Archive for the ‘未分類’ Category
器物損壊罪で逮捕
器物損壊罪で逮捕
岐阜県岐阜市に住むAはマンションの隣人Vに対して音がうるさいと腹を立てていました。
何度も注意に行きましたが、一向に改善されなかったため、ある日、Vが家の玄関前に停めていた自転車を近くの空き地に持っていき、放置しました。
後日、岐阜中警察署から器物損壊の件で話を聞きたいと電話がありましたが、Aは何のことを話しているのか分かりませんでした。
しかし、話をしていくうちに放置した自転車の件だということが分かりました。
マンションと空き地の近くにある防犯カメラに自転車を押すAの姿が映っていたことからAが特定され、器物損壊罪の容疑者として逮捕されました。
(フィクションです)
【器物損壊罪】
刑法第261条
器物損壊罪
「前3条に規定するもの(公用文書等毀棄、私用文書毀棄、建造物等損壊及び同致死傷)のほか、他人の物を損壊し、又は死傷した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する」
他人の物を損壊した場合と、他人の動物を傷害した場合に器物損壊罪が成立します。
損壊とは、物の効用を喪失させることをいいます。
つまり、嫌がらせで物を隠すといった隠匿する行為についても、その物を使えなくしている点で効用を喪失させているので損壊に当たるのです。
今回のような物を隠匿するという器物損壊罪の事例は、一見すると窃盗罪のように見えますが、窃盗罪には権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従い、利用し又は処分するという不法領得の意思がなければ窃盗罪にはなりません。
今回の事例の様に物を隠すという行為以外にも器物損壊罪に当たる少し意外な行為として、他人が飼育している魚を放流したり、食器に放尿したり、落書きしたりといった行為が器物損壊罪にあたるとされた例もあります。
ちなみに器物損壊罪の公訴時効は3年となっておりますので、過去の犯罪行為が発覚して事件になるということも十分にあり得ます。
【親告罪】
親告罪とは、告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪です。
Aさんの行為に適用されるであろう器物損壊罪をはじめ、名誉毀損罪、侮辱罪、秘密漏示罪、過失傷害罪、私用文書等毀棄罪、略取誘拐罪や親族間の窃盗罪等がこれに当たります。
ちなみに平成29年の刑法改正までは、強制わいせつ罪や強姦罪(現在の強制性交等罪)等も親告罪とされていましたが、現在は非親告罪となっています。
親告罪には、告訴不可分の原則があります。
これは、共犯の1人または数人に対してした告訴または告訴の取消しは、他の共犯に対してもその効力を生じることです。
これを告訴の主観的不可分と言います。
また犯罪事実の一部に対してした告訴または告訴の取消しは、その全部について効力が生じます。
これを告訴の客観的不可分と言います。
【親告罪の刑事弁護活動】
親告罪には
・告訴がなければ起訴できない
・一度取消した告訴は、同じ事実で再び告訴できない
という決まりがあります。
そのため器物損壊罪のような親告罪の刑事弁護活動は、被害者との示談が最優先されます。
未だ被害者が告訴していない場合は、示談書の中で告訴しないことを約束してもらい、既に告訴してしまっている場合は、告訴を取消すことを約束してもらうのです。
そういった内容の示談を、起訴されるまでに締結することができれば、器物損壊罪のような親告罪で警察の捜査を受けていても、刑事罰が科せられることはありません。
岐阜県岐阜市の刑事事件でお困りの方、器物損壊罪のような親告罪で警察の捜査を受けておられる方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。
傷害罪で逮捕
傷害罪で逮捕
Aさんは、岐阜県郡上市のスナック店内でカラオケ中、たまたま居合わせた男性と体がぶつかるなどしてトラブルとなりました。
そして仲裁に入った店員をカラオケのリモコンで殴り傷害を負わせた容疑で、岐阜県郡上警察署に傷害罪で現行犯逮捕されました。
後日、店員は容態が急変し、死亡したようです。
(フィクションです。)
傷害罪について
傷害罪とは、相手に暴行を加えた結果、怪我をさせた場合をいいます。
ここで暴行とは、人の身体に対して不法な有形力を行使することとされています。
被害者に怪我をさせるつもりがなくても、意識的に暴行を加えた結果、相手に怪我をさせた場合には、傷害罪が成立するとされています。
傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
傷害致死罪について
傷害致死罪とは、身体を傷害し、よって人を死亡させた者に成立する犯罪です。
傷害致死罪の法定刑は、3年以上の有期懲役(20年以下)です。
傷害致死罪は、傷害罪を犯した結果、被害者が死亡した場合に成立する犯罪です。
殺人罪は、殺意がある場合に成立するのに対し、傷害致死罪は、殺意まではなく暴行または傷害の故意がある場合に成立します。
