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強姦事件で時効成立直前の逮捕
時効について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
平成17年9月1日の午前0時過ぎに、岐阜県多治見市の駅から帰宅していた女性が、何者かに背後から襲われ性的暴行が加えられるという事件が起きました。
被害女性は、事件後すぐに警察に通報し、岐阜県多治見警察署は強姦致傷事件として捜査を開始しました。
令和2年、別件で被疑者として取調べを受けていたAさんのDNAが、強姦事件で採取されたDNAと一致したことから、時効成立直前の令和2年8月1日に岐阜県多治見警察署は、Aさんを強姦致傷の容疑で逮捕しました。
取調べに対して、Aさんは「覚えていない。」と供述しています。
逮捕の連絡を受けたAさんの母親は、事件の詳細について分からず困っており、すぐに接見に行ってくれる弁護士を探しています。
(フィクションです)
刑事手続における時効とは
「公訴」とは、公の立場でなされる刑事手続上の訴え(刑事訴追)のことです。
刑事訴訟法は、国家機関である検察官のみが公訴を提起することとしており、私人による起訴を認めていません。
公訴の提起は、検察官が裁判所に対して特定の刑事事件について審判を求める意思表示を内容とした訴訟行為です。
検察官は、起訴状を裁判所に提出することで、公訴を提起します。
検察官による公訴の提起がなければ、裁判所は事件の審理をすることができません。
そして、この公訴を提起する権限には時間的制約があり、犯罪が終ってから一定期間が経過すると、公訴の提起をすることができません。
この制度を「公訴時効」といいます。
公訴時効が設けられた理由については、時間の経過により刑罰を加える必要性が減少・消滅したことや、証拠の散逸による誤判の危険を防止することにあると言われています。
公訴時効について、平成22年の法改正により、殺人等の凶悪・重大犯罪の公訴時効について、人を死亡させた罪のうち、死刑に当たるものについては、時の経過により一律に公訴権を消滅させることは適当でないとして、公訴時効の対象から除外しました。
刑事訴訟法第250条
時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの(死刑に当たるものを除く。)については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
一 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については三十年
二 長期二十年の懲役又は禁錮に当たる罪については二十年
三 前二号に掲げる罪以外の罪については十年
2 時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
一 死刑に当たる罪については二十五年
二 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については十五年
三 長期十五年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については十年
四 長期十五年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については七年
五 長期十年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については五年
六 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年
七 拘留又は科料に当たる罪については一年
上の事例において、Aさんは強姦致傷の罪に問われています。
強姦致傷罪は、平成29年の法改正により、現行法では強制性交等致傷罪に当たりますが、犯行時は法改正前であったため、犯行時に規定されていた強姦致傷罪が適用されます。
強姦致傷罪の法定刑は、無期又は5年以上の懲役です。
平成22年の法改正で変更があったのは、人を死亡させた罪についてであり、強姦致傷罪については改正前と変わりなく、公訴時効は15年です。
Aさんが強姦致傷事件を起こしたとされるのは、平成17年9月1日午前0時過ぎです。
時効は、犯罪行為が終った時から進行するため、平成17年9月1日から15年後の令和2年9月1日に成立することになります。
事例のように、犯行時から相当の時間が経過してから突然逮捕されるケースは少なくありません。
強姦致傷罪は、有罪となれば、無期又は5年以上の懲役の範囲で刑罰が科されることになりますので、決して軽い罪とは言えません。
ご家族が強姦致傷事件で逮捕されてお困りであれば、今すぐ刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
刑事事件専門弁護士が、豊富な専門知識と経験を活かした刑事弁護を行います。
お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。
少年事件における被害者対応
少年事件における被害者対応について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
岐阜県岐阜市に住む高校生のAくんは、電車内で痴漢をしたとして、岐阜県岐阜中警察署の警察官に逮捕されました。
岐阜県岐阜中警察署は、以前から被害者から車内での痴漢に関する相談を受けており、犯行時、被害者の近くに私服警官が待機しており、Aくんの犯行が発覚しました。
逮捕の連絡を受けたAくんの家族は、大変驚きショックを受けています。
今後の流れや見込まれる処分、そして、被害者にもどのように対応すべきか分からず、少年事件に強い弁護士に相談の電話を入れました。
(フィクションです)
少年事件の特徴
20歳未満の者が刑罰法令に触れる行為を行った場合、あるいは、犯罪は成立しないものの将来犯罪行為を行う可能性が高いと考えられる場合には、刑事事件に関する手続を定めた刑事訴訟法の他に、少年法に基づく手続に付されます。
少年法は、その第1条において、「少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする。」と定めており、少年法の目的が少年の健全育成にあること、つまり、少年が行った過去の犯罪に対する応報として少年を処罰するものではなく、将来再び犯罪または非行を行うことがないよう、少年を改善教育することを目的としていることが読み取れます。
そのため、少年事件では、弁護士は、非行事実の認定等が適切に行われるように活動することだけでなく、少年の更生のために様々な環境調整活動を行うことが期待されています。
少年事件では、犯罪の嫌疑がある全ての事件を家庭裁判所に送致することになっています。
これを「全件送致主義」と呼びます。
捜査機関は、事件を把握すると、捜査を開始します。
捜査機関は、捜査を終えると、事件をどのようの処理するかを決めますが、少年事件の場合、捜査機関が捜査を遂げた結果、少年が罪を犯したと疑われる場合には、全ての事件を家庭裁判所に送致します。
