を起こしたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

名誉毀損罪で逮捕

2020-01-06

【事例】

岐阜県揖斐郡に住むAさんは、交流サイトの掲示板で知り合ったVさんと仲良くなり、メールアドレスを交換しネット上でやり取りをしていました。
1ヶ月ほど前に些細なことからVさんとトラブルになって腹の立ったAさんは、ネットの公開掲示板に、Vさんの実名をあげて「Vさんはストーカーの前科のある犯罪者だ!!」などと、事実ではないことを書き込んで、Vさんを誹謗中傷しました。
この件で、Vさんが岐阜県揖斐警察署名誉毀損罪の被害届を出し、Aさんは警察署から呼び出しを受けました。
(フィクションです。)

【名誉毀損罪について】

名誉毀損罪は、公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した場合に成立する可能性のある罪です。
まず、「公然と」とは、不特定また多数人が認識できる状態で、という意味だとされています。
名誉毀損罪は人の社会的評価の侵害を処罰する罪であることから、このように社会の認識にかかわる要素が必要とされています。
ただし、より軽い罪である侮辱罪とは異なり、事実の摘示が要件となっています。

単に「馬鹿」や「間抜け」などの価値判断を示すにとどまらず、社会的評価の低下を招く具体的な事柄を内容とするということです。
そうした事柄であれば、たとえそれが真実であっても(後述の特殊な場合を除いて)名誉毀損罪は成立する余地があります。
また、社会的評価の低下は目に見えるものではないことから、条文上「毀損した」とあるもののその危険性さえ認められればよいと考えられています。

上記事例では、Aさんが書き込んだインターネットの掲示板が、誰でも閲覧可能な掲示板であれば、公然性は認められるでしょう。
このような行為はまさに名誉毀損罪に当たると言え、Aさんには3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
ちなみに、こうした犯罪行為に関する事実の摘示は、真実かつ公益に適う限り、適法とみなされ名誉毀損罪の成立が否定されることがあります。

【インターネット掲示板の書き込み】

インターネット上の掲示板やSNSに相手を誹謗する書き込みをした場合、その内容によっては名誉毀損罪に該当する可能性があります。
名誉とは、対象となる人・会社・団体等の真価や社会的地位等を指し、名誉毀損の対象となるのは社会的地位や評判です。
インターネットの書き込みは匿名ということもあり、普段よりも攻撃的になってしまう場合があり、不適切な書き込みが刑事事件化することも少なくありません。
またインターネット掲示板への不適切な書き込みは、名誉毀損罪に該当しない場合でも、侮辱罪や偽計業務妨害等の類似の刑法に該当する可能性があります。

【名誉毀損罪の刑事処分について】

名誉毀損罪は親告罪ですので,被害者等の告訴(処罰意思)が無ければ,検察官は公訴を提起することができません。
これは、裁判において名誉毀損に当たる事実が公になることを考慮し、訴追するかどうかを被害者の意思に委ねる趣旨です。
ですので、被害者による告訴がなければ、検察官としては不起訴にせざるを得ないということになります。

上記のことから、名誉毀損罪を犯してしまった際には、被害者と示談交渉を行うなどして告訴を取り消してもらうことが重要になります。
ただ、当然ながらこの告訴の取消しは簡単に実現するものではありません。
そもそも告訴は犯人の処罰を求める意思表示であり、告訴した被害者は強い怒りを抱いているのが通常です。
そのため、下手に交渉を行うと、告訴を取り消すどころか処罰感情をますます強固にしてしまうリスクがあります。
そこで、告訴の取消しを目指すのであれば、やはり弁護士に任せることをおすすめします。
弁護士は法律に詳しい第三者であり、示談交渉を含む代理を専門の一つとする職業です。
ですので、告訴の取消しを実現すべく、交渉決裂のリスクを抑えつつ被害者にアプローチすることが期待できます。
少しでも不安があれば、ぜひ一度弁護士に告訴を取り消したいとご相談ください。

岐阜県揖斐郡でネット上における名誉毀損罪など刑事事件でお困りの方は、是非一度「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」までご相談下さい。
刑事手続きの流れや刑事処分の見通しなどについて弁護士が丁寧に説明いたします。
事務所での法律相談料は初回無料です。

« Older Entries Newer Entries »

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー