Archive for the ‘未分類’ Category

暴行事件の責任能力

2020-01-12

【事例】

岐阜県垂井町の会社員Aさんは、友人とお酒を飲みに行き、そこで泥酔してしまいました。
そのためAさんにはほとんど記憶がありませんが、帰宅途中に利用した電車において、座席を巡って女性とトラブルになったAさんは、女性の髪の毛をハサミで切り、制止に入った駅員に暴行罪現行犯逮捕されました。
Aさんは、通報で駆け付けた岐阜県垂井警察署の警察官によって、警察署に連行され、現在は留置場に入っています。
(フィクションです。)

【暴行罪】

暴行罪における「暴行」とは「人の身体に対する不法な有形力の行使」とされています。
他人を殴る蹴ったり、他人の衣服を引っ張ったりする行為だけでなく、大太鼓を叩くなど、音を鳴らし続けるといった行為も「暴行」に含まれます。
今回の事件の「髪を切る」という行為も、「暴行」にあたるとされており、昔の裁判で同じように判断しているものもあります。
「髪を切る」という行為が傷害罪に該当するという判断をした裁判もありますが、最近では「傷害」とは「人の生理的機能に障害を加えること」とされています。
「生理的機能に障害を加える」とは、傷を負わせる、失神させるなど健康状態や生活状態に変更をもたらすような行為のことをいいます。
「髪を切る」ことは「生理的機能に障害を加える」ことに当てはまらないので、傷害罪には該当せず暴行罪が適用される可能性が高いでしょう。
暴行罪で起訴されて有罪が確定すれば「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」が科せられます。

【責任能力】

刑事責任能力については、刑法第39条に明記されています。
その内容は
①心神喪失者の行為は、罰しない。(刑法第39条1項)
責任能力が認められず、犯罪を犯した場合でも刑事罰が科せられることはありません。
②心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。(刑法第39条2項)
有罪が確定して言い渡される量刑において、その症状が考慮されて減軽されることとなります。
です。

心神喪失とは、「精神の障害により行為の是非や善悪を判断する能力がない状態」をいいます。
それに対して心神耗弱とは、「精神の障害により行為の是非や善悪を判断する能力が著しく減退した状態」です。
そして、精神の障害の典型例としては、統合失調症やそううつ病、知的障害、アルコールや薬物の影響等が挙げられます。

今回のAさんの行為は、女性に対して有形力を行使しているので、暴行罪が成立することは間違いありません。
しかし犯行時、Aさんは、記憶を失うほどお酒に泥酔していますので、その状態が「心神喪失」や「心神耗弱」であると判断されれば、暴行罪の刑責を免れる可能性があります。

【責任能力の判断方法について】

一般に責任能力があるかどうかは、犯行当時の精神障害の状態、犯行前後の行動、犯行の動機、態様などを総合的に考慮して判断されます。
そして本件のように飲酒しての犯行であればどの程度酔っているかが重要な要素になると考えられています。

酩酊の程度については、一般的な酩酊状態である「単純酩酊」と、それを超える程度の「異常酩酊」の状態があるとされます。
そして異常酩酊の中にも、激しく興奮して記憶が断片的になる「複雑酩酊」と、意識障害があり幻覚妄想などによって理解不能な言動が出てくる「病的酩酊」の二つの状態があります。
これはあくまで判断の目安に過ぎず、それぞれの境界は明確ではありません。
しかし、一般的には、単純酩酊であれば完全な責任能力が認められる、すなわち刑法第39条のいう「心神喪失」や「心神耗弱」には当たらないとされる可能性が高いです。
そして、複雑酩酊の場合は心神耗弱状態、病的酩酊の場合には心神喪失と認められる可能性が高いと言われています。
では、飲酒の際の暴行を覚えていなければ直ちに異常酩酊であると認められるかというとそうではなく、様々な事情が総合的に判断されます。
したがって、それまでの行為に至るまでの理由や犯行後の行動に何か異常であると認めらる事情がなければ、「単純酩酊」状態であるとされ、責任能力は認められると思われます。
 
今回の事件ですと、逮捕直後にAさんのアルコール検知を行った際の数値や、事件前にAさんがどの程度のお酒を飲んでいたのか、またAさんの飲酒量や酒癖、さらには、事件に至るまでの状態等を、徹底的に捜査されることになるでしょう。

お酒を飲んで暴行事件を起こしてしまった方、ご家族、ご友人が岐阜県垂井警察署に逮捕されてしまっている方は、岐阜県内で起こった刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

携帯電話不正利用防止法の弁護活動

2020-01-10

【事例】

岐阜県可児市の無職Aさんは、自身が代表を務める会社名義で携帯電話機を複数台契約し、この携帯電話機を、他人に有償で貸し出し小遣い稼ぎをしていました。
ある日、Aさんが契約している携帯電話機が犯罪に利用されたとして、岐阜県可児警察署に呼び出しを受けました。
(フィクションです。)

【携帯電話不正利用防止法】

携帯電話不正利用防止法とは「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律」の略称です。
この法律は、実際に誰が使用しているのか分からない携帯電話機が、振込め詐欺等の犯罪に利用されている実態にかんがみて、この様な匿名携帯電話機を規制することを目的に施定されました。
携帯電話不正利用防止法では
・携帯音声通信事業者(以下「携帯電話会社」とする)に対して、役務提供契約締結時及び譲渡時に、契約者の本人確認を義務付ける
・契約者が、本人確認時に虚偽の氏名等を申告することを処罰の対象とする
・携帯電話会社に無断で、業として有償で通話可能な携帯電話等を譲渡することを処罰の対象とする
・自己が契約者となっていない通話可能な携帯電話等を譲り渡し又は譲り受けることを処罰の対象とする
・相手方の氏名等を確認せずに、業として有償で通話可能な携帯電話等を貸与することを処罰の対象とする
・通話可能な携帯電話等が一定の犯罪に利用された場合等において、警察署長からの求めを受けて、携帯電話会社が契約者等を確認することができる
・携帯電話会社は、契約者が本人確認に応じない場合等は、役務の提供を拒むことができる
こと等が規定されています。

【無断譲渡の禁止】

携帯電話不正利用防止法では、携帯電話会社の承諾なく、自身が契約した携帯電話機を、親族又は生計を同じくしている者以外の、第三者に譲渡することを禁止しています。(7条1項)
この規定に違反して、業として有償で携帯電話機を第三者に譲渡すれば「2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金」の罰則が規定されており、懲役刑と罰金刑が併科されることもあります。

携帯電話不正利用防止法では、携帯電話機の無断譲渡に関して、上記以外にも
①自己が契約者となっていない携帯電話機を他人に譲渡すること
②譲渡者が契約者となっていないことを知りながら、当該携帯電話機を譲り受けること
③上記①②の禁止行為を業として行うこと
を禁止しており、①②に関しては「50万円以下の罰金」が③には「2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又は、これらの併科」の罰則が規定されています。

振り込め詐欺をはじめとしたあらゆる犯罪において携帯電話が使用されるケースが多々あることから、警察等の捜査機関は、携帯電話の契約者を把握し、通話明細を取得するなどといった捜査を必ず行っているといいます。
Aさんの事件も、そういった捜査過程で発覚したものと思われますが、携帯電話不正利用防止法違反事件は、こういった別件の犯罪捜査から発覚するケースがほとんどなので注意しなければいけません。

【勾留阻止による早期釈放】

もし、携帯電話不正利用防止法の疑いで逮捕されると、その後72時間以内に検察官および裁判官が勾留すべきか判断し、勾留決定により最低10日間拘束が続く危険が生じます。
このことから分かるように、逮捕後に勾留されるかどうかは、逮捕による身体拘束の期間の長短に大きく影響します。
そこで、早期釈放を目指すうえでは、勾留決定を回避できるかどうかという点が非常に重要になってきます。

勾留決定に至るまでには、①検察官による勾留請求と②裁判官による勾留請求の当否の判断という2つのステップを辿ります。
弁護士としては、上記①②の段階において、被疑者を勾留しないよう求めることが重要な弁護活動となります。
具体的な方法は、検察官および裁判官に対し、勾留が妥当でないことを口頭または書面で主張するのが一般的です。
その結果、検察官や裁判官が勾留しないという判断を下すと、被疑者は逮捕による身体拘束から逃れてすぐに釈放されるのです。

一般的に、逮捕および勾留の理由は、逃亡および証拠隠滅のおそれがあるというのが主です。
そのため、もし勾留阻止による早期釈放を目指すには、被疑者側の事情を明らかにして逃亡および証拠隠滅の心配がないことを主張しなければなりません。
ただ、そうした事情の主張を行うには法的な視点が必要であり、なおかつチャンスは多くとも上記①②で計2回と貴重なものです。
もし勾留阻止を目指すなら、刑事事件に詳しい弁護士に身柄解放活動を依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、逮捕された方の早期釈放を目指してあらゆる弁護活動を試みます。
ご家族などが携帯電話不正利用防止法の疑いで捜査されたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

横領事件で逮捕

2020-01-08

【事例】

岐阜県高山市在住のフリーターAさん(30歳)は、約1ヵ月前に高山市内のレンタカー会社で乗用車一台をレンタルしました。
レンタルした際は、翌日に返却する契約をしていたのですが、Aさんは返却せず、レンタカー会社に無断でそのまま乗り続けていました。
そして昨日、このレンタカーを運転して高山市内を走行中に、岐阜県高山警察署の警察官に職務質問を受けたAさんは、レンタカーの横領が発覚し、逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

【横領~刑法第252条第1項~】

刑法第252条第1項に「自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する」と横領罪が規定されています。

今回の事件では、Aさんはレンタカー会社の車を、契約期日を過ぎても返却せずにそのまま使用していたので、Aさんの行為は「横領罪」に当たる可能性が非常に高いでしょう。
しかし、もし契約時からAさんに、翌日にレンタカーを返却する意思がなかたった場合は、店員を騙してレンタカーを借りたことになるので、詐欺罪が成立する可能性があります。
詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」と横領罪に比べると厳しいものなのです。
最終的にどのような法律が適用されるかは、実行行為だけでなく、警察等の捜査機関での取調べ内容によって決定するので、横領罪等の刑事事件で警察の警察の取調べを受ける前に弁護士に相談することをお勧めします。