これは、少年事件においては、科学的な調査機構を持つ家庭裁判所が専門的に少年の処遇を選択することが相当であると考えられているからです。
そのため、成人の刑事事件における起訴猶予に相当するような処分はありません。
また、犯罪の嫌疑がない場合であっても、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれがある場合には、ぐ犯事件として家庭裁判所に送致されることがあります。
このように、少年事件では、原則、全ての事件が家庭裁判所に送致され、保護事件として処理されます。
家庭裁判所は、事件を受理すると、調査官による調査を行った上で、審判を開始するか否かを判断し、開始の決定を下した場合には、審判で非行事実及び要保護性が審理され、最終的な処分を決めます。
少年事件における被害者対応
審判では、非行事実、並びに要保護性が審理の対象となります。
非行事実とは、審判において審理の対象となる事実のことをいい、成人の刑事事件でいう公訴事実と同様の意味をもちます。
そして、要保護性は、一般的には、少年が再び非行に陥る危険性があり、保護処分により再非行が防止できることと理解されます。
具体的には、次の3つの要素から構成されます。
①犯罪的危険性:少年が、その性格、環境等から、将来、非行を繰り返す可能性があること。
②矯正可能性:保護処分によって、少年の犯罪的危険性を除去できる可能性があること。
③保護相当性:少年の処遇にとって、保護処分が有効かつ適切な手段であること。
この要保護性は、どのような保護処分をするかを決める上でも重要な要素となります。
非行事実が比較的軽微なものであっても、要保護性が高い場合には、少年院送致といった厳しい処分となる可能性があります。
逆に言えば、重い犯罪が成立する場合であっても、要保護性が解消されたと判断されれば、保護観察処分が言い渡されることもあるのです。
そのため、付添人である弁護士は、要保護性の解消に向けた活動を行います。
要保護性の解消という意味で、少年事件における被害者対応は重要です。
少年事件においては、成人の刑事事件において被害者との示談が成立したことをもって刑事責任の減少に直結するのとは異なり、示談成立が直ちに少年の要保護性を減少させることにはなりません。
ただ、少年事件では、少年や保護者が被害者の感情を理解した上で、被害の回復に向けて精一杯努力していく中で、少年が事件と向き合い、再び犯罪又は非行に陥ることのないよう考え行動していくことが、少年の更生に資するものとなり、要保護性の解消につながるものであると考えられます。
また、被害者への配慮が重視される今日では、裁判官も被害弁償の有無や経緯には関心を持っています。
このため、少年事件においても被害者対応は重要ですが、処分を軽くしたいから被害弁償をすることに意味がないことに留意しなければなりません。
単に被害弁償がされただけでは、必ずしも要保護性が減少することにはならないからです。
少年が被害者の気持ちを理解し、心から反省することができて初めて、要保護性を減少させる事情として審判において裁判官に評価されます。
そのため、弁護士には、少年が目先だけの処分にのみとらわれることがないよう、自分が行ったことにしっかりと向き合い、心から反省と謝罪の気持ちを持てるよう少年に働きかけることが期待されます。
このような活動は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし対応にお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
盗撮事件で勾留阻止
盗撮事件で勾留阻止に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
大学生のAくん(21歳)は、バス内で女性のスカート内を盗撮したとして、盗撮行為に気付いた乗客に取り押さえられ、岐阜県岐阜市内のバス停で降ろされました。
その後、Aくんは、岐阜県岐阜北警察署に迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
Aくんは、容疑を認めていますが、被害者との面識はないとのことです。
逮捕の連絡を受けたAくんの家族は、逮捕の知らせに大変驚きました。
Aくんの家族は、Aくんがいつ頃帰宅できるのか警察官に聞いたところ、しばらくは帰れないかもしれないと言われ心配でたまりません。
(フィクションです)
盗撮事件で逮捕されたら
Aくんは、バス内で女性のスカート内を盗撮したとして、岐阜県の迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
Aくんは、逮捕後、警察署において取調官からの取り調べを受けます。
逮捕から48時間以内に、Aくんは釈放される、あるいは、検察庁に証拠や関係書類と共に送られます(これを「送致」といいます。)
盗撮事件の場合、被疑者が容疑を認めており、罪証隠滅や逃亡のおそれがないと思われるときには、逮捕から48時間以内に被疑者を釈放し、身柄を拘束しないまま捜査を進めることも少なくありません。
しかし、容疑を否認していたり、被疑者との接触のおそれがあると思われる場合や、他にも余罪がある場合など、被疑者の身柄を拘束したまま捜査をする必要があると判断されれば、検察庁に送致されることになります。
検察庁に送致されたAくんは、担当検察官から取調べを受けます。
担当検察官は、送られてきた証拠等やAくんの供述を聞いた上で、裁判官に勾留請求を行うか決めます。
「勾留」というのは、逮捕に引き続き比較的長期間の身体拘束の必要があるときに、被疑者の身柄を拘束する裁判およびその執行のことです。
勾留は、検察官からの請求を受けて、裁判官が判断します。
検察官が勾留請求をした場合、Aくんは、裁判所に移動し、今度は裁判官と面談をします。
裁判官は、証拠等やAくんとの面談内容を踏まえて、勾留の判断を行います。
勾留の期間は、検察官が勾留請求をした日から原則10日間です。
検察官は、勾留期間を延長する必要があると判断する場合には、裁判官に勾留延長の請求を行うことができ、請求を受けて裁判官は勾留延長について判断します。
勾留延長が認められれば、最初の勾留請求の日から最大で20日もの間、被疑者の身柄が拘束されることになります。
身柄事件では、検察官は、勾留期間内に起訴・不起訴の判断をしなければなりません。
不起訴となれば、即日釈放となります。
起訴された場合であっても、略式起訴であれば、公開法廷での審理を行うことなく書類のみでの審理され、簡易裁判所からの略式命令を受け、罰金を納付した上で、釈放となります。
盗撮事件であれば、被害者との示談が成立している場合には不起訴となる可能性は高いでしょう。
また、被害者との示談が成立することができなかった場合や、被害者が特定されず盗撮目的での設置や差し入れ行為について罪が問われている場合などは、略式起訴されることが多くなっています。
しかし、同種の再犯、犯行態様が悪質など、不起訴や略式起訴とするには適さない場合には、検察官は公判請求を行い、公開の法廷での審理を経て判決が言い渡されることもあります。