例えば、被害者に命中させずに脅すことを目的にして石を人に向かって投げた場合、暴行の故意までしか認められませんが、結果として石が被害者の頭に命中して、それによって死亡させた場合には、傷害致死罪が成立する可能性があるのです。
傷害致死罪のように、行為者が認識していた結果より重い結果が生じた場合に、より重い刑罰が科せられる犯罪を結果的加重犯といいます。
傷害致死罪は、結果的加重犯の典型です。
傷害致死罪は、人が死ぬという点では殺人罪と同じですが、殺人罪は殺意をもって行為に出て、それによって人を死亡させるものです。
これに対して、傷害致死罪は、殺人の故意はなく、暴行または傷害の故意だけをもって犯行に及び、傷害を負わせ、それによって人を死亡させるものです。
今回の事件でAさんは、リモコンで頭を殴打した傷害罪で逮捕されたわけですが、その後、被害者は死亡しており、傷害の結果と被害者の死亡に因果関係が認められれば、傷害致死罪が適用されるでしょう。
裁判員裁判
傷害致死罪で起訴された場合の刑事裁判は、裁判員裁判によって行われます。
裁判員裁判とは、平成21年から始まった刑事裁判の制度で、ある一定の重い罪の刑事裁判においては、裁判所によって無作為に選出された国民が、裁判に参加し、裁判官と共に被告人の処分を決定する裁判のことです。
裁判員裁判は、裁判期間こそ短期間で行われますが、裁判が開始されるまでに、証拠や主張等を整理する特別な手続の期間が設けられるために、起訴されてから裁判で刑が言い渡されるまでは長期間に及びます。
そして長期に渡って裁判を戦っていくにあたっては、刑事事件を専門とする、裁判員裁判の経験豊富な弁護士に依頼することを、お勧めいたします。
膨大な証拠を精査し、必要な証拠を取捨選択する等、刑事事件の経験に裏付けられた知識が必要となるからです。
また、裁判員裁判においても、法的な知識を有しない裁判員に対して、主張をアピールするための法廷技術等が必要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、これまで裁判員裁判を経験した弁護士が複数在籍しており、裁判員裁判において必要な知識や技術を有しておりますので、事件を起こして起訴された方だけでなく、そのご家族の方にも安心していただくことをお約束します。
岐阜県郡上警察署が管轄する地域で刑事事件を起こしてしまった方、ご家族、ご友人が傷害致死罪で警察に逮捕されてしまった方、裁判員裁判の経験豊富な弁護士をお探しの方は、刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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大麻所持で逮捕
大麻所持で逮捕
岐阜県羽島市に住むAさんは、大麻を摂取しているという友人の話を聞いて自身も興味が湧き、いざとなればすぐやめられるだろうと思って大麻を摂取し始めました。
しかし、やがてAさんは大麻に魅了され、自宅で大麻を摂取しながら他の薬物にも手を出してみたいと思うようになりました。
その矢先、Aさん宅を岐阜羽島警察署の警察官が訪ね、Aさんを大麻取締法違反(大麻所持)の疑いで逮捕しました。
Aさんと接見した弁護士は、Aさんの両親に対して執行猶予となる可能性があることを説明しました。
(フィクションです。)
【警察が取り締まる大麻事件】
大麻取締法では、大麻の所持、譲渡、栽培、輸出入等が禁止されており、これらの違反を警察が取締っています。
覚せい剤取締法では覚せい剤の使用を禁止し、罰則規定が設けられていますが、大麻取締法では大麻の使用を禁止した条文がないのが特徴です。
また、大麻取締法で禁止されているそれぞれの違反形態には、非営利目的と営利目的があり、罰則規定が異なります。
【大麻事件の警察捜査】
~所持事件~
大麻の所持事件は、警察官の職務質問や、交通違反等によって発覚する事件がほとんどです。
警察で薬物捜査を担当した経験のある元警察官によると「大麻の単純な所持事件は、職務質問等で発覚するケースがほとんどです。大麻の臭いは特徴的なので、職務質問や交通違反の取締りの際に車の中から、大麻の特徴的な臭いがすれば徹底的に車内を検索して大麻を見つけます。そして大麻があればその場で現行犯逮捕です。」とのことです。
このようにして事件が発覚する他に、密告等によって大麻所持の疑いがある者に対しては、警察が長期間に及ぶ内偵捜査を行い、その後関係先に対して捜索差押(いわゆる「ガサ」)が行われることによって発覚する事件もあります。
この捜索差押によって大麻が発見された場合も、大麻の所持罪で現行犯逮捕されるのですが、このようにして発見押収された大麻が大量であった場合は、営利目的を疑われます。
押収された大麻量が多かったり、大麻を密売して利益を得ていたことが立証された場合等は、営利目的と認定されることがあるのです。
非営利目的の大麻所持罪の法定刑は「5年以下の懲役」ですが、営利目的の法定刑は「7年以下の懲役(情状によっては200万円の罰金が併科される場合もある)」と厳しいものです。
~譲受事件~
大麻の譲渡罪は、先に大麻の所持罪で逮捕された者が、取調べにおいて「●●さんから入手した。」と供述することによって発覚する事件が大半です。
警察は、この供述に対する裏付け捜査を行います。