【横領事件の弁護活動】

今回のような横領事件では、逮捕された後に、勾留されることが少なくありません。
逮捕、勾留されている方は、弁護士以外から刑事手続きに関するアドバイスを受けることはできませんので、弁護士の助けがなければ、逮捕から勾留までの全てを一人で対処しなければなりません。
その様な事態を回避するために、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の「初回接見」サービスをご利用いただき、早期に弁護士の選任をご検討ください。
刑事事件専門の弁護士を選任することによって様々なメリットがございます。

①助言を受けれる
一度逮捕されてしまうと、最大で23日間身柄を拘束されることになります。
その期間、捜査機関からの取調べを受けることになりますが、逮捕された方は、どのように取調べを受けて良いのか分からないはずです。
取調べで発言した内容は、後に裁判で取り消すことが非常に困難です。
ご自身の判断だけでは、不利な発言をしてしまう可能性が高くなります。
そこで、先に弁護士からどのように取調べを受けるかの助言をしてもらうことで、取調べ段階で、不利益になるような事態を避けることができるでしょう。

②弁護士の面会
逮捕から勾留決定までの間は、ご家族の方でさえも面会ができません。
また、勾留中の場合、ご家族の方は面会できますが、面会時間に制限があり、立会人がいるため、お互いに伝えたいことを伝えきれない可能性があります。
また弁護士は逮捕から勾留が決定するまでの間でも面会ができ、弁護士は接見によって、逮捕された方の精神的負担を軽くするように努めます。
弁護士の面会は立会人なしで行われるため、逮捕された方は自分が思っていることを自由に話すことができます。

③被害者との交渉
検察官は、裁判で有罪であると証明できる場合でも、被疑者の情状や犯罪後の情況などを考慮して起訴する必要がないときは不起訴処分とします。
被害者との間に示談が成立していれば、検察官が不起訴処分とする可能性が非常に高まります。
そこで、弁護士は、代理人として被害者に対する謝罪や示談交渉を行います。

④不起訴処分となるように検察官へ働きかける
起訴して裁判を行うかどうかは、検察官が決定します。
そこで、弁護士は、検察官が起訴しない(不起訴処分とする)ように働きかけます。

横領事件を起こしたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

名誉毀損罪で逮捕

2020-01-06

【事例】

岐阜県揖斐郡に住むAさんは、交流サイトの掲示板で知り合ったVさんと仲良くなり、メールアドレスを交換しネット上でやり取りをしていました。
1ヶ月ほど前に些細なことからVさんとトラブルになって腹の立ったAさんは、ネットの公開掲示板に、Vさんの実名をあげて「Vさんはストーカーの前科のある犯罪者だ!!」などと、事実ではないことを書き込んで、Vさんを誹謗中傷しました。
この件で、Vさんが岐阜県揖斐警察署名誉毀損罪の被害届を出し、Aさんは警察署から呼び出しを受けました。
(フィクションです。)

【名誉毀損罪について】

名誉毀損罪は、公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した場合に成立する可能性のある罪です。
まず、「公然と」とは、不特定また多数人が認識できる状態で、という意味だとされています。
名誉毀損罪は人の社会的評価の侵害を処罰する罪であることから、このように社会の認識にかかわる要素が必要とされています。
ただし、より軽い罪である侮辱罪とは異なり、事実の摘示が要件となっています。

単に「馬鹿」や「間抜け」などの価値判断を示すにとどまらず、社会的評価の低下を招く具体的な事柄を内容とするということです。
そうした事柄であれば、たとえそれが真実であっても(後述の特殊な場合を除いて)名誉毀損罪は成立する余地があります。
また、社会的評価の低下は目に見えるものではないことから、条文上「毀損した」とあるもののその危険性さえ認められればよいと考えられています。

上記事例では、Aさんが書き込んだインターネットの掲示板が、誰でも閲覧可能な掲示板であれば、公然性は認められるでしょう。
このような行為はまさに名誉毀損罪に当たると言え、Aさんには3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
ちなみに、こうした犯罪行為に関する事実の摘示は、真実かつ公益に適う限り、適法とみなされ名誉毀損罪の成立が否定されることがあります。

【インターネット掲示板の書き込み】

インターネット上の掲示板やSNSに相手を誹謗する書き込みをした場合、その内容によっては名誉毀損罪に該当する可能性があります。
名誉とは、対象となる人・会社・団体等の真価や社会的地位等を指し、名誉毀損の対象となるのは社会的地位や評判です。
インターネットの書き込みは匿名ということもあり、普段よりも攻撃的になってしまう場合があり、不適切な書き込みが刑事事件化することも少なくありません。
またインターネット掲示板への不適切な書き込みは、名誉毀損罪に該当しない場合でも、侮辱罪や偽計業務妨害等の類似の刑法に該当する可能性があります。

【名誉毀損罪の刑事処分について】

名誉毀損罪は親告罪ですので,被害者等の告訴(処罰意思)が無ければ,検察官は公訴を提起することができません。
これは、裁判において名誉毀損に当たる事実が公になることを考慮し、訴追するかどうかを被害者の意思に委ねる趣旨です。
ですので、被害者による告訴がなければ、検察官としては不起訴にせざるを得ないということになります。