勾留阻止に向けた活動
先に述べたように、勾留となると、身体拘束の期間が長期化しますので、その間、被疑者は会社や学校に行くことができません。
数日であれば体調不良で説明がつきますが、10日以上ともなると周囲も不審に思い、事件について報告しなければならない状況に陥ってしまうでしょう。
周囲に事件のことが発覚すれば、最悪の場合、懲戒解雇や退学となる可能性もあります。
そのような事態を回避するためにも、盗撮事件で逮捕された場合には、すぐに身柄解放活動に着手し、勾留を阻止することが重要です。
被疑者の身体を長期間拘束する強制処分である勾留は、一定の要件を充たした場合にのみ認められるものです。
そのため、その要件を充たしていないことを客観的証拠に基づいて主張し、検察官に勾留請求をしないよう、裁判官に勾留しないよう働きかけます。
勾留後であっても、裁判官の勾留決定に対して不服を申し立てる準抗告という手続きをとることができますので、勾留となった場合には、早期釈放に向けて直ちに準抗告を行います。
身柄事件には時間的制約もあり、早ければ逮捕の翌日には勾留が決まってしまうこともあります。
ですので、身柄解放活動は迅速かつ適切に行う必要があり、身柄解放活動は、刑事事件に精通した弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が盗撮事件で逮捕されて対応のお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
美人局で恐喝事件
美人局で恐喝となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
インターネットの出会い系サイトで知り合った男性とホテルへ行き、「無理やり連れてこられた。家族にばらす。」などと因縁をつけ、示談金名目で男性から20万円を脅し取ったとして、岐阜県養老警察署は、AさんとBさんを恐喝の容疑で逮捕しました。
2人とも容疑を認めており、警察は余罪についても調べています。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、すぐに接見に行ってくれる弁護士を探しています。
(フィクションです)
美人局と恐喝罪
インターネットの出会い系サイトで知り合った相手とデートをしていたところ、相手の夫・交際相手、はたまた兄弟と名乗る男性に脅され、示談金や和解金といった名目で高額な金銭を支払う羽目になった…。
このようなケースの多くが、デートの相手と脅した人物ははじめからグルで、デートにつられてやってきた者から金銭を脅し取ることを目的としており、これを一般的に「美人局」と呼びます。
美人局は、刑法犯の恐喝罪に当たる可能性があります。
恐喝罪とは
恐喝罪は、刑法249条に次のように規定されています。
第249条 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
恐喝罪の構成要件は、
1項 ①人を恐喝して
②財物を交付させたこと。
2項 ①人を恐喝して
②財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させたこと。
です。
◇客体◇
恐喝罪の客体は、他人の占有する他人の財物です。
◇行為◇
恐喝罪の実行行為は、人を恐喝して財物を交付させること、または、人を恐喝して財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させたこと、です。
「恐喝」とは、脅迫または暴行を手段として、その反抗を抑圧するに足りない程度に相手方を畏怖させ、財物の交付(又は、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させる)を要求することをいいます。
ここでいう「脅迫」とは、人を畏怖させるに足りる害悪の告知のことで、「暴行」とは、人に対する不法な有形力の行使を意味します。
「交付させる」とは、恐喝行為の結果、畏怖した相手方の処分行為に基づく交付によって、財物の占有を取得することです。
恐喝行為と財物の交付との間には、因果関係が必要となります。
Aさんらは、相手方に対して、ホテルに連れてこられたことを相手方の家族に知らせる旨を述べており、これにより相手方は、知らされては困ると不安になり、要求されるままに示談金という名の下に金を支払ったのであるから、恐喝罪に当たると考えられます。
恐喝事件における弁護活動
恐喝事件のように被害者が存在する事件では、被害者との示談交渉が重要な弁護活動の1つとなります。
美人局のような恐喝事件では、被害者が事件についてバレたくないと思い、警察に被害を申告しないケースも少なくありません。
しかし、被害を申告した被害者は、加害者に対して厳しい処罰感情を抱いていることが多く、当事者間での示談交渉は難航する傾向にあります。
そもそも、捜査機関が加害者に被害者の連絡先を教えない、被害者が加害者に連絡先を教えない、加害者が逮捕・勾留されており直接やり取りすることができないため、交渉に着手することすら不可能な場合も多く、被害者との示談交渉は弁護士を介して行うのが通常です。
被害者との示談が成立すれば、不起訴で事件を終了させる可能性が高まります。
不起訴となれば、前科が付くこともありませんし、身体拘束されている場合には即日釈放となります。
恐喝事件を起こし、被害者との示談交渉にお悩みであれば、今すぐ刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
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まずは、フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。
違法薬物の密輸入を疑われて逮捕
違法薬物の密輸入を疑われて逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
岐阜県可児郡御嵩町に住むAさんは、国際郵便を使って通称「RUSH」と呼ばれる違法薬物を密輸入しようとした疑いで、岐阜県可児警察署に逮捕されました。
Aさんは、今年、2回にわたって違法薬物とされるRUSH10本を中国から航空郵便で密輸しようとしたと疑われています。
Aさんは、RUSHを海外の通販サイトで購入したと述べていますが、通販で売られているから違法薬物だとは思わなかったとも話しています。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、Aさんとの面会を申し出ましたが、警察からは「しばらく面会はできない。」と言われて困っています。
(フィクションです)
違法薬物の密輸入
覚せい剤や大麻、麻薬、危険ドラッグなど多くの薬物が法律によって規制されています。
このような薬物を乱用した場合、薬物を使用した者の身体への害が大きいというだけでなく、薬物の影響を受けた者が、幻覚や妄想により、殺人や放火といった凶悪な犯罪を引き起こしたり、重大な交通事故を生じさせる危険性が高く、使用した者以外の周囲の人々、さらには社会全体に対しても多大な被害をもらたすおそれがあるため、法律によってしっかり規制しようとしているのです。