大麻の受け渡しの際に携帯電話で連絡を取り合っていた場合は、携帯電話の通話記録を調べたり、受け渡し場所やその周辺に設置された防犯カメラの映像を確認したりするのです。
そして、この供述を裏付けるだけの証拠がある場合は、大麻の譲渡罪で逮捕されることがあります。
そして譲渡罪で警察の捜査を受ける場合も、関係際を捜索差押されることになります。
もし捜索差押で大麻が発見された場合は、譲渡罪とは別の大麻の所持罪にも問われることとなります。
譲渡罪も、非営利目的と営利目に別れており、それぞれの法定刑は所持罪と同じです。
【執行猶予とは何か】
仮に大麻所持が発覚したとしても、初犯で所持の量もそれほど多くなければ執行猶予となる可能性が十分あります。
執行猶予とは、刑の執行に一定の猶予期間を設けるとともに、その期間中に執行猶予が取り消されなければその後も刑の執行をしないこととする制度です。
執行猶予の利点は、刑の全部執行猶予が言い渡された場合に、判決後直ちに刑務所に収容されるという事態を回避できる点です。
これにより、たとえ懲役刑を言い渡されたとしても社会復帰を実現できる余地が出てくるのです。
執行猶予は、一定の事情が発生した場合に必ず取り消され、または取り消されることがあります。
執行猶予が必ず取り消される事情としては、たとえば執行猶予の言い渡し後に禁錮以上(懲役を含みます)の刑が科される場合が挙げられます。
また、執行猶予が取り消される可能性がある事情としては、たとえば保護観察付の執行猶予となった際、保護観察中に遵守すべき事項を遵守しなかった場合が挙げられます。
執行猶予は早期の社会復帰を目指せる点で有益な制度ですが、制度の内容は複雑であり、なおかつ目指すためには裁判における相応の振舞いが求められます。
もし執行猶予に関して疑問があれば、ぜひ一度お近くの弁護士に相談してみてください。
執行猶予の見込みや、執行猶予を目指すためにやるべきことなど、きっと役立つアドバイスを受けることができるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に詳しい弁護士が、執行猶予のことならなんでも丁寧にお答えいたします。
ご家族などが大麻所持の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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動物虐待で不処分
動物虐待で不処分
岐阜県各務原市に住むAさん(16歳)は、同市内にある幼稚園で飼っていたウサギ2羽を盗みだしました。
Aさんは盗み出したそのウサギを燃やしたり、刃物のようなもので切って虐殺し、死骸を路上に遺棄しました。
Aさんは、被害届を受けた岐阜県各務原警察署に、窃盗罪や動物愛護法違反の容疑で事情を聞かれています。
Aは、今後どうなるのか、刑事事件専門の弁護士に相談しました。
(フィクションです)
【動物愛護法違反】
上記Aさんのように動物愛護法違反に反した場合にはいかなる刑事罰が科されるのでしょうか。
動物の愛護及び管理に関する法律(以下、動物愛護法とします)は、「動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない」旨を基本原則として定められています。
動物愛護法に反し、愛護動物をみだりに殺し又は傷つけた場合には、「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」に処される可能性があります。
また、Aさんのように動物を殺傷するために、幼稚園に侵入したような場合には、刑法上の窃盗罪や建造物侵入罪等も成立する可能性があります。
【取調べ対応】
動物愛護法違反等で警察から捜査を受ける場合、警察官からの取調べを受けることになります。
その取調べの際、警察官が被疑者の言い分を「調書」としてまとめます。
取調べで作成された調書は、その後、検察官に送られ、刑事処分の有無(内容)などを考慮する際の材料となります。
そのため取調べで、どのような内容を供述するかは、今後の刑事処分が決定する上で、非常に重要なものとなります。
【不処分を目指して】
罪を犯した者が20歳未満である場合、その事件は刑事事件ではなく少年事件として扱われるのが原則です。
少年事件においては、刑罰が科されない代わりに、少年の更生と健全な育成を目指して保護処分というものが行われることになります。
保護処分が行われるまでの流れは、①警察の取調べ→②検察官送致→③家庭裁判所送致→④調査→⑤少年審判となるのが一般的です。
場合によっては、逮捕・勾留や観護措置による少年鑑別所留置などが行われ、身柄が拘束された状態で手続が進められることもあります。
保護処分の目的は少年の更生であり、そこに至るまでに非行事実や少年の素行に関する調査と、具体的な保護処分の内容を決める少年審判が行われます。
保護処分の内容は様々ですが、重いものだと少年院送致があり、そうなれば過度に少年の自由を制約してしまうリスクが出てきます。
こうした制約を阻止するために、特に少年の自主的な更生が期待できる事件では、不処分を目指すことが考えられます。