上記のことから、名誉毀損罪を犯してしまった際には、被害者と示談交渉を行うなどして告訴を取り消してもらうことが重要になります。
ただ、当然ながらこの告訴の取消しは簡単に実現するものではありません。
そもそも告訴は犯人の処罰を求める意思表示であり、告訴した被害者は強い怒りを抱いているのが通常です。
そのため、下手に交渉を行うと、告訴を取り消すどころか処罰感情をますます強固にしてしまうリスクがあります。
そこで、告訴の取消しを目指すのであれば、やはり弁護士に任せることをおすすめします。
弁護士は法律に詳しい第三者であり、示談交渉を含む代理を専門の一つとする職業です。
ですので、告訴の取消しを実現すべく、交渉決裂のリスクを抑えつつ被害者にアプローチすることが期待できます。
少しでも不安があれば、ぜひ一度弁護士に告訴を取り消したいとご相談ください。

岐阜県揖斐郡でネット上における名誉毀損罪など刑事事件でお困りの方は、是非一度「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」までご相談下さい。
刑事手続きの流れや刑事処分の見通しなどについて弁護士が丁寧に説明いたします。
事務所での法律相談料は初回無料です。

準強制わいせつ罪で逮捕

2020-01-04

【事例】

Aさんは岐阜県恵那市のカラオケ店でアルバイトをしています。
1週間ほど前に、カラオケ店の女性のお客さんが泥酔して廊下で倒れていたので、トイレまで連れて行きました。
そしてトイレの中で、この女性の胸を触る等してわいせつな行為をしたのです。
トイレの中に、女性のお客さんの友達が入ってきたので、Aさんは逃げるようにしてアルバイト業務に戻りましたが、この友達に犯行の様子を目撃されていたらしく、後日、Aさんは岐阜県恵那警察署に逮捕されました。
(フィクションです)

【準強制わいせつ】

刑法第178条第1項(準強制わいせつ罪)
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。

刑法第176条(強制わいせつ罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。(以下省略)※刑法抜粋

刑法第176条に規定されている「強制わいせつ罪」は、暴行や脅迫を手段としてわいせつ行為に及ぶことによって成立しますが、準強制わいせつ罪の成立には、わいせつ行為に及ぶための手段として暴行や脅迫を用いる必要はありません。
しかし、被害者が「心神喪失」若しくは「抗拒不能」にある必要があります。

~心神喪失とは~
精神上の障害によって正常な判断を失っている状態を意味します。
具体的には、催眠状態、泥酔、精神耗弱、麻酔の状態等がこれに当たります。

~抗拒不能とは~
心理的、物理的に犯行不能な状態にあることを意味します。
抗拒不能に陥った原因はその理由を問わないので、驚愕や錯誤によって抗拒不能に陥った場合も該当します。また性的無知や信頼を利用してわいせつ行為に及んだ場合も、抗拒不能に乗じたものとして準強制わいせつ罪が成立し得ます。

【準強制わいせつの刑事罰】

準強制わいせつで逮捕された場合、初犯で被害者と示談が成立している場合には、不起訴処分となる事件もありますが、そうでなければ起訴される可能性が高い事件です。
起訴された場合、執行猶予付の判決も十分に考えられますが、再犯の場合や、犯行が悪質な場合には、実刑判決が言い渡される可能性が高く、事件の内容によっては長期の実刑もあり得ます。
以前は、準強制わいせつは親告罪という犯罪で、被害者からの告訴がなければ検察官が起訴できない犯罪でしたが、刑法改正により非親告罪となったため、絶対に起訴されないということは無くなりました。
それでも,被害者から被害届又は告訴がされたかどうかは,検察官が起訴するかどうかを決めるうえで重要な要素となっています。

【準強制わいせつの弁護活動】

以前は、準強制わいせつは親告罪でした。
親告罪とは、被害者からの告訴がなければ検察官が起訴できない犯罪です。
しかし刑法改正により非親告罪となったため、被害者の告訴がなくても検察官は起訴できるようになりました。
それでも、被害者が告訴しているかどうかは、検察官が起訴するかどうかを決めるうえで重要な要素となっています。
そのため、準強制わいせつ罪の弁護活動は、被害者との示談が効果的となります。
被害者が告訴する前に示談を締結することができれば、当然、告訴を回避することができるので刑事事件化すらされない場合もあります。
また警察等の捜査当局に告訴された後であっても、示談をすることによって、被害者が告訴を取り下げれば、起訴を回避することができます。

刑事罰を避けたいのであれば、被害者への謝罪と、弁償が有効的でしょう。
早期に、弁護士を通じて被害者に謝罪することによって、被害者感情を抑えられて示談できる可能性があるので、この様な事件でお困りの方は、一刻も早く刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

岐阜県恵那市の刑事事件でお困りの方、準強制わいせつ罪の被害者との示談を希望されている方は、岐阜県で刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

事後強盗罪で逮捕

2020-01-02

【事例】

Aさんは、2週間前に、岐阜県養老町のコンビニで缶ビール等1000円相当の商品を万引きしたところを店員に見つかりました。
店員に腕を掴まれたAさんは、店員を突き飛ばして逃走しました。
コンビニを管内にもつ岐阜県養老警察署事後強盗事件として捜査していることを知ったAさんは警察署に出頭する前に弁護士を選任しました。
(フィクションです。)