違法薬物の規制に関する主な法律は、
・覚せい剤取締法
・大麻取締法
・医薬品医療機器等法
・麻薬及び向精神薬取締法
・麻薬特例法
があります。
ここでは、上の事例で問題となっている「RUSH」と呼ばれる違法薬物についてどのような規制が設けられているのか説明します。
「RUSH」は、亜硝酸エステルを主成分とする薬物です。
「RUSH」は、いわゆる「危険ドラッグ」と呼ばれるものであり、医薬品医療機器等法で規制される指定薬物です。
指定薬物については、疾病の診断、治療または予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、もしくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用することが禁止されています。
指定薬物の輸入に対しての罰則は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金です。
業として指定薬物を輸入した場合は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金またはその両方となり刑が加重されます。
しかしながら、違法薬物に関する事件は後を絶ちません。
薬物事犯においては、「違法薬物だとは知らなかった」と弁解するケースがよくありますが、単に「知らなかった」と主張するだけでは十分ではありません。
客観的証拠に基づき、被疑者・被告人が問題の薬物を違法薬物だと認識していた、もしくは違法なものかもしれないと思っていたと推認するには合理的な疑いが残ると検察官・裁判官に判断させなければなりません。
人の認識などというものは心の内のことですので、それを証明するということは簡単ではありません。
ですので、薬物事件にも対応する刑事事件専門の弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。
違法薬物事件で逮捕された後の流れ
違法薬物事件で逮捕されると、ほとんどの場合、引き続き身体が拘束されることになります。
逮捕後なお引き続き比較的長時間の身体拘束の必要がある場合、被害者の身柄を拘束する処分を「勾留」といいます。
違法薬物事件においては、この勾留がとられることが多く、逮捕から約13日、延長されると最大で23日間の身体拘束となります。
また、組織犯罪が疑われる違法薬物事件は、勾留と同時に接見禁止決定がなされることがあります。
接見禁止というのは、弁護士以外の者との面会等を禁止する処分で、家族や恋人、友人などと面会することができなくなります。
勾留期間中に、捜査機関は捜査を遂げ、最終的には検察官が起訴するか否かを決めます。
検察官が起訴しない旨の決定をすれば、被疑者は釈放され、事件もこれで終了となります。
一方、起訴された場合には、被告人は有罪・無罪の裁判を受けることになります。
違法薬物事件では、公判請求されることが多いのですが、容疑を認める場合には、執行猶予により実刑を回避できる可能性もあります。
否認する場合には、被告人に有利な証拠を収集し、客観的証拠に基づいた主張をする必要があります。
違法薬物事件は、科され得る刑罰も重く、事件の内容によっては実刑となる可能性もあります。
違法薬物事件でご家族が逮捕されてお困りであれば、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
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少年事件と勾留に代わる観護措置
勾留に代わる観護措置について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
岐阜県本巣郡北方町に住むAくん(17歳)は、スマートフォンのゲームへの課金について母親と口論になりました。
Aくんは、隙をみて台所に行き、包丁を取り出し、「殺すぞ。」と言って母親に迫りました。
母親は、自分ひとりでは処理できないと思い、警察に通報しました。
通報を受けて駆け付けた岐阜県北方警察署の警察官は、Aくんを警察署に連れて行き事情を聴くことになりました。
その後、警察からAくんを逮捕したとの連絡を受けたAくんの両親は、すぐに釈放されるだろうと思っていたのですが、翌日、少年鑑別所に収容されることになったとの連絡を受け不安になり、少年事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
勾留に代わる観護措置とは
成人の刑事事件において、犯人と疑われる者(刑事手続上、「被疑者」と呼ばれます。)が、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があり、逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがあると認められる場合には、被疑者に対して、「逮捕」という強制的な処分が執行されます。
そして、逮捕に引き続き、被疑者は、比較的長期間の身体拘束を伴う強制処分である「勾留」に付されることがあります。
「勾留」とするには、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、かつ、住居不定・罪証隠滅のおそれ・逃亡のおそれの少なくとも1つに該当すること、そして、勾留することの必要性があることが必要です。
検察官が勾留請求をすると、裁判官が勾留の判断をします。
勾留の期間は、検察官が勾留請求をした日から原則10日、延長が認められると、最大で20日間となります。
少年の場合においても、14歳以上であれば、捜査段階では、成人の場合と同様の手続に付されます。
ただし、少年の場合には、検察官は、勾留ではなく「勾留に代わる観護措置」を請求することができます。
「勾留に代わる観護措置」とは、身柄拘束の必要がある場合には、勾留に代えて、少年の身柄の取り扱いについて専門性のある少年鑑別所等を利用する措置です。
勾留に代わる観護措置の期間は、10日であり、延長は認められません。
勾留に代わる観護措置がとられたら
逮捕後、勾留に代わる観護措置がとられると、少年の身柄は少年鑑別所に移送されます。
少年鑑別所は、鑑別対象者の鑑別、観護措置等によって収容される者らに対する必要な観護処遇、非行および犯罪の防止に関する援助を行う機関です。
勾留とは異なり、勾留に代わる観護措置の期間は10日で延長はされませんので、収容が短期間ですむことがありますが、勾留に代わる観護措置により収容措置がとられていた少年が家庭裁判所に送致される場合、自動的に家庭裁判所送致後の少年鑑別所収容の観護措置とみなされ、引き続き少年鑑別所に収容されることになります。
このように、捜査段階で勾留に代わる観護措置がとられた場合には、家庭裁判所送致後の観護措置を含めて1か月以上少年の身柄が拘束されることがあります。
その間、少年は落ち着いて自身を見つけなおす機会を持つことができますが、他方で、長期間学校や仕事を休まなければならず、事件終了後の少年の更生に影響を及ぼしかねない事態を招いてしまうおそれもあります。