不処分は保護処分を行わないという裁判官の決定であるため、少年はその後の生活において何らの制約も課されません。
それだけに、不処分を実現するには、少年本人とその周囲の力だけで少年の更生が可能であることを積極的にアピールする必要があります。
そうしたアピールの可否は少年の育成環境の整備に懸かっているので、もし不処分を目指すなら少年事件に精通した弁護士の力を借りるとよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件に強い弁護士が不処分を目指して的確なアドバイスを致します。
もしお子さんが動物虐待をして警察が介入したら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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盗品等有償譲受罪で検挙
盗品等有償譲受罪で検挙
公務員のAさんは、知人のVさんから「Aさん、確かバイク欲しがってたよね。いいバイクがあるんだけど、早急にお金が必要だからすぐに売りたいんだ」と申出を受けました。
そのバイクは中古のわりに状態が良く、Vさんの言い値も非常に安かったことから、Aさんは二つ返事でバイクを買い受けました。
後日、Aさんがバイクで岐阜県飛騨市内を走行していたところ、たまたま警察官から職務質問を受けました。
その際、Aさんが買い受けたバイクは盗品であることが判明し、Aさんは盗品等有償譲受罪の疑いで岐阜県飛騨警察署にて取調べを受けました。
後日、Aさんが弁護士に相談したところ、弁護士は「失職回避のために弁護活動を行う必要がある」とアドバイスをしました。
(フィクションです)
【盗品等有償譲受罪について】
刑法第二百五十六条
盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。
2 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。
盗品等有償譲受罪は、窃盗罪や詐欺罪といった財産犯により得られた物品を買い受けた場合に成立する可能性のある罪です。
上記引用条文のとおり、盗品等有償譲受罪の法定刑は10年以下の懲役および50万円以下の罰金となっています。
この法定刑は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金となっている窃盗罪よりも重いものです。
その理由は、有償での譲受けなどが動機付けとなり、窃盗などの行為を助長する危険性があるからだとされています。
盗品等有償譲受罪の成立を認めるには、譲り受けた者が盗品等だと理解していたか、もしかしたら盗品かもしれないと思っていたことが要件となります。
もし何も知らなかったにもかかわらず盗品等の認識が疑われているなら、その疑いを晴らすための弁護活動も必要となってくるでしょう。
【公務員の失職回避を目指して】
国家公務員法および地方公務員法には、公務員の採用試験を受験できなくなる事由(欠格条項)が定められています。
在職中の公務員がこの欠格条項に該当した場合、その公務員は在職し続けることができないとして当然に失職することになります。
国家公務員法および地方公務員法は、公務員の欠格事由として「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者」を挙げています。
そのため、もし盗品等有償譲受罪で有罪となれば、公務員の職を失うことになってしまうと考えられます。
公務員が失職を回避するための手段は、大きく分けて①起訴される前に不起訴を得る、②裁判で無罪を勝ち取る、の2つです。
上記手段のうち②については、事件が法廷という公の場に露呈することになるため、仮に無罪だったとしても悪い噂が立つなどして事実上退職せざるを得なくなる危険があります。
そこで、公務員の失職を回避するために目指すべきは、不起訴による事件の終了ということになってきます。
検察官により不起訴処分がなされると、よほどのことがない限り刑事責任が追及されることはなくなります。
そのため、不起訴処分の獲得というのは、もはや公務員の失職の可能性が殆ど0になることを意味するのです。
そのように大きな効果を持つだけに、不起訴を実現するためには一筋縄ではいきません。
職を失うというのは重大なことなので、失職回避を目指すならぜひ弁護士に相談してください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、失職を回避したいという公務員の方のご相談を真摯にお聞きます。
盗品等有償譲受罪を疑われたら、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にお電話ください。
刑事事件・少年事件専門の法律事務所として、取調べ対応や具体的な弁護活動についてしっかりご説明いたします。
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淫行条例違反で逮捕
淫行条例違反で逮捕
会社員のAさんは、出会い系アプリで知り合った少女と会う約束をしました。
Aさんと少女は食事をした後、ホテルに行き同意のもと性行為をしました。