【事後強盗罪について】

刑法第二百三十八条
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

事後強盗罪とは、その名のとおり事後的に強盗罪のような状況が生じた場合に成立する可能性のある罪です。
通常の強盗罪は、暴行または脅迫により相手方の反抗を抑圧し、その機会に乗じて財産を奪取するものです。
これに対し、事後強盗罪は、窃盗犯が一定の目的で相手方に暴行または脅迫を加えることで成立します。
一定の目的とは、①逮捕を免れること、②盗んだ物が取り返されるのを防ぐこと、③犯罪の痕跡を隠滅すること、のいずれかです。
窃盗とは無関係に他人を傷つけようとした場合には、これらのいずれにも当たらないため事後強盗罪には当たりません。
ただし、そうした目的は外部から読み取れないため、事後強盗罪の疑いで捜査が進むことはありえます。

刑法238条を見てみると、事後強盗罪は「強盗として論ずる」とされています。
その意味は、法定刑や他の罪との関係が事後強盗罪と同様になるということだと考えられています。
つまり、事後強盗罪の法定刑は強盗罪と同様5年以上の懲役であり、死傷が伴えば強盗致死傷罪が成立する余地が出てきます。
あらかじめ強盗に及ぶつもりはなくとも、窃盗の発覚に動揺してつい暴行や脅迫に及んでしまうことは十分考えられるところです。
そうしたケースでも強盗と同列に語られてしまう危険がある以上、事後強盗罪は注意すべき罪だと言えるでしょう。

【示談がもたらす効果】

強盗罪は重大な犯罪の一つとして認知されており、それと同視される事後強盗罪についても同様のことが言えます。
とはいえ、事後強盗罪も特定の個人の利益を害する罪である以上、被害者と行う示談が重要となりえます。

まず、示談が成立することによって、逮捕中の被疑者の釈放を実現できる可能性が高まります。
示談の締結は、謝罪被害弁償などの合意により、当事者間において事件が解決したことを確認する意味を持ちます。
そのため、示談が締結できると、逮捕および勾留の理由である逃亡や証拠隠滅のおそれが低下すると考えられます。

また、示談を通して被害者の処罰感情を薄められる結果、不起訴となる可能性も高まります。
事後強盗罪のような特定の個人に対する罪は、被害者が処罰を望んでいるかどうかが刑事処分に大きく関わってきます。
ですので、示談による処罰感情の軽減は、被害者が処罰を望んでいないとして不起訴につながる要素となるのです。

事後強盗罪は重大な罪ではありますが、以上のとおり示談によって円満に事件を解決できる場合があります。
そうした示談の効果を最大限に発揮するために、示談交渉はぜひ弁護士にお任せください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまで数多くの示談を行ってきた弁護士が、重大事件においても真摯に示談交渉に取り組みます。
ご家族などが事後強盗罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

大麻の栽培事件

2019-12-31

【事例】

土木作業員をしているAさんは、岐阜県岐阜市にある職場の近くに、仕事道具を置くために借りている倉庫で大麻を栽培しています。
Aさんは、10年以上前に友人から大麻の栽培方法を教えてもらってからずっと、この倉庫で大麻を栽培しているのです。
最初は自分が使用する分だけを自宅マンションで栽培していましたが、今では、倉庫で大量の大麻を栽培しており、インターネットで知り合った大麻愛好家に密売しています。
先日、Aさんから大麻を購入した客が警察に逮捕されたという話を聞いたAさんは、警察の捜査が自身にまで及ぶのではないか心配です。
(フィクションです)

【大麻取締法】

大麻取締法では、大麻の所持、譲渡、譲受、輸出入、栽培が禁止されており、Aの行為は、栽培と譲渡の違反になるでしょう。

~大麻取締法第3条第1項~
大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。
ここでいう大麻取扱者とは、大麻栽培者及び大麻研究者のことです。
大麻栽培者とは、都道府県知事の免許を受けて、繊維若しくは種子を採取する目的で大麻草を栽培する者のことです。
また大麻研究者とは、都道府県知事の免許を受けて、大麻を研究する目的で大麻草を栽培し、大麻を使用する者のことです。(大麻取締法第2条)

~栽培の禁止~
大麻取締法第24条に大麻の栽培を禁止する旨と、その罰則が明記されています。
◇大麻取締法第24条第1項◇
「大麻を、みだりに栽培し…た者は、7年以下の懲役に処する。」旨が明記されています。
ここでいう「みだりに」とは、社会通念上正当な理由が認められないという意味です。
上記のとおり、法律上、大麻の栽培が認められているのは大麻取扱者だけですので、それ以外の者が大麻を栽培すれば、この「みだりに」と言えるでしょう。
◇大麻取締法第24条第2項◇
営利の目的で、大麻を栽培した者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する」旨が明記されています。
営利の目的とは、犯人が自ら財産上の利益を得たり、第三者に得させることを、動機・目的とすることを意味します。
簡単に言うと、営利目的に大麻を栽培することとは、販売して利益を得ることを目的に大麻を栽培することです。
大麻を営利目的で栽培していたことは、栽培した大麻を実際に販売していたかどうか、またそれによって利益を得ていたかどうかによって立証されます。