そのような事態が考えられるときには、不当・不要な少年の身柄拘束を回避し、早期に釈放となるよう動く必要があります。
勾留に代わる観護措置がとられてしまったら、当該措置に対する不服申し立てを行い、措置の取り消しを求めます。
申し立てが認められれば、少年は釈放され、通常の生活に身を置きながら、取り調べを受けることになります。
お子様が勾留に代わる観護措置に付され対応にお困りであれば、少年事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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贈収賄事件で逮捕
贈収賄事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
岐阜県羽島郡笠松町の係長のAさんは、道路工事を巡り、業者側に便宜を図った見返りに現金100万円を受け取ったとして、岐阜県羽島警察署に収賄の疑いで逮捕されました。
Aさんの妻は、すぐに刑事事件に強い弁護士に接見を依頼しました。
(フィクションです)
刑法は、賄賂の罪として、「単純収賄罪」、「受託収賄罪」、「事前収賄罪」、「第三者供賄罪」、「加重収賄罪」、「事後収賄罪」、「あっせん収賄罪」の7つの罪を規定しています。
賄賂の罪の保護法益については、様々な学説がありますが、判例は、「公務員の職務の公正とこれに対する社会一般の信頼」であるとする立場をとっています。(最大判平7・2・22)
賄賂の罪は、公務員が職務に関する対価として不法な利益を収受等することを内容とする犯罪です。
「賄賂」とは、職務に関する行為の対価としての不法な利益をいいます。
ここでいう「職務に関する」とは、職務行為そのものに対する場合の他にも、職務と密接に関連する行為に対する場合も含みます。
「職務」は、公務員がその地位にともない公務として取り扱うべき一切の執務をいい、公務員の一般的職務権限に属するものであれば足り、具体的に担当している職務であることまで必要とされません。
(1)単純収賄罪
刑法第197条 公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。
◇主体◇
本罪の主体は、「公務員」です。
「公務員」は、「国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員をいう」と定義されています。(刑法第7条)
◇行為◇
本罪の実行行為は、「賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束を」することです。
「収受」とは、賄賂を取得することをいいます。
収受の時期は、職務の執行の前後を問いません。
「要求」とは、賄賂の供与を要求することをいいます。
相手方がこれに応じなくても、要求を行った時点で既遂となります。
「約束」とは、贈賄者と収賄者との間で、将来賄賂を授受すべきことについて合意することをいいます。
約束がなされれば既遂となり、要求を撤回したり、約束を解除しても犯罪は成立することとなります。
(2)受託収賄罪
刑法第197条 (1項前段略)この場合において、請託を受けたときは、七年以下の懲役に処する。
本罪は請託を受けたことによって単純収賄よりも重く罰するものです。
「請託」とは、公務員に対し、職務に関し一定の職務行為を依頼することをいいます。
その依頼が不正な職務行為の依頼であるか、正当な依頼であるかを問いません。
請託を「受けた」というのは、職務に関する事項につき依頼を受けて承諾することです。
(3)事前収賄罪
刑法第197条
2 公務員になろうとする者が、その担当すべき職務に関し、請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、公務員となった場合において、五年以下の懲役に処する。
◇主体◇
本罪の主体は、「公務員になろうとする者」であり、本罪は、公務員になった場合に担当すべき職務に関して、請託を受けて、賄賂を収受等する行為を処罰するものです。
公務員にならなかった場合には、処罰されません。
(4)第3者供賄罪
第197条の2 公務員が、その職務に関し、請託を受けて、第三者に賄賂を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。
本罪は、第三者を介して間接的に職務に関連して利益を得る脱法的行為を取り締まる規定です。
ここでいう「第三者」とは、当該公務員以外の者をいい、本罪を教唆・幇助した者を含みます。
「供与」とは、利益を受け取らせることをいいます。
(5)加重収賄罪
第197条の3 公務員が前二条の罪を犯し、よって不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、一年以上の有期懲役に処する。
2 公務員が、その職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれを供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたときも、前項と同様とする。
本条は、収賄行為とともに、それに関連して職務違反の行為が行われたことを理由に、これを重く処罰するものです。
◇主体◇
「公務員」及び「公務員になろうとする者」が、本罪の主体となります。
◇行為◇
収賄行為の後に職務違反の行為が行われる場合は、単純収賄罪・受託収賄罪・事前収賄罪・第三者供賄罪を犯し、よって不正な行為をし、または相当な行為をしないこと、職務違反の行為の後に収賄行為が行われる場合には、職務上不正な行為をし、または相当な行為をしなかったことに関し、賄賂を収受・要求・約束し、または第三者にこれを供与させ、その供与を要求・約束することが、本罪の実行行為となります。
「不正な行為をし、又は相当の行為をしないこと」というのは、職務に反する一切の行為、不作為をいうと解されます。(大判大6・10・23)
(6)事後収賄罪
刑法第197条の3
3 公務員であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。
◇主体◇
過去に「公務員であった者」です。
◇行為◇
在職中、請託を受けて職務違反行為をし、退職後これに関して賄賂の収受・要求・約束をすることです。
(7)あっせん収賄罪
第197条の4 公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。
「あっせん」とは、一定の時効について両当事者の間に入って仲介することをいいます。
他の公務員の職務について違法な行為の働きかけがあった場合だけでなく、他の公務員の裁量判断に不当な影響を及ぼした場合も本罪は成立します。
本罪は、公務員が自己の職務行為の対価として賄賂を収受するものではなく、あっせんの「報酬として賄賂」を収受する等の行為を処罰するものです。