Aさんは、アプリでのやり取りで特に少女の年齢確認をしたわけではありませんが、見た目や会話の内容から「18歳未満かもしれない」とは思っていました。
後日、岐阜県揖斐警察署が早朝にAさんの自宅を訪れ、家宅捜索後にAさんを淫行条例違反の容疑で逮捕しました。
Aさんが関係を持った少女が別件で補導された際に、今回の事件のことが発覚したようです。
(フィクションです)
【淫行】
淫行とは一般的にみだらな行為を意味する言葉です。
最高裁判例によると、淫行とは「広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきではなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性行為類似をいうもの」と定義されています。
【淫行条例】
淫行に対する罰則は、各都道府県の青少年健全育成条例等に定められています。
岐阜県では、岐阜県青少年健全育成条例が定められており、この条例の中で淫行行為については以下のように規定されています。
岐阜県青少年健全育成条例
第23条
何人も、青少年に対して、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
第48条
2年以下の懲役又は100万円以下の罰金
「青少年」とは
岐阜県の場合、青少年とは「18歳未満の男女」を指します。
青少年の定義は様々ですが、ほとんどの都道府県では、岐阜県の淫行条例と同様に「18歳未満の男女」を青少年だと定義しています。
ちなみに岐阜県の淫行条例で「18歳未満の者(法律によって青年に達したものとみなされる者を除く。)」と定めているように、都道府県ごとに定義の仕方には差異があります。
「淫行」の成否とは
先述の最高裁判例でも示されているように、「淫行」とは広く青少年に対する性行為一般を指すものではありません。
そのため、相手が青少年であっても、結婚を前提にした真摯な交際を前提とする性交であれば淫行にはあたりません。
もっとも、単に口頭で真摯な交際関係があると主張しさえすれば、淫行にあたらないというわけではありません。
本人の年齢、交際や性交に至るまでの経緯・期間、交際の態様、性交の頻度、結婚の約束などの様々な事情を考慮して淫行にあたるかどうかが判断されます。
例えば、一応の交際関係はあっても、中学を卒業したばかりの女子といきなり車中で性交をし、その後も何度も性交を重ね、その際に結婚の話を一度もしたことがない等の事情があるときに女子を単なる自己の性欲の対象としてしか扱っていなかったと認定して淫行に該当するとしたケースもあります。
【事例について】
上記ケースでは、二人が知り合った経緯が出会い系アプリであり、初めて会った日に性行為を行うなど、Aさんの行為は「淫行」にあたると考えられます。
また、「相手の同意があったから、淫行には該当しない」と主張されることが多いのですが、相手の同意があったからといって、必ずしも「淫行」に該当しないわけではありません。
例え、形式上交際関係にあったとしても、両者の年齢差、性行為に至る過程、交際の態様などの要件が考慮された結果、淫行条例違反か否かが判断されます。
淫行条例違反事件で逮捕された場合、逮捕から48時間以内に、警察はあなたを釈放するか検察に送致するかを決めます。
警察が、あなたを検察に送致すると、検察官はあなたの身柄を受け取ってから24時間以内に、あなたを釈放するか裁判官に勾留請求するかを判断します。
検察官からの勾留請求を受けた裁判官は、あなたを勾留するか釈放するかを決定し、勾留決定を出した場合、検察官が勾留請求した日から10日間あなたの身柄は拘束されることになります。
勾留延長となれば、最大で20日間の身体拘束が続きます。
長期の身体拘束となれば、その間職場や学校に行くことはできませんので、解雇や退学となる可能性もあります。
そのような事態を回避するためにも、逮捕されたらすぐに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、これまで数多くの事件で身柄解放に成功した実績があります。
ご家族が逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。
麻薬特例法で初回接見
麻薬特例法で初回接見
【ケース】
若いころから覚せい剤の密売で生計を立てているAさんは、知人を通じて、外国から100キロ単位の覚せい剤の密輸を企てました。
外国の密売人が、重機の輸入品に覚せい剤を隠して日本に輸入しようとしたのですが、この取引を察知した、麻薬取締局と、岐阜県警察本部薬物対策課によって、重機に隠されて輸入された覚せい剤が、覚せい剤を模した結晶に入れ替えられたのです。
その事実を知らないAさんは、重機が搬入された倉庫に覚せい剤を取りに行き、そこで捜査当局によって逮捕されてしまいました。(フィクションです。)
【麻薬特例法】
「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」を省略して「麻薬特例法」といいます。