~譲渡の禁止~
大麻取締法第24条の2に、大麻の譲渡を禁止する旨と、その罰則が明記されています。
◇大麻取締法第24条の2第1項◇
「大麻を、みだしに…譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。」旨が明記されています。
◇大麻取締法第24条の2第2項◇
「営利の目的で、大麻を譲り渡した者は、7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金に処する」旨が明記されています。
単に、一度だけ友人に大麻を有償で譲り渡しただけで、営利目的の大麻譲渡とは認められないでしょう。
営利目的の大麻譲渡は、複数回に渡って、大麻を有償で譲渡するといった反復継続性が必要となり、それによって利益を得ていなければなりません。

【薬物事件の弁護活動】

大麻事件の無料相談をご利用された方のほとんどが気にしているのが、警察に逮捕された場合の弁護活動の内容です。
傷害事件や、窃盗事件等、被害者が存在する事件では、その被害者と示談(和解)することで刑事罰を免れる可能性が非常に高くなるので、刑事弁護活動は被害者との示談交渉が主となります。
しかし薬物事件の場合、被害者が存在しないため、その様な弁護活動を行うことができません。
そのため、少しでも刑事罰を軽くする為の弁護活動の一つとして更生に向けた取組があります。
薬物事件は再犯率が高いことで知られていますが、病院で治療を受けたり、専門家のカウンセリングを受けることで、薬物への依存を軽減できると言われており、これらに取組むことが、裁判では更生に向けて意欲的であると評価され、刑事罰の軽減につながります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に詳しい弁護士が、大麻事件のことならなんでも丁寧にお答えいたします。
ご家族などが大麻事件で捜査を受けたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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児童買春で逮捕

2019-12-29

【事例】

岐阜県大垣市に住むAさんは、SNSを通じて知り合った15歳の少女と自宅近所のカフェで待ち合わせた後、ホテルに連れ込んで性交渉を行いお金を渡しました。
いわゆる援助交際です。
少女の母親が援助交際に気付き、岐阜県大垣警察署に相談したことから事件が発覚し、Aさんは逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

【援助交際】

18歳未満の者と性交渉をした場合には、淫行条例違反に問われる可能性がありますが、さらに金銭を対価として渡した場合には、児童買春として児童買春・児童ポルノ禁止法違反に問われます。
また、児童に対する影響力を行使して淫行をさせたという評価がなされた場合では、児童福祉法違反に問われることも考えられます。
この児童福祉法違反は、児童買春罪よりも重い罪となっています。

今回の事件のように、15歳という若年の女子と性交渉したような場合では、事実上の影響力を与えて行為に及んだという判断がされやすくなるため、注意が必要です。
もっとも、児童買春の罪は、5年以下の懲役または300万円以下の罰金の範囲で刑罰が科せられる可能性が高いのですが、初犯であれば、簡易な手続きによる罰金処分(略式罰金)で終結することが大半です。

【年齢の不知】

児童買春を規制している児童買春・児童ポルノ処罰法では「児童の年齢を知らないことを理由として児童買春行為の処罰を免れることはできないが、過失がない時は、この限りではない。」ことが明記されています。
これは、年齢の不知の過失を処罰する趣旨を規定したものです。
つまり、買春行為に際して、相手方の年齢を可能な限り調査して年齢を確認する義務を尽くしたにもかかわらず、児童であることを知り得なかったことを立証しない限り、処罰を免れない旨を規定しているのです。
買春行為の相手方の、具体的な年齢調査の程度や方法については、事件ごとに検討されるでしょうが、一般的には児童に年齢を確認したり、身体の外形的な発育状態によって18歳以上であると信じたとしても調査義務を尽くしたとはいえないでしょう。
例えば運転免許証など、年齢が確認できる身分証で年齢を確認するまでしていれば、例え相手が18歳未満であっても、年齢の不知で児童買春罪の適用を免れる可能性があります。

【弁護活動】

児童買春事件は児童の補導や、児童に対する別件捜査によって発覚する事が多く、警察に捜査されている事に全く気付かないまま、ある日突然逮捕されるといったケースが多々あります。
児童買春の罪は決して軽いものではなく、初犯であっても、逮捕された場合は勾留されて罰金刑となる可能性が高く、場合によっては起訴されてしまう事もあります。
また、児童買春で捕まった場合、「青少年健全育成条例」や「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為等の規制等に関する法律」など別の罪にも問われる可能性があります。
しかし、児童買春に強い弁護士を早期に選任することによって、児童、児童家族に対する謝罪の他、逮捕されて警察の取調べを受けている方へのアドバイス、更生に向けた取り組み等の弁護活動をする事ができ、少しでもよい結果が生まれます。

【保釈による釈放の可能性】

児童買春の疑いで逮捕されると、その後48時間以内に事件が検察庁に送致され、24時間以内に検察官が勾留請求をすべきか決めることになります。
検察官による勾留請求を受けて、裁判官が勾留を妥当だと判断すると、被疑者は勾留請求の日から最長20日間身柄が拘束されることになります。
そして、検察官が勾留中に起訴をすると、裁判が行われることになるとともに、被疑者は被告人となって勾留の期間が最低2か月延長されることになります。