もし、あなたやご家族に収賄の疑いがかけられているのであれば、今すぐ刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
刑事事件に強い弁護士から、取調べで不利な供述が取られないよう、取調べ対応についての適切なアドバイスを受けることが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所です。
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無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
児童ポルノ所持で摘発
児童ポルノ所持について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
アダルト動画配信サイトで、アダルト動画をダウンロードしていたAさんは、ダウンロードした動画の中で幾つか18歳未満と思われる児童が映ったものがあることを認識していましたが、そのまま自分のパソコンにすべての動画を保存していました。
ある日、ダウンロードした動画配信サイトが、児童買春・児童ポルノ処罰法違反の容疑で摘発されたことをニュースで知り、自分もいつか逮捕されてしまうのではないかと心配になったAさんは、すぐに刑事事件専門弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
児童ポルノ所持罪
「児童売春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(以下、「児童買春・児童ポルノ処罰法」といいます。)は、児童買春及び児童ポルノに係る行為等を規制し、これらの行為等を処罰するとともに、これらの行為等により心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置等を定めています。
児童買春・児童ポルノ処罰法は、児童ポルノに係る行為については、次の行為を処罰することとしています。
①自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持する行為、これに係る電磁的記録を保管する行為。(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)
②児童ポルノを提供する行為。(3年以下の懲役又は300万円以下の罰金)
③児童ポルノを提供する目的で、製造・所持・運搬・本邦に輸入・本邦から輸出する行為。(3年以下の懲役又は300万円以下の罰金)
④児童ポルノを単純に製造する行為。(3年以下の懲役又は300万円以下の罰金)
⑤盗撮により児童ポルノを製造する行為。(3年以下の懲役又は300万円以下の罰金)
⑥不特定多数の者に児童ポルノを提供・公然陳列する行為。(5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金又は併科)
⑦不特定多数の者に提供・公然陳列する目的で、児童ポルノを製造・所持・運搬・本邦に輸入・本邦から輸出する行為。(5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金又は併科)
⑧不特定多数の者に提供・公然陳列する目的で、児童ポルノを輸入・輸出する行為。(5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金又は併科)
上の事例のように、ネットから児童ポルノに該当する動画をダウンロードしてパソコンに保存する行為は、①に当たる可能性があります。
児童ポルノに係る行為における「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、
(a)児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの。
(b)他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの。
(c)衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は協調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの。
のことをいいます。
このような児童ポルノを、「自己の性的好奇心を満たす目的」で所持し、又は児童ポルノに係る電磁的記録を保管した場合は、児童ポルノ所持罪が成立することになります。
児童ポルノ所持罪は、「自己の性的好奇心を満たす目的」による児童ポルノの所持等のみが処罰対象とされています。
捜査目的、報道目的、医療の記録目的での所持は、本罪には当たりません。
「所持」とは、写真、DVD、ハードディスクといった有体物である児童ポルノを自己の事実上の支配下に置くことを指します。
また、電磁的記録の「保管」とは、電磁的記録を自己の実力支配内に置くことをいいます。
児童ポルノ所持罪が成立するためには、児童ポルノであることを認識し、かつ、所持についても認容している必要があります。
Aさんは、ダウンロードした動画に18歳未満の者と思われる被写体がいることは分かっていながらも、自分のパソコンに動画を保存していたので、児童ポルノ所持罪の故意は認められるでしょう。
児童ポルノの単純所持のみであれば、初犯で身柄拘束される可能性はそう高くはないでしょう。
しかし、所持の事実を否認している、児童ポルノを大量に所持している、提供などにも関与していると疑われている、同種の前科がある場合には、身柄が拘束される可能性があります。
逮捕となれば、家族に事件が発覚することになりますし、長期の身体拘束となれば会社にも発覚してしまう可能性はあります。
そのような事態を回避するためにも、早期に弁護士に相談し、逮捕回避に向けて動くことが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、児童ポルノ事件を含めた刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
児童ポルノ事件でお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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無銭飲食で詐欺罪
無銭飲食で詐欺罪となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
岐阜県岐阜市の漫画喫茶に入店したAさんは、かつ丼やラーメンを注文し食べました。
会計時に、店員はテーブル利用料や飲食代金など約5000円をAさんに請求しましたが、Aさんは「お金がない。」と言い、支払おうとしなかったため、店員が岐阜県岐阜南警察署に通報しました。
通報を受けて駆け付けた警察官は、Aさんや店員に事情を伺い、Aさんの所持品などを調べましたが、現金は1000円ほどしか持っていませんでした。
警察官は、Aさんを詐欺の現行犯で逮捕しました。
(フィクションです)
無銭飲食で詐欺罪が成立し得る場合とは?