麻薬特例法は、平成4年に施行された法律で、薬物犯罪による薬物犯罪収益等のはく奪、規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図ることなどを目的にしています。
麻薬特例法で規制されている薬物は、麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚せい剤です。
麻薬特例法でいう「薬物犯罪」とは、覚せい剤に限った場合、覚せい剤の輸出入、製造の罪(営利目的を含む)、又はこれらの未遂罪、所持、譲渡し及び譲受けの罪(営利目的を含む)、又はこれらの未遂罪、譲渡しと譲受け(営利目的を含む)の周旋の罪です。
【薬物等の譲り受け等】
規制薬物としての薬物等の譲り受け等の罪に関しては麻薬特例法第8条第2項に規定があります。
ここでは、薬物犯罪(規制薬物の譲渡し、譲受け又は所持に係るものに限る)を犯す意思をもって、薬物その他の物品を規制薬物として譲り渡し、若しくは譲り受け、又は規制薬物として交付を受け、若しくは取得した薬物その他の物品を所持した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する旨が明記されています。
ここでの「薬物」とは、規制薬物でないことが明らかである薬物のほか、規制薬物であるか否かの証明が十分でない薬物を含みます。
つまり、譲り受けなどした物が覚せい剤などの現物(薬物)でなくても、本罪による逮捕、処罰が可能になるのです。
この規定は、覚せい剤等の規制薬物に係る不正行為を助長する行為を防止するために設けられています。
つまり、規制薬物として譲り受けする行為は、覚せい剤等の規制薬物に係る不正行為を助長し、社会に害悪を及ぼす行為と考えられているのです。
覚せい剤取締法の譲り受け事件は、覚せい剤そのものが存在しなければ立件することが困難ですが、麻薬特例法ではその必要はありません。
ただ、現物が覚せい剤等の薬物ではないことから、本罪の法定刑は覚せい剤取締法よりもかなり軽くなっています。
【初回接見の重要性】
麻薬に関する事件では、情報を掴んだ捜査機関が最初に捜索差押を行い、物的証拠たる麻薬が見つかった時点で逮捕されるというケースがよく見られます。
そのため、もし麻薬所持が捜査機関に発覚した場合、逮捕の可能性は決して低くないと考えて差し支えありません。
初回接見は、逮捕中の被疑者に対して捜査の流れや取調べ対応などを伝えられるとともに、事件の詳細を弁護士と被疑者の家族が知る貴重な機会です。
そのため、迅速な初回接見が重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、薬物事件の経験豊富な弁護士が、事件の円満な解決を目指して力の限りを尽くします。
ご家族が麻薬所持の疑いで逮捕されたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にお電話ください。
刑事事件・少年事件専門の法律事務所として、その後の活動を見据えて可能な限り早く初回接見を行います。
事務所での法律相談料は初回無料です。
脅迫罪で釈放
脅迫罪で釈放
岐阜県恵那市に住むAさんは、境界線を巡って、3年前から隣人とトラブルになっています。
このトラブルは、お互いが弁護士を代理人に入れて民事訴訟で争っていましたが、結局、Aさんの主張は認められませんでした。
そのことが納得できず、腹を立てたAさんは、先日、自宅前に偶然会った隣人に対して「このままで終わると思うなよ。子供の送り迎えに気を付けろよ。」と言いました。
するとこの事を隣人が、岐阜県恵那警察署に届け出たのでたことから、Aさんは脅迫罪で逮捕されてしまったのです。
Aさんの妻は、すぐに刑事事件に強い弁護士を選任したことから、Aさんは逮捕の二日後に釈放されました。
(フィクションです。)
【脅迫罪~刑法第222条~】
人の生命、身体、自由、名誉又は財産に危害を加える旨を告知すれば脅迫罪となります。
脅迫罪は、結果の発生を必要としない危険犯です。
脅迫罪は、相手方だけでなく、相手方の親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に危害を加える旨を告知した場合にも成立します。
~害悪の告知~
法律的に、脅迫のことを「害悪の告知」と表現しますが、どの程度の内容が害悪の告知に当たるのでしょうか。
それは、人を畏怖させるに足りるものであれば、その内容や、告知方法に制限はないとされています。
そして人を畏怖させるものかどうかについては、相手方の境遇や年齢、その他の事情を考慮されます。
また人が畏怖したかどうかは、告知した内容だけでなく、告知者の態度や、人柄、その他の状況を総合的に考慮して判断されます。
ちなみに害悪の内容が、犯罪となったり、違法である必要はなく、害悪が一定の条件によって実現する旨を告知した場合や、単に害悪が及ぶ可能性をほのめかしても脅迫に当たります。
~脅迫罪の量刑~
脅迫罪の法定刑は「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」です。
初犯であれば、示談がなくても不起訴や略式罰金といった刑事罰となる可能性が非常に高いですが、再犯の場合や、犯情が悪質な場合は実刑となる可能性があるので注意しなければなりません。