被告人勾留は最初の2か月を経過後1か月ごとに更新することとなっており、何もしなければ身体拘束が相当程度長期に及んでしまいます。
そこで、一日でも早く被告人の身柄を解放するには、保釈という手続が重要になってきます。
保釈とは、裁判所に対して指定された金銭を預けることで、一時的に身柄を解放してもらう手続のことです。
保釈の際に預けた金銭は、被告人が逃亡や証拠隠滅などを図った場合に没収されるおそれのあるものです。
そのため、金銭を無駄にしてまで逃亡などを図る可能性は低いだろうと考えられる結果、比較的容易に釈放が認められるのです。
また、起訴前に釈放を目指すのと異なり、保釈請求には回数制限がない点も魅力的です。
これにより、たとえば起訴直後に保釈請求が却下された場合において、裁判の終了間際に証拠隠滅のおそれがないとして再び保釈請求をするのが可能となっています。

児童買春は重大な事件ですが、保釈による釈放が認められるケースはよく見られます。
一日でも早い釈放を実現するなら、ぜひ弁護士保釈請求を依頼してください。

岐阜県大垣市で起こった刑事事件でお困りの方、ご家族、ご友人が児童買春事件で逮捕された方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

特殊詐欺事件で逮捕

2019-12-27

【事件】

岐阜県北方町に住むAさんは、友人のBさんからの紹介でとあるバイトをすることになりました。
そのバイトとは、とあるアパートの一室でレターパックを受け取り、その中に入っている現金を指定された口座に入金するというものでした。
内容と報酬の高さから特殊詐欺であることに気づいたAさんでしたが、生活に困っていたことから仕方なくそのバイトに手を出しました。
後日、被害に遭ったVさんが警察に相談したことで事件が発覚し、Aさんは詐欺罪の疑いで岐阜県北方警察署に逮捕されました。
(フィクションです。)

【詐欺罪について】

詐欺罪は、他人を欺いて財産を交付させた場合に成立する可能性がある罪です。
相手方の正常な判断能力を害する点に特徴があり、積極的に嘘をつくなどした場合のみならず、告げるべきことを告げなかった場合にも成立する余地があります。
たとえば、買い物の会計で渡されたお釣りが多いと気づいたにもかかわらず、そのことを伝えずにお釣りを受け取った場合、詐欺罪に当たる可能性があります。

特殊詐欺に代表されるように、詐欺罪は複数名が行為を部分的に担当して遂げるケースがよく見られます。
詐欺罪が成立するのは、①欺く行為、②相手方の錯誤、③錯誤に基づく財産の交付、④財産の移転という各過程を辿る場合です。振り込め詐欺を例に挙げると、電話を掛けて欺く役、被害者から現金を受け取る役、受け取った現金を特定の口座に入金する役、というような役割分担が行われることが多いのです。

このように各々が行った行為は部分的であっても、基本的には関与者全員に詐欺罪の成立が認められます。
上記事例のAさんは、レターパックを受け取り、中の現金を特定の口座に入金していたに過ぎません。
ですが、こうした行為が詐欺の一環として行われていたのであれば、詐欺に当たる他の行為についても責任があるものとして扱われます。
そして、Aさんが特殊詐欺だと気づいていた以上、詐欺の故意も認められ、詐欺罪は成立すると考えられます。
詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役であり、役割の軽重を問わず罰金刑になる余地はありません。
ですので、ひとたび詐欺罪で有罪となれば、その刑は厳しいものになることが見込まれるでしょう。

【特殊詐欺における弁護活動】

特殊詐欺で逮捕された場合の刑事弁護活動を紹介します。

~勾留中の身柄解放活動~
早期釈放するために、弁護士は勾留を阻止するための活動を行います。
勾留決定前であれば、検察官や裁判官に対して勾留する必要性がない旨を記載した書類を提出するのですが、勾留が決定してしまった場合には、準抗告という手続きで裁判官の勾留決定に対して異議申し立てをすることができます。
しかし特殊詐欺に関係する事件で逮捕された場合は、勾留が決定する可能性が非常に高く、この様な弁護士の活動が認められる可能性は非常に低いと考えられます。
しかし接見禁止の決定については、家族など明らかに事件と無関係の方だけは接見禁止を解除することができます。

~保釈~
勾留後に起訴されてしまうと、裁判で判決が言い渡されるまで身体拘束が継続されることになります。
しかし起訴と同時に、被告人は、裁判所に対して保釈を申請することができ、裁判官が保釈を認めた場合は、保釈金を納付すれば身体拘束が解かれます。これを「保釈」といいます。

~示談~
特殊詐欺のような事件を財産犯事件といます。
財産犯事件の場合は、被害者に対して被害弁償するだけでなく、謝罪の意味を込めて示談金を支払って、示談を締結します。
示談が締結できるかどうかは、被害者の意思に左右されるのですが、示談が成立し、宥恕を得ることができれば、その後の処分に大きく影響するでしょう。