詐欺罪は、刑法246条に次のように規定されています。
1 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
詐欺罪の構成要件は、以下の通りです。
【1項詐欺】①人を欺いて
②財物を
③交付させたこと
【2項詐欺】①人を欺いて
②財産上不法の利益を得、または他人にこれを得させたこと
1.1項詐欺
◇客体◇
1項詐欺の客体は、他人の財物であり、他人の占有する他人の動産および不動産です。
◇行為◇
1項詐欺の実行行為は、人を欺いて財物を交付させることです。
①欺く行為をして、②それに基づき相手方が錯誤に陥り、③その錯誤によって相手方が処分行為をし、④それによって財物の占有が移転し、⑤財産的損害が生じることが必要となります。
①欺く行為
「欺く」とは、一般人をして財物・財産上の利益を処分させるような錯誤に陥らせることをいいます。
人を欺く行為でなければならないので、機械に対して虚偽情報を入力しても詐欺罪における欺く行為には当たりません。
②錯誤
「錯誤」とは、財産的処分行為をするように動機付けられるものであればよく、法律行為の要素の錯誤であると、動機の錯誤であるとを問いません。
③処分行為
相手方の錯誤に基づく財産的処分行為により財物の占有を行為者が取得することが必要です。
この処分行為は、財産処分の意思と財産を処分する事実とが必要です。
財物を処分する意思をまったく有しない幼児や高度の精神病者などには、財産的処分行為は認められず、これらの者を欺いてその財物を奪う行為は詐欺罪ではなく窃盗罪を構成することになります。
④財物の移転
相手方の処分行為により、財物の占有が移転することが必要です。
⑤財産的損害
詐欺罪の成立には、被害者に何らかの財産的損害が生じたことが必要となります。
2.2項詐欺
◇行為◇
2項詐欺の実行行為は、人を欺いて財産上不法の利益を得ることです。
「財産上不法な利益を得る」というのは、欺く行為に基づく錯誤の結果おこなわれた財産的処分行為によって行為者または一定の第三者が、不法に財産上の利益を取得することです。
無銭飲食の場合
1.注文する時点で支払いの意思がない場合
飲食を注文した時には既に代金を支払う意思がなかった場合、注文行為が欺く行為であるため、1項詐欺が成立するものと考えられます。
支払う意思の有無は、人の心の中のことなので、注文時に所持していた現金やカードなど客観的な状況から支払う意思があったか否かが判断されます。
当然、現金をもちあわせずに注文したのであれば、支払う意思がなかったと判断される可能性はあります。
もちろん、もっていたと勘違いして注文したが、支払いの際に実は現金をもっていなかったことが分かった等の事情があれば話は別です。
2.代金支払いの時点でお金を持っていないことに気付き、支払を免れた場合
さて、代金を支払うときになり、お金を持っていないことが分かったが、支払を免れようとした場合は、代金債務を免れたものと言え2項詐欺が成立する可能性があります。
例えば、店員に、「そこのATMで現金をおろしてくるので、すぐ戻ってきます。」などと申しつけて、そのまま逃走したのであれば、店員に支払う意思があると騙し、客が戻ってくるのを待ち支払いを一時猶予したことになり、逃げた客が不法に財産上の利益(=代金債務の免除)を得たことになります。
3.店員に何も告げずに店を出た場合
次に、財布にお金が入っていると思い、料理を注文し、会計を済ませようとした際に、無一文だと気付き、店員に何も告げず店を出た場合には、どうなるのでしょうか。
支払う意思は注文時にはあったので、騙す行為はなく、詐欺罪は成立しないことになります。
そして、代金を支払わずにその場から逃げた場合には、実は何の罪も成立しないのです。
しかしながら、払うべき物を払わずに逃げるなどという行為は決して許されることではありません。
さて、上記事例において、Aさんは所持金が1000円ほどのようでした。
漫画喫茶に入店した上、かつ丼やラーメンを注文するのであれば、それ相当のお金を所持していなければなりません。
Aさんが所持していた金額を認識しつつも、飲食を注文したと認められれば1項詐欺が成立することになります。
詐欺罪で逮捕された場合、逮捕後に勾留となる可能性は高いでしょう。
ご家族が詐欺事件を起こし逮捕されてお困りであれば、今すぐ刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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特殊詐欺の少年事件
特殊詐欺の少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
岐阜県羽島警察署は、岐阜県羽島郡岐南町に住む高齢男性から特殊詐欺の被害に遭ったと相談を受けました。
男性によると、警察官と名乗る男から電話があり、「あなたの口座が犯罪に利用されています。これから署員を向かわせますので、キャッシュカードを用意しておいてください。」といわれ、自宅にやって来た警察官を名乗る男にキャッシュカードを入れた封筒を渡したところ、ポイントカードが入れられた封筒とすり替えられていた、とのことです。