【釈放の可能性】
脅迫罪の疑いで逮捕されると、その後勾留されることで最長23日間も身柄を拘束される可能性が出てきます。
こうした長期の身柄拘束が行われると、当然ながらその間会社や学校などに行くことはできなくなり、著しい不利益を被ることになりかねません。
刑事事件において、釈放を狙えるタイミングというのは何度かあります。
大きく分けると、①逮捕から勾留決定まで、②勾留決定から起訴まで、③起訴後の3つになります。
脅迫罪は比較的軽い罪なので、釈放を実現できる理想のタイミングは①になります。
ただ、今の日本では勾留される確率が比較的高くなっており、身体拘束をできるだけ短期間にするという捜査機関の意識は弱いと言えます。
そのため、もし①の段階での釈放を目指すのであれば、弁護士に事件を依頼するのが安心です。
事件の依頼を受けた弁護士は、逮捕中の被疑者を釈放すべく、法的な視点からの考察と釈放に向けた環境整備を同時並行で進めます。
これにより、弁護士であれば早期に釈放を実現できる可能性が高まるのです。
逮捕中の被疑者にとって、逮捕と勾留による身体拘束は相当の肉体的・精神的負担を伴うものです。
そうした厳しい状況からいち早く救うために、積極的に弁護士の力を借りてみてください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に精通した弁護士が、逮捕されている方の釈放に向けて充実した弁護活動を行います。
ご家族などが脅迫罪の疑いで逮捕されたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にお電話ください。
刑事事件・少年事件専門の法律事務所として、早期の釈放に向けて迅速に初回接見を行います。
また、事務所での法律相談料は初回無料です。
窃盗(万引き)罪と執行猶予
窃盗(万引き)罪と執行猶予
会社事務員のA子さんは、休みの日に岐阜県大垣市のデパートに買い物に行きました。
そして婦人服売り場で、ずっと前から欲しかったハンドバックをたまたま見つけたのですが、給料日前で現金を持ち合わせていなかったAさんは、万引きすることを思いつき、店の中に入りました。
Aさんは店員の様子をうかがいながら店内をうろつき、店員が他の客の対応をしている隙に、陳列棚の上に展示してあったハンドバックを手に持ち、品定めをするふりをしながら値札をひきちぎり、窃取しました。
Aさんは、窃盗の前科前歴があり、今回は執行猶予期間中の犯行ということで、AさんもAさんの家族も今度こそ実刑になるのではないかと不安でたまりません。
(フィクションです。)
窃盗症とは
常習窃盗を大きく分類すると以下の3つに分けられます。
①経済的利益のために金目の物品や金銭を盗む職業的犯罪者
②飢えて食べ物や生活必需品を盗む貧困者
③金があるのに些細なものを盗む病的窃盗者
③のように、十分な資産を有しているにもかかわらず、繰り返し数百円の物を盗む者は、窃盗症(クレプトマニア)と呼ばれる精神障害を患っている可能性があります。
クレプトマニアの人は、物を盗む時のスリルや、成功した時の達成感、開放感を得る為に窃盗を繰り返します。
窃盗が犯罪であるという事を頭で理解しているのですが、物を盗もうとする衝動に抵抗する事ができず犯行を繰り返してしまいます。
窃盗症(クレプトマニア)の方の再犯を防止するには、刑務所に服役させる等の刑罰を科すよりも、専門家のカウンセリングを受けたり、専門医の治療を受ける方が有効的だという専門家の意見があります。
過去10年以内に窃盗罪などで懲役6月以上を3回以上言い渡された人が新たに窃盗罪に問われた場合、常習累犯窃盗罪が適用される可能性があります。
常習累犯窃盗罪とは「盗犯等の防止及び処分に関する法律」に定められた法律で、起訴されて有罪が確定すれば「3年以上の懲役」と非常に厳しい法定刑が定められています。
刑法の規定では、執行猶予を付けられるのは懲役3年以下などに限定されているため、常習累犯窃盗罪で起訴された場合、実刑を免れることは非常に難しく、長期服役の可能性もあります。
実際に、1回の犯行で被害額が数百円程度の万引き事件を繰り返した男性に、常習累犯窃盗罪が適用されて「懲役5年」の判決が言い渡された裁判例もあるほどです。
執行猶予について
窃盗罪の罰則規定は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
万引きのような被害額が少ない窃盗事件の場合は、初犯で微罪処分、2回目で起訴猶予、3回目で略式罰金若しくは執行猶予付判決、4回目で懲役刑となるケースがほとんどです。
刑事事件に強い弁護士を選任して、被害弁済したり、示談する事で、処分が軽くなる事は十分に考えられますが、通常は、回数を重ねるごとに厳しい処分となります。
ただし、過去には、保護観察付きの執行猶予期間中に再犯に及んだ窃盗事件で、裁判所が罰金刑を言い渡した裁判がありました。
この裁判の被告人は、窃盗症(クレプトマニア)の治療中に事件を起こしており、簡易裁判所は「保護観察を継続して更生に努めさせるのが相当」として罰金刑を言い渡したのです。