~公判活動~
起訴されると、一般公開される刑事裁判によって刑事罰が決定します。
無罪を争う場合は別にして、被告人が起訴事実を認めている場合、裁判では、少しでも刑事罰が言い渡されるように弁護士は、被告人にとって有利な証拠を提出するようになり、その上で、被告人の反省や、更生の意思、家族の監督を主張します。
特殊詐欺事件の事実で起訴された場合は、執行猶予判決を目指すこととなりますが、先述したように、特殊詐欺事件に対して、裁判所は非常に厳しい判決を言い渡す傾向があるので、例え初犯であっても、被害金額や、余罪の有無等によっては実刑判決になる可能性があるので注意しなければなりません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、最短でお申込み直後、遅くとも24時間以内に初回接見に向かいます。
ご家族などが詐欺罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

有価証券偽造事件で逮捕

2019-12-25

【事例】

Aさんは、岐阜県山県市のデパートが発行している商品券を偽造して金券ショップに売ることを考えました。
そこでAさんは、デパートが正規に発行している商品券を入手して、カラーコピー機を使用して偽造券を500枚作成したのです。
そして、その偽造券を金券ショップで1枚900円で全て売ってしまいました。
その後、金券ショップの店員が偽造券と気づき、Aさんは、岐阜県山県警察署逮捕されました。
(フィクションです。)

【有価証券偽造罪】

~刑法第162条第1項~
行使の目的で、公債証書、官庁の証券、会社の株券その他の有価証券を偽造し、又は変造した者は、3月以上10年以下の懲役に処する。(刑法抜粋)

~有価証券とは~

通説では、有価証券偽造罪にいう「有価証券」とは、財産権を表彰した証券であって、証券上表示された財産上の権利、行使又は処分のために、その証券の占有を必要とするものとされています。
また有価証券の表彰する財産権は、債券であると物権であると、その他の権利であるとを問わず、流通性を持つことは必ずしも必要でないと解されています。
Aさんが偽造した商品券は、有価証券偽造罪の客体となる有価証券に該当するでしょう。
そのほか、鉄道等の乗車券、定期券、クーポン券等も有価証券に該当します。

~行使の目的~

有価証券偽造罪は、その成立に行使の目的を必要とする目的犯です。
有価証券偽造罪と同じように行使の目的を必要とする法律に通貨偽造罪がありますが、通貨偽造罪の行使の目的にある、流通に置くことまでは必要とされていません。
Aさんは、偽造した商品券を金券ショップに買い取らせているので、この行為は、当然、有価証券偽造罪の「行使」に当たり、その目的で商品券を偽造した行為は有価証券偽造罪に該当するでしょう。

偽造した有価証券を使用すれば、偽造有価証券行使罪が成立します。
偽造した商品券金券ショップに売ったAさんの行為は、当然、偽造有価証券行使罪に該当します。
偽造有価証券行使罪の法定刑は、有価証券偽造罪と同じく3月以上10年以下の懲役です。

~詐欺罪(刑法第246条)~

人を騙して財物の交付を受けると詐欺罪が成立します。
詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役です。
Aさんは、偽造した商品券を、金券ショップの店員に真正(本物)と偽って買い取らせて現金を得ています。
当然、この行為は詐欺罪に当たります。

今回の事件で、Aさんは有価証券偽造罪偽造有価証券行使罪そして詐欺罪の3つの法律を犯していることになりますが、偽造・行使・詐欺は順次手段結果の関係にあるので、牽連犯として刑法上一罪となります。
牽連犯は、該当する罪のうち、最も重い罪の法定刑によって処断されるので、今回の事件の場合、Aさんに科せられる可能性がある刑事罰は「3月以上10年以下の懲役」です。

【弁護士による接見の強み】

逮捕された被疑者は当然ながら外部との連絡が絶たれることとなり、面会が可能になるのは早くとも勾留決定後、すなわち逮捕から2~3日後です。
それまでの間、周囲の方は逮捕中の被疑者の様子を確認することができないため、特に被疑者の身を案じる家族や友人にとっては不安が募るのものです。
また、仮に面会が可能となっても、被疑者と事件に関する話をすることは一切できませんし、面会が可能な日時や頻度にも著しい制限があります。
更に、共犯者が存在するなど一定の事情がある場合、接見禁止という措置により面会などの接触が禁止されることもあります。

以上のような状況下でも、弁護士であれば種々の制限を受けることなく逮捕中の被疑者と接見(面会)を行うことができます。
弁護士が行う接見には、日時、場所、頻度および受け渡す物に関する制限が基本的にありません。
ですので、弁護活動の必要や被疑者またはその家族の要望に応じて、いつでも接見を行うことが可能となっています。
加えて、弁護士が接見を行う場合、警察署の職員は接見の場に立ち会うことができません。
そのため、警察には話しづらい事柄でも、弁護士との接見においては気兼ねなく話すことができるようになっています。

接見による被疑者・被告人との接触は、逮捕を伴う刑事事件において決して欠かすことのできない重要な行為です。
事件をよりよい方向に導くためにも、弁護士への接見の依頼はぜひ積極的に行ってください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、お申し込み後、迅速に初回接見を行える体制を整えています。
ご家族などが有価証券偽造事件を起こして逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

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