取られたキャッシュカードで現金100万円が引き落とされていました。
羽島警察署は、防犯カメラの映像などから、県外に住む学生のAさん(18歳)を窃盗の容疑で逮捕しました。
警察からの連絡を受けたAさんの両親は、Aさんが特殊詐欺に関与していると言われ驚いています。
AさんもAさんの両親も、今後、どのような手続きを踏み、どんな処分を受けることになるのか不安でたまりません。
(フィクションです)
少年事件(特殊詐欺)の特色
警察官、地方自治体や金融庁の職員などと信用のある者だと思い込ませ、相手のキャッシュカードを騙し取り、そのキャッシュカードを使ってATMから現金を引き出す、いわゆる「特殊詐欺」事件は後を絶ちません。
特殊詐欺は、単独で行うケースは稀で、通常は組織的に行われます。
電話をかけて相手を騙す「かけ子」、相手の自宅などに出向いてキャッシュカードを受け取る「受け子」、そして、キャッシュカードを使ってATMから現金を引き出す「出し子」と呼ばれる役割を複数人で分担します。
少年は、「受け子」や「出し子」の役割を担うことが多いです。
少年が特殊詐欺に関与するきっかけは、知り合いから「うまい仕事がある」と誘われる場合や、ネット上で掲載されている「高額バイト」の募集に応募する場合がほとんどです。
最初から、「特殊詐欺」であることが明かされることはあまりなく、「指示された場所に行って、荷物を受け取るだけの仕事」と紹介されたものの、指示を受けて特殊詐欺であることがわかることが多いようです。
しかしながら、身分を偽って他人宅に訪問するように指示されることからも、その仕事が何かおかしいと感じるのが通常であって、そうは思いつつも、高額収入を得たいばかりに最後まで特殊詐欺に関与するケースが多く見受けられます。
特殊詐欺は、上述のように、複数人が役割を分担して行うため、少年自身は、指示役から指示通りに動くだけであって、自分が被害者を騙しているという実感がないため、特殊詐欺に関与することへの抵抗感がそれほど高くないことが言われており、このことは、少年が特殊詐欺に関与する一因とも言えるでしょう。
また、特殊詐欺組織は、言葉巧みに少年を関与させようと誘惑します。
「捕まっても黙っていれば大丈夫。」、「脱税した人からお金を取るだけだから悪いことじゃない。」などと、これから行う行為があたかも悪いことではないかのように少年に思い込ませる手口もよく見受けられます。
このように、少年が心身ともに未発達であることに乗じて、少年を利用する犯罪組織が背後に存在していることも特殊詐欺の特徴です。
しかし、当然のことながら、アルバイト感覚で行った特殊詐欺は、犯罪であり、その被害額も大きいことから、近年は厳罰傾向にあり、少年についても例外ではありません。
これまで前歴や補導歴のない少年であっても、少年院送致という思い処分となる可能性があるのです。
特殊詐欺事件における活動
重い処分が科せられる可能性がある特殊詐欺事件ですが、弁護士は少年の弁護人・付添人として、少年の更生に向けて活動を行います。
被疑(非行)事実を認める場合に行う弁護士の行う活動の中でも、重要なのが少年の環境調整です。
少年事件は、原則、すべての事件が家庭裁判所に送られ、審判で処分が言い渡されます。
審判では、非行事実及び要保護性が審理されます。
非行事実は、成人でいうところの公訴事実であり、要保護性とは、簡単に言えば、少年が将来再び犯罪・非行を行う可能性のことです。
例え、非行事実は比較的軽微であっても、要保護性が高いと判断されれば、少年院送致処分となることもあり、非行事実の軽重だけで処分が決まるわけではありません。
逆に言えば、非行自体は軽くないものであっても、要保護性が解消されていると判断された場合には、保護観察処分となり、社会内処遇を受けることもあるのです。
そのため、弁護士は、少年の要保護性を解消すべく、少年の保護者や、所属する学校、勤務先などと協力して、少年が更生することが期待できるように周囲の環境を整えていきます。
このような活動を「環境調整」活動といい、少年事件において弁護士に期待される活動のひとつです。
環境調整には、大きく分けて、少年自身への働きかけである内部環境の調整と、少年の周囲の環境を整える外部環境の調整とがあります。
内部環境の調整については、事件についての内省を深め、被害者に対する謝罪の気持ちを持てるようにすること、そして、事件の背後にある様々な問題に向き合い、それらへの対処方法を見出せるよう支援するなどが挙げられます。
外部環境の調整では、特に家庭環境の見直し、学校・職場との協力、被害者対応、そして交友関係の改善が重要です。
少年事件においては、少年の権利・利益を守り、代弁するだけでなく、少年が将来再び非行に陥らないよう関係者と連携しつつ取り組むことが、弁護士に求められる役割となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
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