自分ではやめたいと思っているのに、万引きを繰り返してしまう、そのような場合には、窃盗症が疑われるかもしれません。
窃盗症は一種の精神疾患ですので、刑罰を科すことでは再発防止は望めないでしょう。
何よりも専門の治療を受ける必要があります。
ですので、窃盗症と診断される場合には、治療に専念するため社会内処遇が適していることを説得的に主張することが重要です。
上記ケースにように、窃盗症を患う方が執行猶予期間中に再度犯行に及んでしまうケースは少なくありません。
窃盗症であると診断された場合には、医師による専門的治療を受けたり、支援組織による講義に参加したりと、窃盗症を克服できる環境づくりが必要です。
その上で、弁護士は、裁判において、常習窃盗の原因が窃盗症であること、専門的治療を受ける環境がととのっていること、本人も治療に専念し再発防止に意欲的であることや、家族からの支援が期待できることなど、もう一度社会内で更生する機会を与えてもらうよう、弁護活動に取り組みます。
岐阜県の窃盗事件で、窃盗症が疑われる方、執行猶予となり社会内での更生をご希望の方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。
暴行罪で微罪処分
暴行罪で微罪処分
Aさんは、会社の飲み会帰りにタクシーで岐阜県中津川市内の自宅に帰っていたところ、酔った勢いで運転手Vに絡み、運転席を後ろから蹴る等軽い暴行を加えました。
その後Vさんが110番通報したため、Aさんは中津川警察署に暴行罪の容疑で任意同行されました。
取り調べ後、刑事事件を早く終わらせたいAさんは、刑事事件に強い弁護士に相談しました。
(フィクションです)
【微罪処分とは】
暴行罪における暴行とは、人の身体に対する有形力の行使のことをいいます。
他人を殴る蹴る行為はもちろん、手で他人の肩を押す行為や頭髪を切断する行為も暴行に当たりますし、刀を振り回す、石を投げる等相手に接触しなくても、有形力の行使とみなされ、暴行罪に問われることがあります。
今回のケースにおいても、Aさんの運転席を蹴るという行為は、Vさんに対する有形力の行使に当たるため、暴行罪に問われる可能性があります。
通常、暴行罪等の容疑で警察が犯罪の捜査をした場合、その書類や証拠物とともにその事件を検察官に送致しなければならないとされています。(刑事訴訟法246条)
しかしながら、軽微な犯罪かどうかや前科の有無を考慮し、警察が犯罪を犯した成人の事件を検察に送致することなく、刑事手続を警察段階で終了させることができます。(微罪処分)
微罪処分となることが決まれば、逮捕されることなくその日に警察署から出ることが可能ですし、当然起訴され前科がつくこともありません。
微罪処分にするかは、対象事件が決まっており、各地方検察庁検事正が刑事訴訟法第193条第1項の一般的指示事項に基づき限定されています。
各地方によって若干の差異はありますが、おおむね次のように定められています。
〇微罪処分できる事件
「犯罪事実が軽微で、刑罰を必要としないと明らかに認められるもので、次に該当するもの。」
〇窃盗、詐欺、横領又は盗品譲受け等に関する事件のうち、次の事項をすべて充足するもの
1 被害額がおおむね20,000円以下のもの
2 犯情軽微なもの
3 盗品等の返還その他被害が回復されたもの
4 被害者が処罰を希望しないもの
5 素行不良者でない者の偶発的犯行で、再犯のおそれのないもの
賭博事件のうち、次の事項をすべて充足するもの
1 得喪の目的である財物が極めて僅少なもの(と銭の額がおおむね20,000円以下)
2 犯情軽微なもの
3 共犯者全員が再犯のおそれのない初犯者の場合
〇暴行事件のうち、次の事項をすべて充足するもの
1 犯情軽微なもの
2 共犯事件でないもの
3 被害者が処罰を希望しないもの
4 素行不良者でない者の偶発的犯行であって再犯のおそれのないもの
〇微罪処分できない事件
前記該当事件であっても、次に該当する事件は微罪処分できない。
1 被害者を通常逮捕又は緊急逮捕した事件
2 告訴、告発又は自首事件
3 法令により公訴を義務付けられている事件
4 検事正が特に送致を指示した事件
5 少年事件
微罪処分のメリット
最初に事件を取り扱った警察官が微罪処分で処理できると判断すれば微罪処分の手続きが進みます。
通常の刑事手続きと異なり、微罪処分専用の書類が作成されるのですが、その内容は非常に簡易です。
そのため、後日、取調べ等で警察署に呼び出されることは稀で、当日のうちに手続きが完了します。
また、警察署での手続きを終えた後に、事件が検察庁に送致されることはありません。
そのため、検察庁から呼び出されることはなく、前科にもなりません。
微罪処分のデメリット
上記のように、非常に簡易な手続きであるため、警察の捜査や、事実認定が適当になりがちです。
微罪処分は前科にはなりませんが、前歴として警察のデータベースに指紋や、写真が残ってしまいます。
今後、警察に指紋、写真を保管されている中での日常生活にストレスを感じる方も少なくありません。
ご家族が暴行罪で警察からの捜査を受けてお困りの方、微罪処分といった刑事事件の早期解決をお望みの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。